和食 の定式に五味五色五法というものがある。
「五味」とは、甘、酸、辛、苦、それに鹹(かん)、鹹とは塩辛いこと。
「五色」とは、白、黄、赤、青、黒のこと。黒には濃い紫を含む。
「五法」とは生、煮る、焼く、揚げる、蒸すという調理法を指す。生は生の食感を活かす。
日本食とはこれくらいデリケートな料理。
素材の持ち味を生かしながら、味、香り、色を大事にし、春夏秋冬の季節感をも重視し、材料の旬にも気を配る。
さらに、料理を盛り付ける器も、料理によって或いは季節によって、色、形、材質について配慮する。
色については、青の食材はないはず。緑のことだろう。
地球が誕生して、植物が生命を持ったとき、すべての植物は緑色であり、唯一の色だった。
この緑の食べ物は、主に体の調子を整えるとされる。
また、人類が最初に意識した色である赤い食べ物は、主に体の血や肉を作るといわれる。
黄色い食べ物はエネルギーになるとされる。
チャールズ・R・ダーウィンの「種の起源」によれば、その葉緑素は「植物の化学作用である変種や変異で、新しい色が進化した」という。
藻類が海から地上に進出したときに強烈な紫外線から身を守ったのが、抗酸化力という色の防御システムだった。
果実は未成熟の緑色をしているとき光合成を行い、成熟すると、カロテノイドやアントシアニンが生成され、赤、黄、紫に変化する。
この色素の抗酸化力は種を守り、同時に色づくことで、赤い色が識別できる鳥が種子を運ぶことが出来るように、食べてもいいというシグナルを送っている。
鳥だけでなく、赤色は、昆虫、動物、人間などにも食べてもいいというサインを送っているのだった。
こうして果実の色は、種の保存を図っている。
赤い果実がなぜ赤いのか、その理由は種の保存。
植物が種を切らさない、子々孫々の繁栄のためだった。
それを人間が食材として食べ、すべての生物に生きることに貢献している。
いただきます。ご馳走様。
すべの生物は、自然の恵みに感謝です。
五味五色五法は中国 の陰陽五行や薬食同源の考え方を源流に、日本に伝わり、独自にアレンジされたもの。
食は健康の源。五味五色五法は食のバランスをよく考えていると思いますね。
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