ネット通販市場は、1998年にわずか645億円に過ぎなかったものが、2001年には、1兆4840億円と、3年で3倍近くに膨れ上がった。

2004年には5兆6430億円と、その後の3年で、4倍と急成長を遂げている。


この2012年度には、前年度比15.9%増の約10兆2000億円となるとの見通しもある。


ある有名カタログショッピング会社のネット通販部門は、立ち上げからわずか数年で、年間340億円を超えた。

凄まじい伸びを示している。

その一方、伊藤ハムのネット通販は、立ち上げからわずか数年で閉鎖された。

北京ダッグなどスーパーでは売れないニッチ商品約3000点が、全国相手のネットでは、そこそこ売れたが、やはり大量生産大量販売の大手ハムメーカーが扱うものではなかった。

この点でも、ネット通販は小さな市場を標的に絞る零細、中小に有効な媒体ツールともいえよう。

2・8の法則がある。

つまり現実の店舗では、売れ行き上位2割の商品で、売り上げ8割を占めるとされる法則だが、ネット店舗では、この法則は当てはまらない。

ネット店舗では、尻尾のように伸びた、あまり売れない商品が欠かせない収入源となっている。

いわゆる「死に筋が売れ筋」と言うもので、これがロングテール効果と呼ばれるもの。

たとえば、調理道具は軽く10万点以上の商品がある。

仮に1年に1個しか売れない商品でも、

利益1000円×10万個=1億円

これが毎月1個なら、利益12億円に上る。

店に並べきれない商品も、ネット店舗なら、ほぼ無限。万引きのリスクもない。

しかも、6月になれば、かき氷の器械を目に付く棚に並べ、9月になれば、それをしまい込んで、おでんの器械を並べるが、ネット店舗では、その必要もない。

カタログショッピングなら、秋と夏でカタログを刷りなおし、デパートなら、季節ごとに商品を並べ替える。

そこでは、膨大な費用とエネルギーを費やすことになる。

だがネット通販では、その必要性もなく、むしろ冬でもどこでも売っていない夏物が売れる。

ネットでは売れるものを並び替える必要もなく、売れないものを並べてこそ、その効果が現れる。


ところで10万点という商品がどれほど膨大かというと、10万点をホームページに入れ込むと、どのぐらいの時間がかかるかというと、1人が作業するとなると、およそ5年ほどかかる。


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