「完璧な態勢」と聞こえの良い口ばっかりのパフォーマンスはいらない。食の安全をどこまで徹底的に実行できるかが問題である。

[20日 日本経済新聞]肉用牛の流通「完璧な態勢に」 首相


菅直人首相は20日午前の衆院予算委員会で、放射性セシウムに汚染された疑いのある肉用牛が流通した問題を受け、政府が福島県産の肉用牛の出荷制限を決めたことについて「今後、市場に安全なものしか出回らないよう、完璧な態勢になるよう強く指示する」と述べた。社民党の阿部知子氏への答弁。


本当に汚染された稲わらは本当に宮城県の一部だけなのか、食べた牛は福島県の一部だけなのか。汚染された食物は牛肉だけなのか。まず、その疑いを完全に払拭するべきである。


今こそ政府が原発事故後に隠し続けた予測情報緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI(スピーディ)」を駆使して被害が出ているであろう全地域の全食物に対して出荷制限を行い検査すべきだ。


ここまでくれば風評という言葉は絶対に使うべきではない。完全なる実害である。その地域の生産者には政府が補償することを確約し、食の安全へのありとあらゆる取り組みを徹底的に行うべきだ。


一ヶ月、二ヶ月と時間の経過とともに被害が広がることは明らかなのだから。目を覆う惨劇を見たくない。