全ては「光の道」を断行するために「肉を切って骨を絶つ」。情報化革命が進んでいる中で各国に先んじるためにはこれくらいの度量がないと前進しないのではなかろうか。

[27日 日経]総務相、NTT完全民営化「議論加速を」、株式放出など検討



原口一博総務相は27日の閣議後会見で、NTTグループについて「完全民営化が大事で、その議論を加速させていきたい」と述べた。政府がNTT株式の3分の1超を保有する経営形態を「ガリバーが手足を縛られチャンスを逃している状態」と指摘し、株式放出や規制緩和を検討する考えを示した。



NTTグループを巡っては総務省のタスクフォース(作業部会)が組織見直しについても検討を進めている。NTT東西が持つ光ファイバーによる家庭までの加入者回線(アクセス回線)を分離する案などが議論されているが、NTTグループは消極的だ。NTTに対して規制緩和などのメリットを提示することで、総務相が提唱するブロードバンド網の整備や普及策を進めたい思惑があるとみられる。

「光の道」構想では2015年までに全世帯にブロードバンド(高速大容量)回線を普及させるとなっている。ネックはNTT東西が持つ光ファイバーによる光回線網を分離することにNTTグループが消極的なことである。

NTTについては1985年4月の民営化から現在まで政府が3分の1を保有している状態が続いている。さらに総務省が一定の人事や事業計画についての承認の権限を持っている。

今回の発言は、この2つを組み合わせてNTTが協力して現在の銅線の回線網を光ファイバー化するのと政府保有のNTT株を売却し完全民営化するのを両天秤に妥協点を見出そうとしているのだ。

原口総務相はNTTの経営形態についても完全民営化の重要性と議論を加速化を述べている。さらに3分の1以上の政府出資を義務づけたNTT法を廃止する考えも強調している。

ここで問題となってくるのが既得権益を守ろうとする抵抗勢力となる。完全民営化によりNTTの経営は自由度を高めるのだが逆にこれまで守られていた聖域も無くなる。

民業圧迫やサービス低下など様々な角度から反対の声が聞こえそうだ。重要なのは国民にとって望ましいことかどうかなのだが。ガラパゴス化の上に独自に進化もできなければ絶滅する。

しかも官から民への流れの中で大一番の郵政民営化を控えてまさに前哨戦となる。原口総務相には「官から民へ」「中央から地方へ」と一気呵成に改革を進めてもらいたい。