為替市場で円がドルに対して上昇。ドル円でドル安・円高が進み2009年11月以来のドル安・円高水準となっている。また、債券市場でも新発10年物国債の利回りが0.995%まで低下、7年ぶりに1%の大台を割り込んでいる。

[4日 日経]円、ロンドン市場で続伸 85円台半ばで始まる



4日午前のロンドン外国為替市場の円相場は続伸。午前9時半現在、前日終値に比べ30銭円高・ドル安の1ドル=85円50~60銭で推移している。



前日の軟調な米経済指標の発表で米国景気の先行き不透明感が一段と強まったことから、投資家のリスク回避姿勢が広がり、円買い・ドル売りが進行している。米追加金融緩和の観測もドル売りを促している。東京市場で一時、85円32銭近辺と2009年11月27日以来の円高水準を付ける場面もあった。



円の対ユーロ相場は続伸。同65銭円高・ユーロ安の1ユーロ=112円80~90銭で取引されている。欧州株安を背景に、投資家がリスクを取りにくくなるとの思惑から、円買い・ユーロ売りが進んでいる。ユーロは対ドルで反落。現在の水準は同0.0030ドルユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.3190~3200ドル。英ポンドは対ドルで反落。同0.0040ドルポンド安・ドル高の1ポンド=1.5910~20ドル。

まず、3日発表の米経済指標が相次いで市場予想を下回り、米経済の先行き不透明感が強まったことでドル売り・円買いが進んだ。

また、米長期金利が低下したことで日米金利差が縮小するとの思惑から円買い・ドル売りに拍車をかけた。

加えて米連邦準備理事会(FRB)が来週に追加金融緩和観測から超低金利政策長期化も意識されドル売りを誘った。

また、国内輸出企業の円買いも入っている。

さらに米金融当局が市場金利の上昇抑制に向け国債購入の再開を来週発表するとの観測もある。

その結果、円は主要16通貨に対し全面高の形相を呈している。投資家のリスク回避姿勢が強まっており、安全資産とされる通貨の需要が高まった格好だ。

他方で、米国の景気先行きに対する不透明感や欧米諸国にデフレ不安からこちらも比較的安全とされる日本の国債も買いが進んだ。

景気の腰折れにならないようここは日銀に期待したい。