06.12.13


人肌恋しく。なるさ、なるんだよ。私はごまかしてる場合じゃないね。

軽く頭痛。何か新しい場面に足を踏み入れた時、可能な範囲で情報を集め、

状況を生かしきらねばならないという切迫感を自分に課すらしい。だから追われてないと落ち着かない。


大好きな人に認めてもらいたい。受け入れてもらいたい。私のことを。

一度片付いたかに思えたところに、どうやらまた戻ってきてしまったみたい。

会ったらきっと泣いてしまう。なんで泣くかわからない悔しさから尚更泣く。

やれやれ。公園に寝転がって陽の光を瞼の向こうに感じながらまどろむ。

きっと、私が一番好きなこと。それを今、貪ろう。


12.27


どこかが塞がればどこかが開く。ただそれだけのこと。


嫌だなーと、ふっとでも思ったら、その人から何を得られるか考える。で、得たお礼を何かする。そうすりゃ円滑。


12.28


私を文章で表せばいいだけ。比喩のように。まわりにいる人をモデルに。

ヒントは私の中。ストーリーは私の中に。探さなくていい、何者でもない、なくてはならないものなんてない。


07.1.3


あくび、くしゃみ、笑い声。国境のないもの。


どんなにクールに見える人だって、好きな人を想って胸を痛めたり涙に暮れたりするものだ。


淋しさは、「大切なもの」に気付くために訪れる。もたらされる。


1.12


生みの苦しみ?超えれば新たな何かが生じる。痛ければ痛いほど。


左右の陰陽。弱いのは全て左。目も足も。弱いからこそ別の力を持つ。羽根が折れた感じ。


1.17


仕事を終えて夕飯を食べて狭い部屋に戻って、長く静かな夜を何を想って過ごすのか。

いつまで続くかわからない、いつから始まったかも、もしかしたら忘れてしまった。

一枚づつ日々上塗りされているはずだけど時に

昨日と同じところなのか一週間前と同じなのか見分けがつかなくなる。

そんな同じテンポで永遠に続く小さな桝をひとつずつ黒くぬりつぶしていくような毎日。


1.18


もしもすべてが誰か一人の人の意識の中で起きている空想なのだとしたら

肯定も否定も奇跡も惨事も精巧に仕組まれたひとコマに過ぎないのだとしたら

あれこれ想いをめぐらせることにいったいどんな意味があるというのだろう?


1.19


どうせ私は軽く立ち止まって通り過ぎるだけの存在。

時に泣きたくなるその感慨が、時に気分を簡単に・和らげたりもする。

少しばかりCRAZYでも馬鹿でも、どうせ何の痕跡も残さずに消えるだけ。


1.20


彼から得たもの。ラム酒と巻き煙草の匂い。ボードレールの詩。電球のラインに止まる鳥の飾り。


1.23


自分は受け入れられないだろう という諦めと決め付けと失望感がマイナスの道筋を作り出し

思うままに動くことを躊躇わせ、苦悩と苛立ちと取って代わるべきものの必要性を生む。


1.24


発音記号で文を書く。


Nothing to lose, nothing to loose. No one hate anyone. Like it or not. ただ、それだけ。


2.13


私の体は正直だ。乗るべき流れに、考えずにただ身を任せればいいだけの巡り合わせに。

去りたがってる、離れたがってる、この街から。大好きな人々から。


2.19


Seahorse

頭を垂れたうなじ部分がなめらかでつややかで

後ろ姿に、尾をからめるしぐさに思わず見とれてしまう。

やさしく尻尾を巻き添わせ、からだを寄せてくる。


4.3


砂利浜に打ち付ける波からは淡い波煙が立ち上る。

ぼんやりした影がゆうらりと陸へ上っていく様はとても幻想的で

仙人だか海の精だかが出てきそうな。


5.17


何か困難やトラウマや悩みがあって

そこから抜け出すために苦悩し乗り越えていく姿が格好よく見えた時期があった。

あれは少女漫画の影響だったのだろうか?

ぶつかる何かがなくとも、多くも少なくもない丁度いいありのままを

飄々と楽しむ姿が今はとても格好よく見える。


Listen to your heart

私が聞くために待っていた音楽。気持ちよくすっきり納まった私の体。

すべてをまかせて流れていこう、いつの日か私が辿り着く場所へ。


5.30


辞めると言ってから、とても気持ちが軽くなった。

END LINEがあるからこそのいとおしさ。通り過ぎてきた場所の記憶によって導かれる郷愁。

どこまでもこんな風にして、後を振り返らず進み続けていくのだろうか。

そんなふうにしてしか私は、ただ中では、大切に出来ないのだろうか。


ある程度のストレスが、そこからの解放による充実感をもたらす。


失うことで大切に出来る

限りがあるからいとおしくなる 

そんな風にしかきっと大切さを実感できない自分に気付いたのもきっと収穫のうち。

彼を失おうとして、そんな気になってみるだけで果たして本当に出来るんだろうか。


6.27


粥を炊く朝のにおい。CHCHの静かで眩しい朝のにおい。

人気が薄れ昼間の熱気がさまよう夜のにおい。

ひんやりした冷気がしみこんでくる冬の朝のにおい。


ワンシーンしか思い浮かばない。だったらそのワンシーンを連ねればいい。

細切れの一瞬。走馬灯の風景。私のなかに力強く焼き付いたひとコマ。


7.1


何を求めているんだろう。彼に、彼らに。

一番愛しいのは誰だろう。何を推し量っているのだろう。

一言ずつ話し掛けるだけでも違うだろうに。簡単な言葉で構わないだろうに、それから逃げる私がいる。

受け身の何かを期待してる。なんとなく感じる意志伝達の後でも構わず裏切る私がいる。

頑なに、距離を縮めようとしない。後悔だとか短くてもきれいな思い出だとか何だとか。

どっちにしても、後から切なさで泣きたくなるんだろうに。


彼の顔ばかり浮かんでは消えるのは、彼が一度流した視線のせいだろう。

人恋しさから誰かに求められたがってる。ただそれだけのこと。

ごちゃごちゃするのは無駄に妄想が先走るから。誰かに幾らか満たされればきっと落ち着く。


7.3


この坂道の向こうにはなにがあるんだろう

どうしてこんなに日差しが目にしみるんだろう

どうしてこんなに泣きたくなるんだろう

今私は誰を一番必要としているんだろう


欲しいものは何か、わかっているはず。なのに余計な万が一を心配して確認の遠回りをしたがる。

確かめなくても明らかなのに。はじめから直接行けばいいだけなのに。


7.4


ブレナムの朝のにおい。時折鼻先をかすめるなつかしいにおいに足を止め、記憶をさぐる。

こういう蓄積も、今とこの先に必要あってしていること。


戻りたい場所が増えていく。再会して、こんどは違う接し方をしたい人が増えていく。

もう、田舎の生活はいらないな。


少しでも面白いと思ったら反応を示さないと、面白いものに気付くアンテナがどんどんさびれてく。


7.9


私の前に表れるは、私を映す人たち。拒否されてると感じれば、それは私が何かを拒否している・してきた証。


一歩踏み出すたびに、いつもより少し爪先をのばすだけで

普段は気にもしない筋肉の細かな動きを感じられる。

私に何を伝えようとしているの?

速度を緩めるタイミングは、感謝を思い出して次への力を蓄めておくべき時に訪れる。

何もかもが思うように運んで仕方ない、そんな流れがもうすぐまた来る。


7.28


どうしてこんなに彼が離れないんだろう。

ずっと呼んでる、私のことを。来るのを待ってる。

一歩を思い切るのが、相変わらずどうにも苦手。


7.30


隣に座る。一番欲しい席はいつも空いてる。躊躇わずに行けばいい。話せなくても、笑ってればいいんだ。


8.1


自分を許す。出来ていないことも、口に出して許す。そしたら即実行し始める。不思議と。


9.24


彼に惚れ込んでいるんじゃない。

彼と関わり続けることで得られるであろうものが惜しいだけだ。

彼欲しかったのではなく淋しさを埋める何かが欲しかっただけなのだろう。

だからそこまでのめりこまなかった。私のアンテナは、どれだけ沈黙を保っているのだろう。


そしてあの時どうして彼女は泣いていたんだろう?


欲しがっていたものは、極限状態で噴出する麻薬だった。

快楽と幸福の違い。酔って世界がぐるぐるまわってわけわからなくなってるのを楽しいとは思わない。

でも幸福が何かってきかれても、うまくは答えられない。


開けた中にぽつんとこぢんまりとまとまったプラモデルみたいなビルのかたまり。

大きな橋の下から上を眺める。行き交う流れを頭上に感じながら。水の流れを足の下に感じながら。

あそこに行きたい?行けば新たな何かがある。少なくともひとつは何かを得ることができるだろう。

昔は好きだった新しいこと集め。居続けることで蓄まるものと新しく手に入れるものを計りにかけながら、

さっきからずっとまばらな霞しか浮かばない空を眺め続けている。結局はまた、空を眺める。

行ってみなければわからないことをぐるぐると考え続けてどうするのだろう?

それを言い訳にして本当に考えたいことはなんなんだろう?

そもそも、別れ道の行き着く曇った先を悶々と辿っていってどうするのだろう?

手持ち無沙汰で腰が重くて、時間潰しをしているだけ。

不必要な心配事をぽつりぽつりと生み出しながら。背中に薄暗い雲がかかりつつあることを自覚しながら。


私が欲しがっているものはちっぽけであまりこだわる価値もないような気紛れ・偏屈ものなのかも知れない。

もっと価値のある現実的、土台的なものに関心をもつべきなのかもしれないけれど、

好きなんだからしょうがないじゃないかって気もしてくる。

恐かったのだ。流れやすい私がまた、彼らのペースに憧れを抱きその中に巻きすくめられてしまうのが。

正反対であっても私の世界を保てる、その状態で彼と過ごしたいのだ。

今じゃないのだから、どれだけ視点を変えたところですっきりするわけがない。

「楽しんで」いたいだけだ。私の楽しさを常に味わっていたい。


言葉でなく行動を信じる 言葉でなく行動で語る


宙に願いを


Why you are here?

私が見つけられない一番本質の質問を、彼はくれる


私はこの世界で呼吸して考えているはずなのに

誰かの本の中の方が私らしく在れるってどういうことなんだろう。


何気なく掻いた爪が予想以上に深く刺さり、一瞬酔いが覚めた。

皆いったい何をしゃべっているんだ。


緞帳を思わせる龍の腹みたいな模様を敷き詰めた雲が、太陽の光を透しながら空一面に広がっていた。

あの厚みの上には、別の世界が広がっているに違いないと思った。

見たこともないカラフルな彩りの町が、やわらかなほほ笑みを浮かべた人が、

満たされない時は、欲張りになっている証拠なんだろう。

すべて忘れる。その為には寝るのがきっと一番。

目覚めてすっきりした気分で新しい自分をはじめる。

可能性なんていくらでもあることに再び目を向けられるようになる。


大事なことはいつだってとんでもなく簡単。

よくわからないことばかりなら、寝てみればいい。

どちらの意味でもね。


大丈夫だと信じる。

うまくいかないことが続いても、一番が無理なら二番目に、今やりたいことをやる。


扉がひとつ閉まるのは次の扉が開く合図。そう自分で言ってたじゃない。


「~」って言われてるような気がするから。

って言ってるのはあくまで自分なんだけど。


ほんの少し目線を変えるだけ。時間差を、待つ。そういう時こそ焦らず待つ。


どこにでも移動曲線は存在して、私たちは波乗りの中暮らしている。

出るときはなぜかまとめて出て、入るときはまとめて入ってくる。

出ていくばかりでため息をつきたいときは、ため息をつきながらのんびり出るに任せていればいい。

そのうち好転し始めるさ。


タイミングや場所なんて関係ない。動きだす一歩を妨げているのは自分自身でしかないのだから。

始めたかったらためらわずにまずやってみる。と、誰かに言われているような気がするからまずは動いてみよう。機会もハッピーも良きも悪きも万人平等。そう信じる。すべては私のためにある。そう信じる。

今は待ち時。面白いことが起こる前兆。何も買わなくても過ごせる毎日があれば、そうでない時だってあるさ。

いらないくらい持ってる人がいれば、欲しいのにない人もいる。

自分に必要なだけはすでに手元にある。を忘れない。


凛とひきしまった面持ちから一変、ひと呼吸の後、全身脱力しながら

やわらかく顔をほころばせて笑う姿が、どうにも好きでたまらない。

経験を重ねてきたからこそ漂わし得る雰囲気、安心感。

小手先の格好よさじゃなくて、そういう深くあたたかいものにあこがれる。


10.10


中途半端って、よくない。エネルギッシュならきびきび動き回ればいい。

疲れ気味ならいっそ酒飲んでしっかり酔っちゃった方がいい。

無理に醒まそうとしても尚疲れるだけだ。ぼーっと空眺めるにしても寝るにしても、そっちの方が気持ちいい。


週末が過ぎていく。本を読み、食事を作り、レッスンを受け、仕事をし。やりたいことだけの、シンプルな毎日。

特別なことは何もいらない。欲しいのは物じゃなくて、特別な人と過ごす特別な時間。


ちょっとだけでいいからさ、私を欲しがってよって悔しくなる。

Aの方に余りあるものをBの方に一時的に移したくなる。わずかな期間で十分。

あなたという人間を少しでも知れたら。私という人間を少しでも知ってほしいって欲求が満たされたら。


最後の四週間が始まる。やさしくおだやかに時が流れていく。

焦ったり嘆いたりせずに、きちんと一歩ずつ日を経て行けそうな気がする。

その後に来る、あなた達と過ごす四週間はどうなるだろうね。

もっと濃くて正直で鮮やかな日々が絶えることなく押し寄せてくるんだろうと思うよ。

楽しんでいこう。精一杯、自然体で、今を。


もう、縛られることはない。ねば、ではなくて、したい、で生きていく。

男の働いてる姿を見るの、やっぱり好きだな。その姿を見るために働くよ、私は。

金のためじゃなくて、私を満たすために。


私は彼の、何が欲しいんだろう。欲しいものなんて、よく考えたらないんだろうな。

私が本当に欲しいものは私の中にあるのだろうから。

だから、せつなくなるのかな。人の何かによりかかって満たそうとするのがまやかしだってわかってるから。

そんなさ、頑なにならなくたって、いいじゃない。


失う時を思い描いて泣きたくなる。あたたかい音楽に大好きな人たち。いつかは夢から覚めるもの。

失いたくない。甘くやわらかい夢ばかり見ていたい。存分に楽しめばいい。

もっとすごい陶酔と興奮がこの先に待っているから。捨てるんじゃなくて次へ進むだけ。

辛いのは切り替わりの一時期だけ。


なんでこんなに哀愁深くなってるんだろう。なんでこんなに穏やかなんだろう。

誰に一番会いたいんだろう。誰が一番ほしいんだろう。

グレンは、きっと、欲しいんじゃなくて去ってほしくないだけだ。

追い掛けたいのはきっと別の人で

でもその一番大切な場所に少しずつずれてはまりこんでくれることをどこかで祈っている。


今が26才でもうすぐ27。50まで働くとして23年。その23回の誕生日をどこで、誰と祝うことになるのか。

23回しかないんだ。世界中の素敵な場所で祝うにしても20ヶ所。

先延ばしになんて、してる場合じゃない。50年後には終わってるかもしれない人生だよ。


眼鏡ごしの両手は、普段見慣れた実際の距離よりもわずかに遠くにあるように見えた。

指の一本いっぽんを一定方向にひねりながらあたためてのばし、念入りに全体をほぐしていく。

体とともに手のむくみもすっきりしたのだろう、いくらか厚みが薄くなり、若干かさついていた。

私の中のブラックボックスに、ゆっくりと片足を踏み入れつつあるのだろうと思った。

すこしだけ私と現実の間に薄いかべを作り、そこにこれまで片方の目でみていたであろうものを映し出す。

両方の目で両方の世界を見据え、その輪郭と中で漂うものたちををそっとすくいとる。

待ち望んでいた扉が開き始めた瞬間。


薄く、しかし強固な幕が張られたような気がした。

踏み込むと涙やら後悔やらが止まらなくなる危険領域の一歩手前に。

私の中の意識が、私に悲しみを感じさせないように総掛かりで手を尽くしているように。

当分、深く傷つくことはないんだろうと思った。それはそれで、悪くはない気がした。


小さな損失は気持ちを狭くするだけだけど、大きな(且つ致命的でない)損失は気持ちを大きくする。


捨てるものと大切に残すものの見分けがついてないのかな。

何でもかんでも、捨てる捨てるって受け売りを言い聞かせて、よく見ないで振り分けていった結果かな。

私はいつも、きちんと見てないね。どこ見てるんだろう。

あ、そっか。本当に必要なら戻ってくるって思ってたんだっけ。


彼といるときはとても簡単にどこまでも世界が広がっていくように感じる。

すぐ手の届く範囲で満足して幸せだって言ってる私の世界はなんて小さいんだろうって思う。

でも正直、こっちの方が今は落ち着くのかもしれない。

私の器の小ささなのかもしれないけど、思い切って飛び出す勇気が欲しいと思うよ。

ヘリから空に飛び出す時のように。


しがみついている時は捨てる。捨てる。流されそうで恐い、強い影響力から逃げたっていい。

頃合いを見て戻れるよ。だから、今手に出来る幸せを存分に味わう。

いない人を嘆いてどうする。。今を楽しむの。こだわりが、ひきずりが大きくなる時ほど潔く忘れる。

次会うときに、その時を存分に楽しめばいい。私に用意されたすべてがプレゼントの人生。


何かをしていないといけないような焦燥感。なのに私は何も成せていない。

本を見ても卒業式を見てもすべては彼につながる。

彼が私の年に至るまでの4年間に果たしてどれだけのものを吸収して身にして大きくなるのか。

そして今の私はなんて空っぽなんだろうか。生産的なことが何も出来ていない。

どうしてこんなに要領が悪いのだろう。情けなくて悔しくて涙が出る。

私を負け犬にしているのは私自身だと思った。こんなのは嫌だ。

定められた時間枠の中で繰り広げられるパーティー。

これを楽しみ納めにしよう、って、なんで詰め込むみたいにして義務的にするべきことにしちゃってるんだろう。

勿体ない、って考え方がいらないのかな。しなきゃいけないことなんてない。

したいことだけ選んでるはずなのに気付けば身動きが取りにくくなってる。

彼を好きで淋しいのか、単に私にかまってくれる人がいなくて淋しいのか。

先手を打ってのスケジュール決定に自信がなくなってきた。いや、直前に変更可能でもしなかっただけか。

私の判断が、信じられない。踏張るべきところなんだろう。

私の中に渦巻くものを包括的に区切ってしまうのでなく、ゆっくり細かく見る。


12.2


他でもない自分自身のことを知りたいから文章を書く。

私に必要なのはある程度納得した具体的な文字のまとまりなのではなく、

物書きなのだという覚悟でもなく確信でもなくなんというか、要は今までより一段上にあがった場所なのだ。

そして残り数日で私は確実にそこへあがりきるのだろう。夢想じゃない。勘違いでも思い込みでもない。

私が、いるのだ。なにものでもない私が。

それは、何かを得たということなのだろうか。それとも一つ何かを失うのだろうか。

わかっているのは、この人の横で何かが固まり、必然的に私は離れていくということだ。

好きでないと気付く。傍にいたいのは恋心からではない。想われる心地よさを失いたくないから。

愛情はあるけど恋心ではない。もう、常に夢中ではいられない。

でも大抵の恋愛経緯とはそういうものなのだろう。

ただ、時に自分のペースを優先させたい時のバランスの取り方がわからない。

共鳴しあう部分も正直よくわからない。異世界への好奇心だけでは引き込みきれない。

そしてズルズルと不満をためこみ、堪えきれずに一気に堰が切れる。

予兆に気付いてほしいと身を任せて言い訳をする。

私は気付いてほしかった。でも、わからないってね。言わないと。結論だけ突き付けて。ずるいよね。


悲しむ顔は見たくない。でも彼の欲しがるものを私はあげられないだろう。

時間か、諦めか、再発見か、他を巡る一通りの手間か。そういったものが、必要なんだ。

二人でベッドに入っても目を閉じるのは一人。人といても私という個人は一人であることを確認して

安心できる瞬間、それが私には大切。そうでなくても一人じゃないかって言うだろう。

誰も束縛してない。思うことは言えばいい。我慢なんていらない、知りたいんだ。一緒にうまくやっていくために。受け入れてほしいのよね、あなたが好きなものを私にも好きになってほしいの?

それは違うと言うだろうか。それは好きじゃない、そう言ってしまえばいいだけのことなのだろうか。


今はもうないあの頃の光にあなたが祈った私に関する願いは何だったのか、教えてもらえないだろうか。

あなたの願いはすべて叶うような気がする。その先に私の導線も絡まっているのなら

潔くあなたの流れに乗っていたほうがいいような怠慢に襲われるのよね。


神と愛は信じるしかないものなのかもしれない。恋はわかる。始まりも只中も終焉も。でも愛は確かめられない。自分の中にすら。それにしても彼から私に向かう大きな何かは感じる。

私から彼に向かうものがよく見たらなかったから、アンバランスの申し訳なさから慌てて探してるんだ。

私を留めさせる理由か、もしくはきちんと去るための確たる何かを。試してみればいいじゃないか。

残りの時間だけでも。何かが変わるか生まれるかするかもしれない。

何も焦ることなんて、行く場所なんてないのだから。


祭事から信仰が生まれるのなら、いっそ日々を祭りの中で生きたいと思った。

豊かでない時代に生まれたなんて嘆きたくない。

くたびれた顔をしながら週末のビールのために働くなんてしたくない。


さめざめと気付く核心は大抵悲しく切ない。昇天しそうなくらいハッピーであることはまず少ない。

だったらなぜ時間をかけて探らなければならないのだろうかと思う。

探らずにはいられないから、先へ歩を進めずにはいられないから、それが私の道だから。

誰も私のことはわからない。私にすら、わからない。


私はこの4年間、恋など一度もしていなかったのだと気付き

あまりに基本すぎることに気付かずにいるというのはめずらしいことではないのだが、やはり愕然とした。


巧妙に覆い隠された中身をみたいと思った。

でも私には、そのまやかしの姿すら見えないのだ。

情けないにも程があるだろう。


他人の言葉を通してしか自分が見えないのが嫌だった。

これが越えるべき壁なのだろう。

突き破った先にあるものが、自己慢のみならず誰かの役に立つのだろう。


私は何を整理したいのだろう。残り一ヵ月を楽しむために。

あの場所がないのは仕方ないじゃないか。彼がいるじゃないか。希有な彼が。

この人を理解して喜ばせることに全力を尽くしてみればいいじゃないか。


行き場のない未消化の想いは厄介だ。いっそのこと何もかも粉砕してすべてが夢だったかのように

リセットしたくなる衝動に刈られる。何も知らなかった頃の私に戻って、もう一度はじめからやりなおすの。

同じように不器用な道を辿りなおしてもいい。失いたくないの。私の天国を。

そして勢い余って自棄になって、余計な所までまとめて捨てちゃいそうで困る。

後になってものすごく後悔するだろうからすべきじゃないんだけど。悪い癖なんだけど。

それは、わかってるのよ。


鮮やかな木漏れ日の中を歩いた

オレンジの丸い明かりに照らされたお伽話みたいな夜の公園が

幻想的な青い暮れゆく空が 窓から見上げるビルと夜の空が

窓から見上げる道路とタワーが 赤く染まった夕焼けの空が

おだやかな中に暖かさの漂う夜の空気が

にぎやかにさえずる鳥の声が

見上げる先にどこまでも広がる広い空が

大好きだった

いい一年だった

次はもっと

次ももっと

いい一年に 

これからになる


新潟に行くときは、離れるときは、どんな気分だったっけ?

あまり淋しくなかった気がする。

新しく来るものの期待でわくわくしてたから?

見慣れすぎた景色から離れなければならないなんて、まだぴんとこない。


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07.12


不思議なくらい寂しさも切なさも沸き起こってこなくて、リアルで長くて幸せな夢だったのではないかと

すべて夢に過ぎなかったのではないかと思えてくる。

みんな変わらず回り続ける世界の中生きてるのだけれど

あまりに遠く離れすぎた、むしろ50年前の日本とかの方がイメージしやすいくらいの距離感の中では

目をつぶるとゲームのように始めから、空港に降り立ったあの瞬間から

すべてやりなおせるような気すらしてくる。


青い空気が降りてきた。

私をどこかへ導こうとしているのか、郷愁に浸らせようとするのか、迷わせようとするのか。

いや、どこへ向かうかは私が決めているんだ。


環境が大切だ。自分の持ち方しだいで保つことは出来るのだろう。でも私はまだそこまで強くない。

居心地のよさに、不安のなく安定した生ぬるい中にいつまでも、もう少しといって漬かっていたくなる。

それはそれで悪くない。動くべきタイミングを待っていればいい。

でも明らかに、何やかんや理由をつけてだらだらしてしまう気がする。それは、よくないことのように思える。


路地裏に、古びた建物や西日の指す狭い部屋や、光の少ない夜空に浮かぶ星を眺める。

そういったことにやけに惹かれる

。にぎやかな喧騒や新しいものや何でもいつでも手に入る便利さなんて欲しくない。

何でもそろっている中では私は簡単に見失ってしまう。

本当に必要なものしかなくて、シンプルでこざっぱりしている。その方がいい。

狭い部屋にベッドとテーブルとパソコンだけ置いて、服も最小限でよくて、

昼間や夜はカフェで働き空いた時間は道をぶらつくか川を眺めるか本を読む。

おだやかな時が流れる日々。しかしどうしてまたそんなものに惹かれるんだろう?

もう少し刺激的なものを求めていてもいい頃だろうに。

レッスン浸りの日々とは対極の、保守的というか雲の上から的な、

社会に距離を置いた遠慮がちな姿。じゃないの。ねぇ。


手で書くには追いつかなくて、整理が面倒で、携帯で打つには限りがあって、

かといってパソコンで打つにも整理が面倒くさい。やれやれ。

つまりは、つべこべ言わずに書きたいなら書けということ。

書くに賭ける。一日じゅう書くことを考える。

頭の中でことばをほぐしてつないで引き上げて、ひとつ向こう側に気配を感じる

形ないそのものの姿をすくい上げて私を救い出す作業。


金持ちになる方法を求めたがるのは保険が欲しいだけ。何かあっても苦労しない後ろ盾が欲しい。

一方で、私の人生を信じるとか言っておきながら。しばらく続くであろうこの矛盾。

強さが、のめりこむ勢いが、欲しい。飽き性で面倒くさがり矢の私のことだから、

有り余る中にあっても弄ぶだけなのだろう。人のために使う力としての何かが欲しい。

とはいえ、すべてが整わないと動けないわけじゃない。まずは動いてみればいい。

何かをしたい の思いと、焦らなくてもいい の思いと、

私がどのように日々を送っていようとも彼は彼らは確実に前進していきそれにより劣勢感は増していく一方。


古いものに惹かれる。一本でシンプルで力強く底深かった戦後の技術者たち。

信念と情熱と力があった。今の時代にどれだけ残っているものだろうか。

知りもしないのに懐かしく切なくなる。

自分が一筋何十年とかっていう生き方を出来るかっていったら

首を振ってだれかに押し付けようとするのだろうけど。


すれ違いの法則。狭い車道の自転車と2台の車。

同じタイミングですれ違ってしまうんじゃないかと思うから余計に重なる。

時にはついでに電信柱も重なる。先に止まって待てばいいんだけど、

よりによって歩道に道を横切り忘れたときなんかに限って

でかいトラックが砂埃まきあげながら迫っていたりする。


問いかけずにはいられないのはどうしてだろう。解きほぐして見定めたい。

だからといって、何になるというのだろう。


私にしか見えない世界。私が信じるから現実になる。私が疑えば幻に終わる。


一時的を得たり・指針となるだろうと思ったフレーズでも、再び見るときには響かなかったりする。

だからこそ、『なぜ』が重要。


改心も気分変動も涙も確信も、すべてが私が思っている以上の大きなものに包まれている。

安心して進めばいい。そもそも、進む以外が良判な人生なんてないのだから。

美しいものを見たいと思う。気に入るものを探したいと思う。それは我儘なことではない筈。


私の視界の窓は彼だけを追う。でも彼のそれは私だけを向いているわけじゃない。

そのせつなさ、はがゆさ、やるせなさ。いろんな人の視界が無数に広がる。

ちいさな丸い穴が無数に広がる。そこのどれかに、思わず自分の姿を探してしまう。


水が引いたあとの真ん中にぽつんと佇む螺旋階段。上っても上っても、真ん中から上へ上がらない。

ひたすら足元を確かめながら、段数や高さやまわりの景色は気にせずに、ひたすら昇る。

エッシャーの絵のように、昇り続けるけどかわらない。同じ高さを保ちながら、段を重ね続ける。

まわりでは景色がめまぐるしくかわり、いろんな人や物が近づいてきては去っていく。

でもきみはひたすら、足元を見て昇りつづけるんだ。一歩一歩。そこにどんな救済がある?

そんなことを考えてどうする。きみは救済を求めているのか?

よく見てごらん、すくわれねばならない困ったことなんか、何も起こってないんだ。

すべてはきみの手元にあって、すべて満たされている。

きみにひつようなのは、ただひたすら、上へ上へのぼることだ。

そこにいったい何が待っているのか?焦らなくても、着けばわかるよ。

着かなくてもあるときふと気付くんだ。そして下る。もとの場所へ帰る。考えて再確認するための階段。


怒りは感情のふた。

怒っている間だけ忘れられる。


版画の視点。

線を描いて書き込むんじゃない。

欲しい線を残す。


私に好意を抱いてくれた人に対して、なぜか非常に卑屈になる。

高飛車?


どう見ても恋に落ちたとしか呼べないような

圧倒的な確信に満ちた恋愛をしたいと

相当前から思っている。


これは私が私と二人きりになる時間。

二つの私を一つにする旅。


デザイナーをやってみたいならまずは服を作ればいい。

デザインを書き出せばいい。


少し心を緩めて、列に並んで流れのまま…を買ってみた。

どうやらこれも「一度やっておけばいいや」で終わる類のひとつらしい。

値段相応って、よくわからない。


なんだか少し、苛立っているように思えた。

限られた中で楽しんでいるフリをするのには、明らかに飽きてきていた。


いつだって楽しんでいるふりをしていた。

フリじゃあ、のめりこめなんてしない。時間を忘れたりも、しない。

本当に時を忘れて、いつまでだって居たい場所も、見つけたんじゃないか。


背中の痛みが私にもたらしたもの。

何から順番に切り落としていくのか。

最後に残るものは何か。

面白いくらいに興味を失っていく。

抜け落ちて、空っぽになっていく。


ほんとうに些細なところまで幸せに満ち

いくらでも出会いがあり喜びがある中で

日々の流れを一変させるにはたった一人でじゅうぶん。


静けさに満ちた湖のように風になでられて微かに波打つ程度だった水面は

飛沫を高らかに舞い上がらせるビッグウェーブを起こし始める。

その一瞬が待ち遠しく、広く眺めては微笑んでた日々はベクトルを持ち

高波の発生は同時に大きな低下の発生を意味する。

その、次なるものへ気づくまでの時間が、だんだん短くなっていく。どちらが幸せ?


気付いて得るもの、気付いて失うもの。

そんなの決まっている。失うなんてことはない。

怖がって、そう言い聞かせてしまっているだけなんだ。


人のあたたかさが恋しくなれば、誰でもいいから話しかけてみればいい。

伝えたいことは限りなくシンプルなのだから。言葉の違いなんてどうにかなる。


孤独感を嘆かなくても、落ち着いて深呼吸してまわりをよく見れば

たくさん助けてくれる人がいることに気づく。


数え切れないほどの人の渦のど真ん中にいるけれど

誰の目にも映らない。気配すらも届かない。

すべての人が目の前で出会い、交わり、別れる。

時に一時的に、時に永遠に。何かを手にし、何かを失い、

来たときより少なくとも何かひとつ状況を変えて去ってゆく。

私にできることは、手のひらを押し付けたガラスが絶えず体温を奪い取っていき

為す術のない体からすこしずつなにかがこぼれ落ち続けるのをじっと感じとることくらいだ。

誰とも交わらない視線を追いつつ、動かない空気の筒の中で立ち尽くし

何者かである人たちを眺める。何者でもない者として。


低くおだやかな声が、冷たい空気よりも鋭く刺さる。 

いつまでも、自分を哀れんでるんじゃないよ。 

その通りだよ。そうなんだけどさ。


願って作り上げる空想は時に力を持つこともあるのだろうという気はしても

前触れもなく沸き上がる世界はすべて、その舞い降り方のように地につくことはなく

決して現実のものとはなってくれないものなのだろうという淋しさを感じてきた。 

止めようにも次々とあふれ過ぎ去ってゆく鮮やかで甘美な世界を脳裏に浮かべながら

これらは叶うことのない幻なのかと思うと、どうにもやりきれなくなった。


約束は守る。少し我慢する。決めたこと


失敗することは恐くない。

むしろ今はそれを求めているのに、どこへ向かうべきかを定められていない。

歩きださないと転べない。


空の万華鏡。天井にくるりときらめくライトの、雲の、夕日のちらばり。


眠くなると咳が出る。


冷気を帯びたタバコの薫り


プールテーブルの、落ちたボールの辿る道


夜を運んでくる鯨


昼間の躍動感を脱ぎ捨てた青い空気がゆっくり街に降りてくる。

女神が、ほほえむ。大切なことはすべて私の中にある。


街が動き出す音。大きな換気扇のモーターが轟音を立てて回り出す。

朝の眩しい光。さわやかな空気。新たな一日の始まりが、たまらなく嬉しい。


いいんだよ、それは人生がつけた目印みたいなものなんだ。

そこから離れるなよ、忘れるな、目をそらすな、って。


同じ人の中でも

すっきり忘れてしまう嫌なこともあれば

いつまでも残る些細なこともある。


どうしてそんな自分なんだろう?って思いを巡らしても

理解や操作を超えたところにあるんだ

手の入れようがないさ。


自分を許す、人も許すっていうのは何も

怒りのない人のように

すべてにたいして暖かく温和になれっていうんじゃない。


いつまでも引きずり許せない自分がいるってことも

認めて許してあげるんだ。

許してもらうんだ。


それでいいんだよ。

必要な目印なんだから。

必要な方向に向かえてるってことさ。


知識でいくらいいものだって思っても

体が反応しなきゃきついよ。誰だって。

それをよくも堪えたよな。




そう背中に手を当てられた瞬間

涙が溢れて止まらなくなった。



どこへ行くのだろうかと思った。


どこへ向かっているのだろうと思った。


どこへも行けないのだと思った。



目的地などないのだ。


私はどこにも行きたくないのだ。


彼がどこへ向かうのかも

その道程に私が含まれていないことも

どうでもいいように思えた。


行きたいなら行けばいいだろう。


生きたいなら生きればいいだろう。




何言ってるの?


生きることが仕事なのよ。




「ときどき思うのよ。

想像もつかないようなお金を動かしているような人達の間では、想像もつかないような計画が着々と進められていて、それはもしかすると今私が知っている世界で当たり前と思っていることと全く逆かもしれないのよね。そうすると、今信じていることって、私が信じていると思っていることっていったい何なんだろうって思わざるを得ないの。

自分をまっすぐ立たせておくための支え棒みたいなものなんだけど、それが本物の棒なのか、それともホログラムみたいなものなのかわからないってことでしょう。わからないものを信じ続けていたって、それでいいんだって割り切れる人ならいいんだろうけど、私は知っているのにごまかされていないふりは出来ないって思った。

だから、あまり興味はないのよ。何がどうだってことには。だってどれも、本当だっておもえば本当だし、偽物だって言われればそうねって言うし、大事なのはそうやって目の前に差し出すことのできるどんなものであれ、私を幸せにしてくれるわけではなさそうだってことなの。 」


もくもくと煙を上げる葉巻の先をつまらなそうに眺め、彼は言った。


「想像も出来ないようなことを考えているとんでもないひとたちの考えている、もしくは知っている真実が、こっちの向きを向いていようが全く反対を向いていようが、そんなに大きな違いはないんだろうな。」


「そうね。そう考えると、本当につまらないわね。」


「 つまらないから、興味もなくなる?」


「そういうことよ。でも、こうやって触れている体温は本物だと思うわよ。」


「思うだけだろう。本当のところはわからないさ」


「結局、どうでもいいってことね」



何かを懐かしがるは

それを簡単には手に入れられない自分を認めること。


何かを欲しがるは

それを手にしていない自分を認めること


皆わたしに

差し出しなさい、そうしたら欲しいあなたをあげるから。

と言う。


そして言われるままに差し出すけれど

進めば進むほど

また「次を差し出しなさい」と言われる。


どこまで行けば、私は欲しい私を得られるの?


それとも


欲しい私を追い求めているゆえ

追い求める私を得られているじゃないかオメデトウ。


ということこそが答え?

そんな馬鹿なことってある?


そろそろ目覚めたい。

満ちたエネルギーで体を動かし欲しい何かを作り上げていく

その課程を、充実感を、達成感を、成長感を、ひとつひとつを楽しみ喜びたい。


今あるすべては

時間を引き延ばしごまかしている

退屈凌ぎのものばかりじゃないか。


そうやって口を狭めつつ微量を無駄に垂れ流し

何かをぼんやりと待っているのか。


何を待つ必要があるのか?


残らず溜まらず、減っていくばかりではないか。


立っている足場を小さくしているだけではないか。


いったい何をしているんだ。

何になりたいんだ。


そして、同じ答えにたどり着く。


何のために、誰と居たいんだ。


苛々してくるのがわかる。

堪え切れずにすべて吐き出したくなる。

誰かにぶつけたところで、解決するわけでもないのに。

気分がすっきりするわけでもないのに。


私が何かをしないことには、どうしようもないんだ。

私が何かをしないことには何も変わらないんだ。

知りたいのは、本当に私に何かを為すことなんて出来るのかということ。


やってみたいか?と聞かれれば、もちろんやってみたい。

試してみないことには何もわからないではないか。

しかしどうしてそれを、買わねば出来ないのか。

買わずには出来ないのか。

どうして私は買ってばかりいるのか。

だって、描くのにその通りにならないじゃないか、と言う。


すると、それは信じていないからだよ、と返って来る。

信じたいと思っているさ。

じゃあまだ届いていないんだよ。足りないんだよ。それだけさ。

もう少しのところまで来ているんだ。

だから苦しいままだっていうのか?結局悪いのは私なのか?


信じられれば叶うはずのことが叶わないのは

どこか疑いを消せなくて、信じられてない私が悪いからなのか?


そうだろうよ、他の誰も悪くはない。悪いのは私なんだろう。

結果を明確に出来ていない私だから明確でない結果を得ている。

求めるものを得ているだけ。

そして求めれば求めるほど、それが今ないということがありありと浮かび上がる。


人は私に対して、いつでも最適な行動をする。

それだけじゃない。物事も私に対して、最適な行動をする。


全ては必然の意思のもとに動いている。


そして大きな渦を巻く中心に立つ私は、そのからくりを掴めず使いこなせない。

ぐるぐる回る流れを追おうとしては目を回し何がなんだかわからなくなる。


遠ざかるほど近づいているんだよ。そうだろう?