朝早く、ジフ先輩から連絡がくる。
「どうしました?」
「30分後に出れる?」
「急げばなんとか。それよりどうして?昼ですよね。」
「ユノがおまえを病院へ連れてけって。
ごめん。昨日、おまえが吐いたこと言っちゃったんだ。」
「聞きました。ジフ先輩、おしゃべり。」
「ごめん、ごめん。」
「嘘です。責めてませんよ。でも、病院なら一人で行けますから。」
「いや、きっと、チャンミン一人だと行かないかもしれないし、万が一不治の病でも困るから、ちゃんと話聞いてきてくれってさ。
全く過保護だよな。おまえの恋人は。」
「すみません。」
「とにかく30分後な。知り合いの医者のとこ頼んである。そんなに待たなくてもいいから電車にも十分間に合う。じゃあ、あとでな。」
朝から幸せな気分になった。
離れているのに、こんなにも大切に思われてる。
不思議と顔がゆるむ。
昨日までの僕とは違う。
知らなぬ間に鼻唄も歌っていた。
そこへ、ユノからの電話。
「チャンミン、ジフから連絡きたか?」
「はい。もう、ジフさんにまで迷惑かけて。」
「大丈夫。あいつが、失恋で落ち込んで時ずっと付き合ったの俺だから。」
「ふふふ、何ばらしてるの。」
「とにかく病院行くんだぞ。」
「電話してたら、用意できないよ。」
「わかった。切るから支度しろよ。」
「夕方行くからね。」
「無理するなよ。医者がやめとけっていったら、だめだからな。」
「そんなに華奢じゃないよ。」
「いや、心配だ。付き添い、ジフで大丈夫かな。」
「もう、そろそろ行く時間になるから切るね。」
「お!悪い、悪い。気を付けて。」
「もう、心配性なんだから。自分のこと心配してよ。」
「確かに。今、看護師さんに早く薬飲めって睨まれてる。じゃあな。」
病院行かなくても、ユノの声だけで治るのに。