3月4日はミシンの日らしいです。
過ぎてますが、、、。
ミシンの日と言ったらももだろう!と、私と同じ、いやそれ以上なもも信者、しばこ様からのリクエストをありがたく頂戴し、短編をあげます。
黄金、勝手にanother storyです。
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鯖寿司食べたいと言ったももは、まだミシンと格闘中。
器用なももだが、さすがに経験のないミシンを扱うのは大変そう。
「腹、減らないか?」
「減ったよ。でも終わらせてからにしたい。」
ももは、細い体に似合わず大食漢。
ももが美味しそうに食べる姿は、なぜかずっと見ていられる。
俺自身、食にまるで興味がないのに、なぜ、他人の食べてる姿にわくわくするのか不思議なものだ。
人間の三大欲を捨ててきたつもりだったが、脳の片隅に生きているらしい。
ぐぅ~と派手にももの腹がなる。
だが、ももは気付かないのか、さらに集中して背中を丸めていた。
手持ち無沙汰な俺は、北川の家の台所を勝手に物色。
炊飯器にご飯が残っていることに気がついた。
「ほら、少し食え。」
不格好なおにぎりを差し出した。
具もない塩だけで味をつけたものだ。
「幸田さんが作ったの?」
「ああ。」
「もしかして、おにぎり作ったの初めて?」
「そう、、、かな?覚えてない。」
「わあ。」
ももの頬に色味がさし、頬が上がる。
「何だよ、にやにやして。」
「幸田さん、不器用だよね。」
「うるせえ。」
ももはずっと背中を震わせて笑っている。
「食べないのか?」
「食べるよ。でも、ずっと見ていたい。幸田さんの初めてだから。」
仏頂面のももだったのに、最近よく笑う。
嬉しいが、少し不安になる。
だから、幸せってやつは苦手だ。