空腹感には、本物の空腹感にせものの空腹感の2種類がある。


この2つを見分けることが何よりも重要である。


本物の空腹感は、栄養を補給して欲しいという体からの信号である。


にせものの空腹感はいろいろなものがあって、不快感という点で共通している。


・心理的な不快感によって生じるもの


・睡眠不足・体のコリなどによる不快感によって生じるもの


・食べ物の味やにおいの刺激、騒音による刺激、おいしそうなものを見たりする視覚からの刺激など、五感への刺激によって生じるもの


などがある。


そして、本物の空腹感はあまり我慢せずに従うべきで、にせものの空腹感はなるべく我慢した方がよいものである。


それから、にせものの空腹感への対処方法


などを説明してきました。



今回は、本能そのものと言える「本物の空腹感」を具体的にイメージできるようになってもらうというのが狙いです。

本物の空腹感というのは、おなかに聴診器のように手のひらを当てて調べると、おへその左側や左上のあたりに空っぽで苦しいという感じになると思います。
長い時間何も食べていないときに、その感覚をよく感じて、おぼえておいてください。)




まず、本物の空腹感=本能・食欲と言えます。


本能・食欲というものをどのようなイメージでとらえていますか?


ダイエットで苦しんでいる人は、本能・食欲は暴力的で恐ろしい存在と感じている人が多いと思います。


いろいろとその性質や特徴に当てはまるものを考えてみたところ、それなりにわかりやすいイメージにたどりつきました。



それは、家などの建築にかかわる大工職人さんです。
それも、自分の仕事へのこだわりがものすごく強いまさに職人気質の職人さんです。


職人さんが家を実際に建てていくのですが、指示に従ってその材料を集めてくるのはあなた自身というわけです。


体の構築に必要な栄養素を摂取するように本能から信号が出て、おなかがすいて、食べ物を食べます。

指示通りのものがうまく補給されていると、職人さんはとても機嫌がよくて、せっせといい仕事を続けてくれます。



ところが、指示したものを少ししか集めてこない、完全に指示を無視するというようなことを続けていると、職人さんは怒り狂って、手がつけられないほどに恐ろしくなってしまいます。


自分の仕事への誇りは誰よりも強いので、その仕事が果たせないということは絶対に許せないことなのです。



その怒り狂った職人さんをもさらに無視し続けようとすれば、あなたになんかまかせてはおけないということで、その怒り狂った職人さん自身が、自分で必要な材料を集め始めることになるでしょう。


本能自らがあなたの理性を支配して、暴力的に食べずにはいられない状態へと導いてしまうということです。



こういうイメージはかなり実態に合っているのではないかと思います。


指示にうまく従っていると、とても愛想もよくて誠実な仕事をしてくれる素晴らしい職人さん。

でも、指示を無視すると、人が変わったように怒り狂って、平気で暴力もふるう恐ろしい存在。

感情の起伏がものすごく激しいのです。



あなたはこういう職人さんとどのように接していますか?
ということなのです。



ある人は、「しっかり仕事をしてくれる、本当に信頼ができる素晴らしい職人さんだ。」と高く評価するけれど、ある人は、「あんなに暴力的で人の言うことを聞かないひどい人は知らない。」と散々にけなします。

実際、実社会でもこういう例はよく耳にしますよね。

あなたと本能・食欲との関係は、このどちらでしょうか?



あなた自身のために必死に働いてくれているこの職人さんとどのような関係を築いていくのかということが問われています。


結局のところ、うまいダイエットというものは、この職人さんとよい関係を続けていくということなのです。
それしかないのです。



この職人さんが怒り狂っているのを無視して体重を落としたところで、それは一時的にやせることができただけであって、怒り狂った職人さんは、このあといったいどうなるのでしょうか?
想像しただけで恐ろしくなりますよね。



大切なことは、あなたのために必死に働いてくれているこの職人さんの指示を耳をすませてよく聞くことです。

そして、その指示に従ってしっかりと食事をとることです。
本物の空腹感にはしっかりと従わないとあとが怖いのです。)


もちろん、指示された量をはるかに上回る量をとることも、指示を無視することに他なりません。
おなかがいっぱいになったら、素直にその指示に従いましょう。



というわけで、本能・食欲(本物の空腹感)は仕事に厳しい職人気質の職人さんというイメージでとらえるとよいというわけです。




ただ、これは本能・食欲の厳しさという面に注目したとらえ方です。



空腹感、満腹感にきちんと従って食べていると、思いのほか少ない量でおなかがいっぱいになってしまうという面に注目すると、本能・食欲はまるでかわいらしい子供のような存在なのです。


本物の空腹感というものは、残念だと感じることも多いほど、少ない量でおなかがいっぱいになってしまうのです。




本能・食欲というものは、激しさに注目すると、「厳しくて荒っぽい職人さん」、繊細さに注目すると「かわいらしい子供」という両極端の二面性を持っているのです。



そして、これらのことについて考えていたときに、「あれ?これは何かに似ているような気がするなあ・・・。
あ、あれだ!あの有名な映画のあれに似ているぞ。そっくりじゃないか!!」
と気づいたのでした。



「どう考えてもそっくりすぎる、これはすごいなあ」と思って、その映画についてちょっと調べてみてびっくりしました。
「やっぱりそうだよ、これすごい。」となりました。

いったい何だと思いますか?



次回は、今回紹介した、本能・食欲すなわち本物の空腹感をさらに具体的にわかりやすく説明できるだろうと思っています。
題名は「本能の正体とは?」というところです。



「”あの有名な映画のあれ”って私は知っているのかなあ?」と思っているかもしれませんが、きっと知っていると思います。


アメリカで「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」や「ゴーストバスターズ」と同時期(1984年の夏)に公開された作品です。
可愛いキャラクターが出てきます。
ちょっと考えておいてくださいね。



次回の内容を読むと、自分の本能・食欲とのつきあい方が変わるかもしれません。

お楽しみに。