前回は、本能・食欲(本物の空腹感)という抽象的なものを具体的なイメージでとらえられるようになって欲しいというのが狙いでした。


その厳しさの面に注目すると、本能・食欲はひたすら自分の仕事に厳しい大工職人さんというイメージである。

空腹感、満腹感にきちんと従って食べていると、思いのほか少ない量でおなかがいっぱいになってしまうという面に注目すると、本能・食欲はまるでかわいらしい子供のようなイメージである。

という内容でした。



今回はその続きで、「本能の正体とは?」です。


「厳しくて荒っぽい職人さん」と「かわいらしい子供」という両極端の二面性を持っていて、条件によってそれぞれの性質となるものって、何かに似ているような気がするなあと考えていて、「あ、あれだ、あれにそっくりだ」と気づいたそのものについてです。



本能・食欲(本物の空腹感)の性質にそっくりな「あの有名な映画のあれ」とは、いったい何だと思いますか?



ちょっとは考えてみてくれましたでしょうか?





答えを言うと、「グレムリン」であります。



映画「グレムリン」に出てくる、かわいらしいギズモと凶暴なグレムリン、それぞれが本能・食欲の性質にそっくりだと思いました。


ギズモはこんな感じです。
http://igyou.moryou.com/ETC/GIZMO1.htm


グレムリンはこんな感じです。
http://thecount.com/facebook-retracts-retarded-statements/



映画を見たことがなくても、こんなキャラクターがいるのは知っているのではないかと思います。
ファービー人形のデザインもギズモがモデルなのではとよく言われるくらいですし。
ちょっとメガネザルにも似ているような気がします。



実際にどんな映画かというと

アメリカでの話で、発明家である父親が息子へのクリスマスプレゼントとしてチャイナタウンで中国人(東洋人)からかわいらしいモグワイという生き物を購入して帰りました。


そして、このモグワイをギズモと名付けて飼うことになりました。

ちなみに、モグワイとは中国語で魔怪と書き、妖怪、魔物という意味です。ギズモは英語でgizmoと書き、新製品という意味です。



このモグワイを飼ううえで守らなければいけない約束があります。


1.『強い光を当ててはいけない。』
2.『水をかけたり、濡らしてはいけない。』
3.『夜中の12時以降は絶対に食事を与えてはいけない。』



簡単そうに思えるこの3つの約束を守ることが意外にも簡単ではなく、ことごとく破られていってしまうのです。

そして、ギズモからたくさんのモグワイが新たに発生して、それらが凶暴で恐ろしい怪物であるグレムリンになってしまい、町を大混乱におとしいれていくのです。



約束を守っていれば、かわいらしくて頼りにもなるギズモでいてくれるけれど、約束を破ると、凶暴で残酷なグレムリンと化してしまうのです。



「厳しくて荒っぽい職人さん」と「かわいらしい子供」という二面性を持つものについて考えていたときに、すぐにこの「グレムリン」が思い浮かびました。


あの極端なまでの二面性は、まさに本能・食欲の性質そのものではないかと思ったのでした。


「もしかして、グレムリンの映画はこういう人間の本能の性質を描いているのではないのか?」
「だからこそ、グレムリンの怪物たちが意外と現実的で恐ろしいと感じたのではないのか?」と思いました。


それで、この映画についてちょっと調べてみたところ、自然との調和を軽視する西洋社会、欧米人を批判している面があるとあって、驚きました。



実際に20年ぶりくらいに映画を見てみて、モグワイはまさに人間の本能の性質にそっくりではないかと思いました。満たされているときにはとても大人しいけれど、不満がつのると、凶暴で残酷で手がつけられないほどに暴れ回る。


そういう人間の本能の性質にそっくりだからこそ、異様だけれど、誰もがグレムリンをなんとなく身近に感じて、面白くもあり、恐ろしくもあったのだと思いました。



この映画はダイエット問題についての素晴らしい教科書となるのではないかとさえ感じました。



本能・食欲もよい関係を守ることができれば、大人しくて頼りになるけれど、よい関係が崩れてしまうと、凶暴で恐ろしい存在へと変化してしまいます。



モグワイを飼うために守らなければいけない3つの約束と同じように、本能・食欲とよい関係を続けるために守らなければいけない約束があります。



本能・食欲の場合の守るべき約束は
1.『強い空腹感を無理に我慢し続けないこと。』
2.『空腹感を感じてから食べ始め、
ちょうど満腹感を感じるところまで食べること。』
3.『満腹感を感じたら、素直に従って食べ終わること。』


本当は、まだ他にも「イライラ食いを控える。(にせものの空腹感にだまされない)」、「しっかりと睡眠をとる。」、「よく味わって食べる。」など、気をつけなければいけないこともあるのですが・・・



一言でまとめると、傲慢にならずに、自然の摂理に従う。ということです。



これらの簡単そうに思える約束を守ることができれば、自然にスリムな体型になれるはずです。
でも、この映画と同じように、意外と簡単ではないのですね。
むしろ、かなり難しいのですね。



この映画のラストに、モグワイの元の主人であった中国人(東洋人)が次のように言います。
このせりふの「モグワイ」を「本能」と読み替えてじっくりと聞いて欲しいと思います。


「モグワイを飼うことは並大抵のことではない。」


「あんたらのやり方はいつもそう。
 自然の摂理を踏みにじってでも喜びを得ようとする。」


「なんにもわかっておらん。人間は愚かだよ。」


(「モグワイのしゃべってることがわかるのですか?」)
「理解しようとする心があればな。」


「君にもいつか飼えるときがくる。そのときをモグワイは待っとるよ。」



自分自身の本能をかわいらしいギズモのような状態に保ち続けるのか、それとも凶暴で残酷なグレムリンのような状態にしてしまうのかは、あなたの選択次第です。



ダイエットで大切なことは、あなたの本能をかわいらしいギズモのような状態に保ち続けることです。



本能を凶暴で残酷なグレムリンのような状態にしてしまったとしても、必死に戦い続けるならば、なんとかやせることも不可能なことではありません。
実際に、世の中の多くの人がこういう戦うダイエットをしているわけですしね。

ただ、大切な味方であるはずの自分の本能をグレムリンにしてしまって、戦い続けなければいけないことは、悲劇だと思います。



映画の「グレムリン」は当初の脚本では、主人公の母親の首が刈り取られて、頭が階段を転げ落ちたり、町の人もたくさん殺されたり、ギズモも含めてすべてのモグワイがグレムリン化してしまったりと、もっとおぞましい話になる予定だったということです。


これでは子供に見せるような話でなくなってしまうだろうということで、だいぶソフトな内容になったということです。

現実のグレムリンは、映画のように空気を読んで容赦してくれるわけではありませんから、もっとはるかに恐ろしいものであるかもしれません。



何キロやせたと言って喜んでいたとしても、本能をグレムリン化させてしまっていれば、そのあとはいったいどうなるのでしょうか?
想像しただけで、恐ろしすぎますよね。



体重を減らせばよいというダイエットは本当に怖いのです。



うまく約束を守りやすくする方法はありますから、本能をグレムリン化
させないという選択をして欲しいと思っています。


こちらのかわいらしいギズモを選んでくださいね。
http://www.youtube.com/watch?v=eWTi137wU6w&NR=1&fmt=18



DVDが販売されています。
http://www.amazon.co.jp/dp/B001525J9O/

純粋に面白いうえに、学べることも多いので、おすすめです。


パッケージの写真が意味深ですよね。
ギズモの影がグレムリン

このどちらが真の正体なのか?というと、
どちらもということなのです。


かわいらしい状態も恐ろしい状態もどちらもが真の姿なのです。
どのように接するかによって、状態が変わるだけということなのです。
本能・食欲もまったく同じです。



食欲が怖いと言っておびえている人と、怖いと思ったことなんか無いと言う人がいますが、どちらも正直な感想だと思います。

普段の接し方によって、まったく性質が異なるものになるからです。



本能的な働きによる本物の空腹感とそれ以外のにせものの空腹感を見分けて、本物の空腹感にはうまく従うことが大切です。

そうすれば、グレムリンもギズモになってくれます。


もっと具体的な方法などもお伝えしていきたいと思っています。



次回は、ここまでのまとめを説明したいと思います。