本物の空腹感とにせものの空腹感の見分け方について、以下のように説明してきました。


手のひらを聴診器のようにおなかに当てて、苦しさをどのあたりに感じるかを調べて、おなかの左側のあたりに空っぽで苦しいというふうに感じるならば、それは本物の空腹感であるとわかります。


それ以外のものはにせものの空腹感の可能性が高いことがわかります。


偽の空腹感は、頭が重くてしんどかったり、イライラや不安感で、胸が詰まって息苦しく感じたり、首や肩、背中に強いコリを感じて苦しいというように、痛みや苦しさを感じる場所が違います。


このように痛みや苦しさを感じる体の場所の違いに注目すれば、本物かにせものかが大体わかるようになります。


というような説明でした。




ただし、これはそんなに簡単ではありません。

ちょっと微妙であるので、わかるようになるまで、練習も必要だと思います。

実際、わかるようになりませんという人も多いと思います。



何の助けがなくても、本物とにせものの見分けがつけられるように、もう少しわかりやすい方法はないかと真剣に考えてみました。


そして、それなりに使えると思う方法がわかりました。



そこで、今回は、もう少しわかりやすい見分ける方法をお伝えしたいと思います。



手のひらを当てて調べていくというだけでも、どのあたりが苦しさの発生源になっているのかは少しはわかるようになると思います。


ただ、おなかのあたりから苦しさがやってくるのか、それとも胸のあたりからやってくるのかというところは、かなり微妙で見分けがつきにくいと思います。




左手はおなかの左側あたり、右手は肩や胸のあたりにそれぞれ当てて、指や手のひらで刺激を与えて、刺激がどのような感じになるのかを実際に感じてみてください。




おなかのあたりからの刺激は、下から突き上げるような感じだと思います。



肩や胸のあたりからの刺激は、おなかのあたりからの刺激と比べると、だいぶ上の方からの刺激だと感じると思います。上からのしかかってくるような感じだと思います。




感覚の話なので、ちょっと抽象的になってしまいますが、実際に試してみると、どういうことを言っているのかが分かってもらえると思います。




実際にやってみると、右手からの刺激と、左手からの刺激が、異なる場所からの刺激ということがよくわかるのではないでしょうか。




そういう感じ方の違いを参考にして、実際に空腹感の苦しさを感じたときに、片方の手はおなかの左側に、もう片方の手は、その苦しさがやってきている発生源を探してみてください。



おなかの奥の内臓のあたりから突き上げてくるような苦しさであれば、それは本物の空腹感だということがわかります。


逆に、なんとなく上から押さえつけられるような苦しさであれば、それはにせものの空腹感であるということがわかります。



もっと簡単に言うと、下半身(下の方)から来る苦しさは本物の空腹感、上半身(上の方)から来る苦しさはにせものの空腹感であるということがわかります。




ここまでの話を簡単にまとめると、両方の手のひらを使うことで、伝わってくる感覚の微妙な違いが、ずっとわかりやすくなるということです。



片方の手だけだと、微妙な違いがわかりにくいと思います。


両方の手を使って、微妙な刺激の違いを実感することで、おなかのあたりからやってくる苦しさと、胸が締め付けられるような苦しさなどを、しっかりと見分けられるようになって欲しいと思います。







私たち現代人は、苦しさや不快感の感覚にかなり鈍感になっているのだと思います。



例えば、ネコは、たびたび伸びをして、体を常にしなやかで動きやすい状態に保とうとしますネコ


きっと、体がシャキッとしていないと、不快な感じがするので、本能的にすぐに対応をするのでしょう。


そういう微妙な不快感を感じたときに、きちんと原因に合った対応をすることが大切なのです。


不快感を感じたから、とりあえず食べることで不快感を解消するというようなことを続けていると、困ったことになるのは当然ですよね。


自分の感じる不快感は、いったいどういうものが原因の不快感なのか、自分の体のどのあたりからやってくるのかをしっかりと感じられるようにしてください。


簡単にわからないのならば、うまく調べられるようにしてください。


不快感の原因がわかれば、その原因に合わせて対応していけばよいということになります。


もちろん、口で言うほど簡単ではないですが、原因がわかれば、わけがわからないまま食べて、自分がどんどん嫌になってしまうというのは避けられると思います。





また、たとえ違いがわからなかったとしても、自分が感じている様々な不快感とじっくりと向き合って、原因を探ろうとすることは、とても意味のあることだと思います。



自分の苦しさの本当の原因に目をそむけていては、良くなっていく可能性を放棄するだけだと思うからです。



自分の苦しさの原因をしっかりと知るようにしましょう。




ここまでの数回で、空腹感については、いちおう軽く説明することができたと思っています。


次は満腹感について、特に大切なことを説明したいと思っていたのですが、予定を変更して、どうしても先にお伝えしたいことがあります。



それは、摂食障害で苦しんでいる人の苦しさや痛みの原因について、自分なりの考えを説明しておきたいということです。



摂食障害で苦しんでいる人の苦しみ方が、読んでいるだけでもあまりにもつらいので、どうしても早く伝えておきたいと思いました。



これが助けになるというほど簡単な話ではないと思いますが、もしかしたらひどい苦しさの本当の原因を説明できるのかもしれないし、回復への手掛かりになる可能性もあるかもしれないと思っています。





そういうわけで、次回は、摂食障害の苦しさの原因について、自分なりの考えを語りたいと思っています。



的はずれな内容だと感じるか、意外と当たっているかも知れないと感じるか、真剣に読んで、感想をいただけると嬉しいです。