人間の思考のくせとして「比較」というものが恐ろしいということを紹介しました。

食べることに関しても、無意識のうちに比べてしまっています。

たとえば、たくさん食べて、「苦しくてもうこれ以上食べられない」という感覚に慣れてしまうと、「空腹感はなくなって、ちょうどおなかいっぱいになったなあ」という本来の満腹感の感覚では、物足りないように感じてしまうのです。

限界まで食べたときの満腹感や満足感は、圧倒的なものなので、その感覚が基準となってしまうと、たとえおなかいっぱいになっていても、物足りないように感じてしまうのです。


そして、苦しいほどの満腹感というのが、当たり前の感覚になってしまっているため、食べ過ぎて、ダイエットもうまくいかなくなってしまいます。


いったん太ってしまった人が、なかなか痩せるのが難しいというのは、「圧倒的なまでの満腹感」というものに慣れて、それが基準となってしまっているために、「通常の満腹感」では、不足感を感じてしまうのだと思います。


人間は、本当に慣れというものが生じやすいです。

香辛料の刺激も、最初はきついなあと感じていたのが、だんだんと慣れてきて、もっとたくさん使わないと、物足りなくなってきます。
もともと使わなくても、十分においしく感じていたのが、その刺激がないと物足りないように感じてしまうのです。


自分の知っている感覚と比較してしまうから、どうしても物足りなく感じるという、「比較」に気をつけなければいけません。


体の声を聞くようにして食べても、うまくいかないという人も、「比較」の癖に影響されてしまっているのだと思います。

体の声を聞くようにすると言っても、「食べたほうがいいかな?」と聞いたら、「それは、食べないのと食べるのだったら、食べてくれたほうがずっと嬉しいよ。」という答えが返ってくるでしょう

食べなかったらこんな感じで、食べたらこんな感じになるというふうに想像をめぐらすと、食べたほうがずっと嬉しくなると感じるでしょう。
そして、食べたほうがよいという方向に流れてしまいます。


「食べないか食べるか?」と比較して答えを出そうとしてしまっていることに気づいて欲しいと思います。

「比較するまでもなく、食べたいと感じた、食べる必要があると感じた。」ならば、しっかりと食べればよいですが、「食べたほうが嬉しいかな、食べないよりも嬉しいよなあ」というような感じで、食べてしまうのには、気をつけてくださいね。


次回は、「自分を好きになる方法」、「自分を好きになるコツ」をお伝えしたいと思います。
自分の長所に気づくようにするとか、考え方を変えてみるとか、自分を受け入れるようにするとか、そういう話とはだいぶ違う内容になります。
どんなふうに感じられるのか、ちょっと不安ですが、書いてみたいと思います。
お楽しみに。