今回も、満腹感の信号=体の声について書いてみたいと思います。

内容はだいぶ前から固まっていたのですが、タイトルを書き出していた紙が見つからなくて、遅くなってしまいました。
すみません。
(忘れたらまずいと思って、そこらにある紙に書いて安心していたら、紙が見当たらなくなってしまったという情けない話です。)

タイトルがだいぶ違っていたはずで、なんだかなあという感じがぬぐえませんが・・・



体の声に合わせて、ちょうどおなかいっぱいになるところあたりで食べ終わりたいと思っていても、いつも食べ過ぎてしまって、重い気持ちになってしまっていませんか?

なぜ、ちょうどいいところで食べ終われなくて、食べ過ぎてしまうのでしょうか?



そもそも、あなたは食べていて、「おなかいっぱい」と感じることはありますか?

もうこれ以上食べられないという限界のところまで食べて、ようやく「おなかいっぱい」と感じるのでしょうか?


どうでしょうか?



あまり真剣に考えたことがないかもしれませんね。

むしろ、そのほうがふつうだと思いますが。


今回は、「おなかいっぱい」ということについて、客観的にとらえてみたいと思っています。



私たちは、おなかいっぱいと感じたときに食べ終わることができるのでしょうか?


できると思いますか?


ちょっとだけ真剣に考えてみてください。



実は、できない人の方がはるかに多いと思います。


私たちは野生動物ではないからです。


おなかいっぱいだと感じた瞬間に、そこで完全に食事を放棄して、あとは知らないというふうにふるまうことなどできません。

そんなことをしたら、社会的にまずいことになりかねません。


おなかいっぱいだと感じても、「一区切りがつくまでは」、「なるべく残さないようにするべきだ」、「おいしいし、もったいない」、「作ってくれた人に申し訳ない」、「残さず、すっきりさせたい」などなど、道徳的価値観や、面倒くささとか、いろいろな観念に引っ張られて、体が感じたとおりに行動することなどできないのです。

これは、一人暮らしをしている人でも、そんなに大きくは変わらないでしょう。


ほとんどの人が、食事中に「おなかいっぱいかもしれない」と感じる瞬間があったとしても、そこではしを投げ出して、「終了」というわけにはいかず、社会的にうまくやっていくために、少し無理して食べ続けるという行動をとっているはずです。

ほとんどの人の食事量は、
「体が望んだ量」+「社会的にうまくやっていくために少し無理した分(欲望に流された分)」
となっているのです。


そして、おなかいっぱいのところを無視して食べ進めると、いったいどうなるでしょうか?

ゴールラインに引かれたゴールテープは、唯一の本当のゴールです。

ゴールラインを越えても、どんどん進み続けると、その先にゴールはあるでしょうか?

ゴールではなく、行き止まりがあるのです。

それは、胃がもう入らないと伝えてくる限界ポイントのところになります。

そこまで行くと、壁があって行き止まりとなっているので、強制終了ということになるのです。


「ゴールは一度しかこない。

そのゴールを無視すると、行き止まりまで行き着かないと止まれない。」

そういうふうになっています。



おなかいっぱいかもしれないと感じたら、できるだけ、そのあたりで食べ終わるようにしましょう。

おなかいっぱいと感じたあとに、観念や欲望に引っ張られて食べた分量というのは、トータルするとすごい量になります。

でも、その分量以上に、そういう習慣が定着してしまっていて、気づくこともできないということが、より大きな問題なのです。



おなかいっぱいかもしれないと感じたら、そこで食べ終わるようにするというのは、いろいろと現実的には難しいかもしれません。

その場合でも、「おなかいっぱいのような気がする」と感じたところで、「本当はここでやめたほうがよいのだな。ここから先は、体が望む食事ではなく、社会的にうまくやっていくための食事(もしくは、体ではなく自分の欲望を満たすための食事)」というふうに、この2つを意識の中で分けるようにしてください。

心の中で、区切りを作るようにしていくと、だんだんと、おなかいっぱいと感じたところで食事を終えるのが、むしろ自然なことと感じるようになっていくはずです。


社会的に望まれていることでもあるので、
自分が、ゴールを無視して食べ続けてしまうというくせにはまっていることに、ほとんどの人が気づけません。
そして、気づけないからこそ、どんどんエスカレートしていってしまうのです。


まずは、このことを知って、「おなかいっぱい」という信号を感じたら、ここから先は本当は体が望む食事ではないということを忘れないようにしてください。


おなかいっぱいの信号をしっかりと感じるようにしていると、そのポイントで食事を終えることの方が、ずっと心地よいというふうになっていきます。