遅くなってしまいました。

ようやく摂食障害についての話です。

とても難しい話なので、先延ばしになってしまったということに加えて、なんとか完成させたいと思っていたものがあったので、そちらに取り組んでいました。

その完成させたいと思っていたものは、かなりきれいにまとまってきてくれました。

しかも、すごく覚えやすくできました。

長い年月を掛けてやってきたことがここまでまとめられるようになるとは、自分でも思っていませんでした。

これがもうあと数日くらいで完成すると思うので、該当者の方たちにはプレゼントしたいと思っています。

楽しみにしておいてくださいね。

詳しくはメールでも報告いたします。



それでは、摂食障害について、「摂食障害の原因と克服方法について」です。


「ダイエットについて、けっこう分かるようになってきたな」と思えるようになった6年くらい前から、メルマガを始めました。

そうしたところ、「摂食障害で苦しんでいて、空腹感や満腹感が分かりません。どうすればいいでしょうか?」という質問をたくさん受けるようになりました。

「え?空腹感が分からない?」

「いったいどんな感じだというんだろう?」

摂食障害に関する本もすでにある程度は読んでいたものの、当時は、これほど難しいものとは思っていませんでした。

それから、摂食障害に関する本も必死で読むようになったものの、やっぱり分からないことだらけ・・・

「うーん、読めば読むほど、いろんな情報があって、混乱してわけがわからなくなってくる。」

それからも、「空腹感はまったく無いけれど、ずっと食べないでいると、猛烈に食べたくなって、止まらなくなってしまいます。」、「過食症で困っています。過食衝動を止める方法を教えてください。」等々、摂食障害関連の質問をたくさん受けてきました。

そこで、むしろ、こっちが教えて欲しいと思って、いろいろと情報交換をさせてもらうようになりました。

分かることは教えられるけれど、空腹感がまったく分からないとか、苦しいという感覚自体をあまり感じなくなっているとか、実感として理解できないレベルの話なので、いろいろと教えてくださいと頼んできました。


それで、本を読んで学んできたことと、実感レベルの話でいろいろと教えてもらってきたことを合わせて、知識としては、それなりに分かるようになってきたかなと感じるようになりました。

それでも、「ずっと空腹感が無いまま」という感覚がやっぱり実感として分からないから、知識レベルの話になってしまうなあと思っていました。

そんなところに、思わぬ学びがもたらされました。

今年の7月の前半に、ウイルス性か細菌性か分かりませんが、急性の胃腸炎になって、苦しくて食欲がまったく無いという状態になりました。

食べたら元気になれるかもと思って無理矢理食べても、吐いてしまう。

水とポカリスウェットだけはなんとか飲むことができました。

結局、ほぼ丸1週間、まったく空腹感も無くて、何も食べないままで過ごしました。

「これが、空腹感がまったく無いという感覚なのか」とようやく実感として理解できるようになりました。

子供の頃とかにはたびたびあったのだろうと思いますが、ダイエット問題や空腹感について真剣に意識するようになってからは初めてのことでした。

2,3日でも空腹感を我慢して耐えていたら、本当に空腹感は簡単に消失してしまうものなんだなあということを痛感させられました。

だから、こんなに「空腹感がありません」という相談がたくさん寄せられるんだなあと。

「こうなったら、体の声を聞くもへったくれもないよなあ。何にも頼れないから、大変なのは当然だなあ」と。


丸1週間食べずにすごしたときは、その後もずっと食べずに過ごすことが余裕でできそうな感じでした。

これでは食べないでもなんともないと感じてしまうだろうし、食べるべき理由も見つからなかったりするかもしれないので、怖いと思いました。

「空腹感が無い、食欲も無い」という状況で、「これは本当に元に戻るのか?」とちょっと不安でしたが、少しずつ食べるようにしていったところ、ちゃんと食欲と空腹感も戻ってきてくれました。

ただ、食べ始めて2,3日は、空腹感や満腹感の感覚がいつもと違っていて、うまく感じられなくて、「ああ、こんな感じだから、怖くて食べられない、食べない方が安心」となってしまうのだろうなあと思いました。

この経験によって、食欲、空腹感、満腹感はうまく育てていくべきものなのだということが実感としてよく分かるようになりました。


極端な炭水化物抜きダイエット(リセットダイエット、糖質制限ダイエット)や断食などをして、しばらく苦しいのを耐えていると、空腹感の喪失という状態になって、何も食べなくてもなんともないという状態に意外と簡単になれます。

そして、自分の本能的な欲求をコントロールできているという全能感も得られて、ダイエットハイの状態となるのです。

でも、やっぱりこれは極端な状態であって、かなり危険なものだと思います。

こういう状態を長く続けていると、空腹感や満腹感がうまく感じ取れなくなっていくので、ますますふつうに食べるのが怖いとなってしまいかねないからです。


こういった極端な状態(極端な食事制限ダイエットだけではなく、体調不良なども)を経て、ふつうに食べることができなくなる摂食障害におちいってしまう人が本当にたくさんいます。

摂食障害の問題は、一般的に次のように言われています。
「摂食障害において、ダイエットは、単なるきっかけにすぎず、それ以前から心の問題などをかかえているケースが多い。」と。

実際、そういうケースもとても多いです。

もともと心の苦しさがあって、ダイエットで体重を減らすことができているとき、達成感や充実感によって心の苦しさから逃れられるように感じて、どんどんのめり込んでいき、心と体の状態がとても悪くなってしまうのです。


一方で、心理面では特に問題を感じていなかったけれど、極端なダイエットなどをきっかけとして、摂食障害となってしまい、心理面などにも大きな問題をかかえるようになってしまったという人もたくさんいます。


心理面の問題が原因なのでしょうか、それとも食事の面の問題が原因なのでしょうか?

原因が分かれば、摂食障害の克服方法も見えてくるでしょうから、とても重要な問題です。


摂食障害の原因について、たくさん本を読んでも、読めば読むほど難しく感じるというような、そんな気がしていました。

摂食障害の原因に関して、大きく分けると4つの原因があると考えられることが多いです。

個人の性格的・心理的な問題

家族関係(特に母親との関係)の問題

社会の問題(価値観、体型の押し付け感、ジェンダーの役割押し付けや息苦しさなど)

過度なダイエットなど食事の問題

の4つです。

個人の性格的・心理的な問題とは、0か100かという極端な考え方をしてしまう、ちょっとしたことでもネガティブにとらえすぎてしまう、自分には価値がないように感じてしまう、などなどです。


それぞれ思い当たる要素があったりするかもしれません。


摂食障害関連の本をたくさん読めば読むほど、混乱していく可能性が高くて、とてもやっかいなのですが、そんなふうに混乱しやすくなる理由も知っておいて欲しいと思います。

著者が、「摂食障害は自分の専門分野の問題である」ということを強く主張したがるため、それぞれの著者の立場によって、言っていることが大きく変わってしまうという問題があるのです。

精神病理学の専門家は精神・心理面の影響の大きさを過大評価したがります。

家族療法の専門家は家族関係の影響の大きさを過大評価したがります。

社会学やフェミニズム学の研究者はそれぞれの社会問題を過大評価したがります。

このように、「摂食障害は自分の専門分野の問題である」ということを過剰に主張したがる傾向が非常に強いので、くれぐれも気をつけてください。

それらを真に受けすぎると、余計に問題が深刻になっていくと思われてなりません。

実際のところ、流行があって、時代によって主流の説がかなり変化してきました。

その説によって、自分が楽になったり、人間関係が良くなったりするようならば、その説を採用すればよいし、逆にマイナスに作用するようならば、そんな説はまったく無視すればよいのです。

いずれも単なる説にすぎないのですから。


摂食障害の本を読むことはとても勉強になりますが、読めば読むほど混乱して、逆にわなにはまりかねないので、内容次第では、無視するようにしてくださいね。


うつ病の問題なども深く関わってきたりして、簡単に解説できるような話ではないので、ここでは結論は避けますが、回復できた人たちの共通点などを探っていくと、かなり傾向は見えてきていると言えます。

少なくとも、単なる甘えの問題ではないことは確かでしょう。

特に、割合的には少ない摂食障害で苦しんでいる男性の特徴を見ると、かなりはっきりとした傾向が浮かんできます。

自分を追い込む傾向が強くて、いい意味でも悪い意味でも頑張りすぎる人でなければ、摂食障害にまで至れないということが分かります。

極端に自分を追い込んで、体の問題と心の問題の両方をかかえることになってしまうのです。

そして、そんな自分を情けないとさらに責めて、ますます追い込んでいってしまいます。



そんな摂食障害で苦しんでいる人たちからの相談を受けてきて、この点は、本当に例外なく共通していると感じていたことがあります。

それはいったいどういう要素だと思いますか?


答えは、「自信が無い。」、そして、そんなマイナス思考の自分を情けなく思って、ひたすら責めているということです。

まあ、食事量などをコントロールしたい思いがすごく強いのに、それが全然できないとなれば、自信を失うのも無理はないと思うのですが。

でも、マイナス思考でネガティブな自分はとにかくダメ、プラス思考でポジティブにならなければいけないのに・・・と

「うーーん」と思ってしまいます。


一般的に大切と言われていることですが、摂食障害から立ち直りたいならば特に大切と言われていることがあります。

それは

・自信を持つことが大切だ。

・自尊心を高めることが大切だ。

・ネガティブなマイナス思考から抜け出して、ポジティブなプラス思考ができるようになりましょう。

・ありのままの自分を受け入れられるようになりましょう。

などなどです。

心理関係の本や、自己啓発書などで、絶対的な真理のように言われているので、あなたもよく見かけると思います。


でも、どう思いますか?

自信を持ちましょう。

自尊心を高めましょう。

ありのままの自分を受け入れられるようになりましょう。

結論としては、間違ってはいないとは思うものの、そんなこと単純にすすめていい話なのかと思ってしまいます。


そういった本を読んでいても、「あれ?」と思うことが頻繁にあります。

「自分をちょっとでもよく見せようと無理を重ねてしまうのは、ありのままの自分を受け入れられていないということです。ありのままの自分を受け入れられるようになるためには、まず自信を持てるようになることが大切なのです。」

え?

そもそも自信を持てていたら、自分をちょっとでもよく見せようと無理をしたりなんてしないのでは?

なんだか堂々巡りだなあ、結局どうすればいいのかさっぱり分からないとなってしまいます。


良い悪いなどを単純に決め付ける心の癖に気づいて、それをうまく修正していけるようになりましょうという認知行動療法などは、うまく合えば非常にすぐれた心理療法だと思います。

でも、「努力をして、もっとポジティブになって、自信を持てるようになろう。自尊心を高めよう。」というふうに頑張ってみたら、どうなるでしょうか?

真剣に考えてみたら、だいたい予想はつくと思います。

「なんとかプラス思考を心がけて、もっとポジティブになって、自信を持てるようになろう。自尊心も高めよう。」

「でも、やっぱり自分のマイナス点にばかり目がいってしまって、自信を持てない自分が情けなく感じてしまう。こんなマイナス思考ばかりしてしまう自分はだめだ・・・」

こんなふうになってしまう可能性が高いのではないでしょうか。



だから、「努力をして、自信を持てるようになりましょう、自尊心を高めましょう。」というふうに、無理に頑張って変えていこうとする方向性はあまり望ましくないと思っています。

頑張るのではなく、それらの性質など、知識を得ることの方がずっと大切だと考えています。

そんなわけで、自信うんぬんなど、これらの要素は、実際に非常に重要だと思っているので、「ポジティブシンキングの真実」というレポートを作ったのです。

摂食障害で苦しんでいる人は、本当に例外がないくらい、自信が無くて・・・、ポジティブ・プラス思考、ネガティブ・マイナス思考うんぬんでいろいろと悩みをかかえているので、この点をなんとかしたいと考えていたからです。

結局、50ページ近い長いレポートになってしまったのですが、これらの自信がどうこうということについて詳しく語りました。

持っている方は、そちらを読んでくださいね。

ちなみに、昔、ここでも紹介したレポートです。
http://ameblo.jp/pink-diet/entry-11554368751.html

http://ameblo.jp/pink-diet/entry-11561901982.html
(メルマガのバックナンバーは通常は非表示にしていますが、11月14日から16日までは表示するように戻しておきます。)



そして、自信がどうこう、自尊心がどうこうといった話も大切だとは思うのですが、そもそも論の方がはるかに重要だと考えています。

なぜ、そんなふうになってしまっているのかについてです。

自信がどうこう、自尊心がどうこうといった話以前に、そもそも私たちがどういう環境を生きているのかということを知っておく必要があると強く思っています。

摂食障害とも思いっきり関係が深いことです。

そういうことを知らない人があまりにも多すぎるというか、ふつうは知らないというか、気づかないのでしょうね。


ジェンダーがどうとか、母親との親子関係がどうとか、体型の押し付けがどうとか、正直言って、そんなことよりもはるかに重要だと思っていることがあるということです。

そして、それらはとてつもなく恐ろしいことでもあります。

実に根本的なことなのに、学校でも決して教えてもらえませんし、本などでも書かれているのを見たことはほとんど記憶にありません。そして、テレビで教えてくれることもありえません。

残念ながら、ここでは、軽々しく語れません。

いろいろと差し障りがありすぎるからです。

この話を聞いた人は、「言われてみると、その通り過ぎて怖いですね。考えたこともありませんでした。」、「おぉー!これは表で語るのには無理がありますね。」というふうに納得してくれます。

実際、あまりしたい話ではありません。

でも、摂食障害で苦しんでいる人ならば、知らないというのはとても悲しいことだと思います。


世の中において、表で語られる話は、どうしてもあたりさわりのない話ばかりになってしまいます。


ここ最近の食品関連の誤表示問題、もしくは偽装問題にしても、あなたはどう思われましたか?

私は、最初から、なんだかなあと思って、実にむなしい気分でした。

誤表示だの偽装だのではなく、表に出てくる情報なんて、100のうちの1もないにもかかわらず、表に出てきている情報だけで、ああだこうだと表面的に語られているのを見て、むなしくなってしまっていたのでした。

まあ、表でできる話なんて、そんなもんなんでしょうけどね。

というわけで、ここではあまり突っ込んだ話はできないのですが、こちらではもっと具体的な話もしています。
http://www.diet-seminar.com

とても重要なそもそも論とは具体的にどういうことかが知りたい方は、こちら でどうぞ。

根本的で非常に重要なことなのだけれど、それゆえ表では実に語りにくい内容です。

そして、それらを知らずに、摂食障害の原因や克服方法を探ろうとするのは、あまり賢いことではないと思っています。


次回は、摂食障害に関して、私は非常に重要だと考えていることなのですが、なぜかまったくといっていいほど重要視されていない点についてです。

無視されすぎていて、実に不思議だと思っていることです。

理性ではおかしいと思いながらも、抜け出せない理由について、具体的にイメージがしやすくなると思います。

これは、ぜひとも知っておいて欲しいことです。