私の鳥かごの真ん中には 

鏡が吊り下げられている。 

ちょうど私のからだ全体が 

スッポリ入る位の大きさの鏡。


止まり木に捉まり 

鏡の中の青い羽をした姿を 

一日中見つめる私。

時々、遠くの景色に目をやりながら...


鏡の中の青い鳥だけが 

私の哀しみを知っている。

青い羽になった訳を 

唯一 全て知っている。


だから私は 

鏡の中の青い鳥から離れられない。

羽が青くなった哀しみを 

一緒に共有してくれるから...


だけど私は 

鏡の中の青い鳥から逃げ出したい。

見つめるほどに哀しみの

記憶を深く刻み続けるから...


本当はどっちなのか

自分でもよくわからない

煮え切らない 青い鳥。