第3話





車体の形状がステーションワゴンとなっているクルマは、比較的大がかりな改造を加えることなく変更できるようだ。

大きなポイントはふたつ。タイヤリアシート



その前に、そもそも貨物にした時の最大積載量はどのようにして決まるのか。

ヒジョーにカンタンです(ホントは、この説明とはちょっと違うのだけど、ほぼ同じことです)


荷室としてのスペースを獲保するためにシートをとっぱらうのですが、それによって乗車定員が減った分最大積載量となるのです。つまり、車両総重量は変わりません(厳密には、実測によって変わることもあります)。なので、最大積載量といっても微々たるものです。



で、話を戻します。



タイヤには、サイズによって許容荷重というものがあります。これを検査官が再計算するのですが、車両総重量はほぼ変わらないので、乗用の時の標準タイヤ同等品であれば、まず問題ありません

次にホイール。鉄ちん、もしくはメーカ一純正アルミであれば問題ありません。社外アルミの場合のみ注意が必要です。乗用アルミの場合、通常JWL規格の刻印がされています。ところが、貨物の場合JWL-T規格でなければならないのです。JWL-T規格のアルミは、流通量が極端に少ないので社外アルミの場合はホボダメだと思って間違いないでしょう。



もうひとつのポイント。リアシートについて。

貨物の場合、リアシートは前後にスライドしてはいけません。また、シートバックがリクライニングするのもダメです(前に折りたためるのはOKです)。

リアシートを全てとっぱらってしまい、前席だけにしてしまえばモンダイないのですが、リアシートを残す場合には、加工が必要となるでしょう。



他にも荷室容積荷室開口部のサイズといった検査項目はあるのですが、1BOXカーがベースになる場合、よほどおかしなクルマでない限りひっかかることはないでしょう。





さて、ここで。車検のハナシとは、ちょっと違うのですが、違法改造/整備不良のハナシ。





無事構造変更検査に合格して、貨物登録できました。

その後、タイヤとリアシートを元に戻してしまいました(もちろん、次回車検時の継続検査は通りません)。Kサツの取締りは、ダイジョーブでしょうか?

厳密には、ダメです。当然、違法改造/整備不良に当ります。でも、実際の現場では、ホボダイジョーブなのではないでしょうか。

タイヤ&ホイールについては、99.9%気付かないと思います。リアシートのスライド&リクライニング機構のことは100%に近い確率で知らないでしょう。知っていたとしても、触らないと確認できないので、ダイジョーブです。余程のことがない限り現場のK官があれこれいじくりまわすことはありません。

定員外乗車についても、1BOXカーで純正のシートにキチンとシートベルト着用で座っていれば、フツーはおかしいと思わないでしょう。最悪、車検証の提示を求められ、指摘されたとしても運転者のスペースが十分に獲保されていれば、検挙できない。というハナシを聞いたことがあります。通勤ラッシュ時の路線バスを取締らない以上、法の下の平等に反するらしいのです。

ただし、事故がおこった時の保険支払いは別問題で、保険金がおりないという場合も考えられるのではないでしょうか。





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