#1368 節介 | プロパンガス

プロパンガス

いっしょうけんめい働いた人が
せめてビールぐらいは安心して
本物を飲める世の中をつくろう

これも景気が良くなってきたことの影響だろうか。(景気全般が良くなってきたかどうかはともかく、景気のいいセクターや金回りの良くなってきたおっさんは確実に存在する)


すっかり常識が変わってしまった。


ついこの前までは、ちょっといい店に食事に行くのに、美味い店や雰囲気のいい店、もてなしの気持ちいい店が高いカネを取るのは、ある意味、いいことだと想っていた。


ある程度しっかりしたカネを取らないと、あまりに気軽にその店を訪れる人が増えすぎてしまい、結果として客層が悪くなる。


特別な店が誰にとっても特別な店であり続けるために、客層のレベルをしっかり維持するのは大切なことだ。


そのためなら、懐は痛むけれども、ある程度高いのはしょうがない、むしろ必要なことだと想っていた。


ところが。


ここ1年ぐらい、どうやら様子がかわってきた。


先日訪れた、まあまあの格式の鉄板焼きの店。


客のほとんどが、おっさんとお水系姉ちゃんのツーショット。


明らかに、同伴出勤前の食事。


おっさんは、料理なんかには興味もなく、姉ちゃんの胸元を覗き込みながらニヤニヤしてるだけ。


姉ちゃんも、「素敵なお店ですね~」とか言いつつも、自分がその店にふさわしくもないことに全然気付いてもいない。


出された料理を見ながらシェフに向かって、「フォアグラって、牛のどの部分ですか?」って、いったい・・・。


人が食事してる横で、口からプカプカ煙を吐き出してるし。


似たようなことを、そこらじゅうで経験させられる。


聞くところでは、どこのフレンチに行ってもイタリアンに行っても、寿司屋に行っても高級割烹に行っても、同じような状況らしい。


店のほうにしてみても、長い不況で苦しんだ経験があまりにも鮮やかに残っているため、客を選んでいる余裕などなかったことだろう。


そもそも、客を選ぶったって、店にできることには限界もあるし。


店を責めることはできない。


そう言えば、戦後、超のつく高級料亭にも、Tシャツ・短パンのアメリカ人たちが土足で踏み込んできた時代があったそうな。


そういう話を彷彿させるよ。


だから、ちゃんとした店でちゃんとした食事がしたい時は、その店の客層がどんなふうなのか、よっぽどしっかり調べていかないといけないね。


大きなお節介かもしれないけど。


幸い、最近はネットでちょっと検索すれば、クチコミ記事がいくらでもヒットするし。

(そんなものをそのまま真に受けるのもどうかと想うが)


大事なお客様をおもてなしする時や、大切な女性をエスコートする時に、あんな連中たちと同席させられたら、すべてがブチ壊しだ。


さもなくば、やっぱり、「かっぱ亭」とか「ゆうじ」とか、「紅池」とか、同伴野郎が絶対に来ないような、つまりおしゃれな雰囲気とは無縁な店を選ぶしかないのかもね。