共に育つ【前編】 | うさぐのブログ

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今年の目標:一日一努力。

山下幼稚宴の公式ブログのほうに
今までやった役を
あげてみる!!

という個人的な企画をやったので、
みてやってください♪

写真付きです☆


http://ameblo.jp/yamashita-y/entry-11405488641.html





歌ねえ―。



歌うことは好きなんだけど、
人前で歌うのがずっと苦手で。






中学の頃とか
目立つのが嫌で
音楽の授業も小さい声で歌ってたし、

歌の試験とか
みんなの前で一人で歌うことが苦痛で
仕方なかった。





でもなぜか

そんな消極的だった僕が
中3の頃に
「合唱選抜」みたいのに
選ばれることがあった。





上級生の数名が、
下級生何十名の前で歌をうたって

先生が

「こんな少人数でも大きな声が出せるのよ」
「あなたたちももっと頑張りなさい」

と発破をかけるための要員だった。


その時は
やる気出して頑張ったけど
今思えばそれが
なんか一個自信につながったんだろうね。







高校も普通科に行くつもりだったんだけど
別の高校の演劇科を
目指すようになった。


ちなみに
普通科を受けようとしていた
八潮高校は
太一の家のすぐ近く。

山下幼稚宴の稽古場に行くときに
前を通るんだけど、

「ここに行ってたら僕の人生は変わってたんだなぁ」

って毎回感慨深くなる。






まあでも性分ってのは変わらないもんでさ、
演劇科に入学しても
音楽の時間は
大きな声で歌えなかったね。



なにかが変わったのは
自分たちの卒業公演が決まるちょっと前。



演技実習の時間に

「自分の好きな歌を歌う」

というチャンスがあたえられた。




僕は何を歌うか
本当に悩んで
悩んで悩みまくった。





気心の知れた友人たちの前とはいえ、
みんな高校生。

日本のメジャーアーティストの
曲を好む彼らを前に
ミュージカルナンバーを披露する
勇気はなかった。




でも、

その歌の発表は確実に
卒業公演のキャスティングを
想定してのものだったから、

高い学費を払って
学校に行かせてもらってた身として
人並みにいい役になりたい願望はあったのだ。



かといって


他に歌える曲が
僕にはなく。

結局、Musical"Beauty and the beast"の
「If I can't love her」 という曲にする。
世界で一番好きな曲だけに
もったいない気もしていたが、
覚悟は決めたからには
やらねばならなかった。


必要なカラオケは
携帯の着メロで
自作。




クラス一のダサ男が
全員の前で携帯片手に
愛の歌を熱唱する。



こんな場面、
逃げ出したくならないほうがおかしい。


でも…僕は逃げ出す勇気もなかった。



出席番号が終わりのほうだったのに、
僕の番はあっという間に来て
部屋の真ん中にぽつんと立つ。


携帯を出した時のみんなの
動揺は今でも忘れられない。


普通の高校なら
興味を持たない人が大半だろうに、
ここは演劇科。

期待なのか、興味なのかを
みんなあからさまに声にする。

そんな演劇科特有のリアクションが
痛かった。






・・・で







・・・・4分間うたって






・・・・うたいおわっても
足がずっと震えていて・・・







忘れられないのは
その一瞬の静寂のあと。




歌い終わった後
みんなが拍手してくれたんだよね。




すごく嬉しくて、
複雑で、

自分のキャラじゃない歌を
歌ったもんだから
恥ずかしくて、

でもすがすがしくて。






数か月後の発表では、

僕は主人公の役にキャスティングされていた。

しかもクラスのエース的存在の
女の子とダブルキャストで。

不思議なもんで、
自分がそんな役になるわけないと思ってた。

全然実感がわかないから
嬉しいなあーって感じでもないんだよね。




それからは
個人の歌レッスンみたいなものがあって
声楽科の先生に教えていただけたり、
作曲家の先生に教えていただけたり、

はじめて自分の歌というものを
見つめて磨き始める。



まぁ、
その最初のレッスンのときに
事件は起きた。


簡単にはいかなかったわけ。




つづく。