化学物質が皮膚から吸収?~「経皮毒」の真実を徹底究明(前編)~ | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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2005年。

竹内久米司という科学者が、


「経皮毒」

という言葉を日本中に拡げました。





みなさんはこの言葉をご存知でしょうか。




経皮毒とは読んで字のごとく


毒性の成分が皮膚を経由して体内に侵入する

という理論のことです。




竹内久米司氏は東京薬科大博士課程を終了した

薬学博士
で、

製薬会社の研究部長なども務めた経歴があるとされています。



その経歴も後押しし、

彼が出版した経皮毒論の書籍は
瞬く間に信者を集め、

経皮毒を信奉する者達の聖書として崇められています。



しかしこの経皮毒論は多くの点でその正当性が疑われており、


ネットを探しても「何が正しいかわからん」


という意見が大多数を占めているという状況です。






◎経皮毒って?


経皮毒の理論について簡単に説明しておきましょう。


経皮毒論で矢面に立たされたのは、


例に漏れずあの「ラウリル硫酸Na」です。



しかし今回ばかりはラウリル硫酸Naだけでなく、


その共謀者として

「PG」

という成分も注目を集めました。



PGとは「プロピレングリコール」の略称であり、

「溶解剤」と呼ばれる油性基剤の一種です。


これはエマルジョンやジェルなどを作る際にその

製品のゲル化を安定化させる際に

通常は少量だけ用いられる原料ですね。



PGは脂質の溶解作用に非常に優れる為、

皮膚組織内の細胞間脂質を溶解させ

その開いた脂質間を通って、

分子量の小さいラウリル硫酸Naが


体内に侵入し


そして、


体内の子宮・肝臓などの臓器に


蓄積される



これが、経皮毒理論の概要です。


当時市販のシャンプーなどには、

このPGとラウリル硫酸Naが配合されているものが

多数見られた為、

市販シャンプーを使用することで経皮毒が発生すると考えられました。



蓄積云々の話は置いておいて、

皮膚経由性については

確かに筋が通っていそうな話ですね。




◎シャンプーの匂いが、子宮から…


そして経皮毒といえば有名なのがこの話。


なんと、女性の子宮を手術したら


羊水からシャンプーの強い匂いを感じた


という産婦人科がいるというのです。

この話はインターネット上で大きな反響を呼び、

今でも姿を変えて囁かれ続けています。


恐ろしい話ですね。



なぜ子宮・肝臓なのかといえば、


人体のメカニズム的に

女性は子宮に毒素が溜まりやすく、

男性は肝臓に毒素が溜まりやすい

ということです。


経皮毒で溜まった毒素は

男性の場合肝臓に溜まりますが、

肝臓はそもそも毒素を中和する臓器である為

それほど問題にはならないそうです。


しかし、

女性は子宮に蓄積するので

生まれてくる赤ん坊にその毒素が遺伝していくため、

女性は特に危険なのだそうです…。


これまたなんとなくありそうで嫌ですね。。



◎なぜ経皮毒が信じられるのか?


経皮毒は

人の「化学物質」への
無根拠の恐怖

を如実に再現した理論です。


多くの人は、

化学的な物質はとりあえず身体に悪く、

私たちの身体に

何かしらの悪影響を及ぼすものだと考えています。


だから私たちは無意識に


化学物質と呼ばれるものを
否定したい

と考えてしまうのですね。


そういった大衆心理の下現れたのが、

薬学博士

という巨大な肩書きを持った人物による

化学物質をバッシングする内容の本でした。


これは、

化学物質を毛嫌いする者たちにとっては

化学物質についてなにかしら否定する根拠が出来た

ということに他ならず、


結局のところ
多くの大衆は

本の内容を信じた

のではなく


彼らにとって信じたい内容の本が現れた


ということだったのでしょう。


また経皮毒を強く支持する根拠として、


食器用洗剤などによって起こる皮膚炎などの手荒れや、

湿布や軟膏などの外用薬が体内部に影響する


という事実があります。


それらの要因が強く合致し、

現在でもこの経皮毒論は根強く信奉されているのです。




◎結局経皮毒は正しいの?



さてケミカルマニアとして僕には

この経皮毒について黒か白か判断する義務があります。


ここで結論だけを言ってしまうならば、


この経皮毒、


当然ウソです。


書いた著者が本当に薬学博士であるならば、

とんでもないでっち上げです。


人間の身体のメカニズムを考えれば、

こんな理論は全くありえないと言えるでしょう。


さて、経皮毒についてのお話ですがもう少し続きます。


良ければ一度コーヒーでも飲んでから、

続きの話といたしましょう。


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