化学物質が皮膚から吸収?~「経皮毒」の真実を徹底究明(後編)~ | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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前編はこちら


さて現在でも多くの信奉者を集める

経皮毒理論

ですが、


その事実は真っ赤な嘘です。



なぜそれを嘘と言い切れるのか、

その真実と


経皮毒理論を取り巻く陰謀

について本日はお話いたします。




◎化学物質は皮膚を通らない?


「皮膚」

というものは、

数千万年・数億年の歳月をかけ

生物が作り上げた最強の防御システムです。


一見薄くも見える皮膚の構成は実は何層にも分けられ、

それはさながら超高度な金庫を守るセキュリティシステムのごとく、


幾重にも重なった防御機能で外物質の侵入を阻んでいます。




たかだか脂質の溶解性があるPG

ちょっと分子の小さなラウリル硫酸ごときが

共謀したところで、


簡単に破れるようなセキュリティではありません。





私たちの皮膚層は上図のような構造となっていますが、

この細胞構造のどこにも

毛細血管は通っていません。


皮膚から吸収した成分が体内に運ばれる為には、

少なくともこれらの層構造を


全て突破する必要があります。


しかし、

実際に多くの物質はこの上からたったの2層目

「角質層」
と呼ばれる層で

侵入を妨げられてしまいます。


経皮毒の理論でPGが溶解するとしているのは

この角質層の細胞間脂質であり、


実際にはもし角質層を突破したとしても、

その先にはまだ5段階ものセキュリティが待ち受けているのです。

(しかもその先のセキュリティは脂質よりも強靭な
タンパク質の層になります。)


たかだかPGが角質層を突破する道を作ったところで、

ラウリル硫酸にはその先を行く術などありません。



また本来ならば、角質層の透過ですら怪しいものです。



本来お風呂などで泡立てて使っている洗剤の濃度は、

1%にも満たない濃度になっていると考えられます。


人の肌は浸透膜と呼ばれる性質を持っており、

選択的に浸透するものを選べます。


その浸透できるものの選び方は、

濃度が高ければ高いほど選ばれやすくなり、


濃度が低ければ浸透することは出来ません。


果たして1%にも満たない濃度の洗剤が、

皮膚の浸透膜を透過するなどありえるのでしょうか。



もっと詳しく話せば肌のセキュリティが

ラウリル硫酸をそう簡単には通さない根拠などキリがありません。




◎外用薬が効果を発揮するのはどうして?




「経皮毒」

という理論は誤りですが、

実際には先程も言ったように皮膚には

浸透作用があり、

医学的に「経皮吸収作用」というものは確立しています。


塗り薬の多くは前述のように

成分が角質層を透過するのが難しい為

その局部にのみ効果が出ますが、


医薬品の中には経皮吸収型製剤という

経皮吸収作用を持ち、

成分を血流に乗せることができる薬があります。


確かに医薬品としてこの効果が認めれているということは、

経皮毒もあながち嘘とは言えないかもしれません。


しかし、経皮毒というのはあくまで日用品レベルのものが

体内に皮膚を通して蓄積すると説いた論であり、


実際には

皮膚を透過できる薬品など

研究室内にはいくらでもあります



そういった物は毒薬や劇物として指定を受けており、

一般的には家庭に届けられることはありえません。


ただし、

医薬品としてそういう物質が利用されることは十分考えられ、

それは正しい医薬学知識に基づき

作用・副作用を天秤にかけて使われるものです。


それらの経皮吸収型製剤は、

綿密な安全性の高い経皮吸収システムを

構築した末出来上がるものであり、

たかがPGとSDS二人の共謀とは比べ物にならないような

大掛かりな理論が組み込まれているのです。


またこれらの医薬品は長時間皮膚に貼り付けておく必要があります。

皮膚に対して悪影響を及ぼさないように

薬剤を浸透させるのにはものすごく時間がかかるのです。


ですがシャンプーなどは濃度が低くさらにすぐ濯いでしまうので

浸透など普通ありえません。


そう言う意味で


一般化粧品と医薬品を同じ土俵で考えるのは、

少し無理があるのではないでしょうか。






◎毛穴から侵入することは考えられないの?



毛穴は先ほどの皮膚構造の画像よりも下層まで

つながっています。

つまり、毛細血管の近くまで毛穴は続いているのです。


では、毛穴からそれらの物質が侵入して

うまく毛穴内部の組織を透過し、

血流に乗ってしまうことは考えられないのでしょうか?



これはもしかしたらありえるかもしれません。



しかし心配には及びません。



まず「毛穴」というのは人の肌の表面積から換算すると

ごく小さいものでしかありません。


そのため薬学的に『毛穴』からの薬剤の侵入は

ほとんど考える必要が無いものだと考えられているのです。




それでも極微量の化学物質は

確かに毛穴から侵入してきたりもするでしょう。



ですがその場合には今度は血液のセキュリティが働くわけです。


人の血液には不審物質を体外に排出する免疫システムがあります。


ほとんど考えられないことですが、

もし実際に洗剤が皮膚を透過したとしても、

その免疫システムが放っておく筈がないのです。


また本来は毛穴内部には

皮脂が詰まっていますし簡単に透過などはできません。


しかしもしそれが破られても大丈夫なシステムを

人の体はまだまだ持っているのです。




◎経皮毒のビジネス利用


経皮毒を否定する根拠はまだまだ他にたくさんあります。


ですが全て書いていると論文みたいになってくるので

このあたりで切り上げましょう。


じつはこれだけの経皮毒否定議論は

大昔から続けられており、


長くその信奉者と否定派で対立しています。


しかしその信奉者の多くは、

ほとんどが美容業界関係者であり、


「弊社の商品は経皮毒の心配がございません」

という触れ込みと共に活動しているわけですね。


ニューウェ○ズやア○ウェイなど、

大手MLM組織の販売文句にも多用されています。


実を言えば、

例の「産婦人科の子宮からシャンプーの匂い」

という噂も、元手はマルチ組織からという話もあります。


そもそもシャンプーの匂いは香料なので、
経皮毒の物質とは全然関係ありませんけどね(苦笑)


経皮毒論を信奉する者は

何かしらの大きな組織と関連している場合も多く、


それらの悪徳商法への利用について

原作者がなんのコメントも発表しない
ことを考えると、



この問題には何か大きな裏社会の

陰謀が隠れているのではないか




と、疑わざるを得ないのです。



非常に長くなりましたが


とてもデリケートな問題ですので、

どうか皆様もくれぐれもお気を付けてくださいね。



一般人には届かない

狡猾で悪逆なビジネスというのは

意外なほど身近にあります。



私たちは正しい知識と判断力を以て、

これらの罠を見破らねばなりません。




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