シャンプーとリンス ~アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤~ | かずのすけの化粧品評論と美容化学についてのぼやき

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界面活性剤とは?




私たちの身近な生活の至るところに活用されている

「界面活性剤」ですが、


やはりその最も知れるところは


「洗剤」


特に、


「シャンプー」


だと思われます。



そして意外なことかもしれませんが、

実はシャンプーだけでなく

そのセットとして用いられている


「リンス」


にも界面活性剤が用いられています。



これらは相反する性質を持つものですが、


同じ「界面活性剤」が用いられているのです。


これはいったいどういうことなのでしょうか。





◎シャンプーのはたらき


シャンプーのような主に「洗浄作用」を持つ界面活性剤は

一般に「アニオン界面活性剤」と呼ばれています。



アニオンとは「陰イオン」を意味する言葉で、

マイナスの静電気を帯びたイオンだと思ってください。

イオンについては
マイナスイオンは嘘っぱち?謎の物質“イオン”とは


シャンプーの原材料である界面活性剤は、

水に溶けて「イオン化」する性質があるのです。


そしてアニオン界面活性剤はプラスのイオンを手放し、

自身はマイナスの静電気を帯びます



このマイナスの静電気を帯びる界面活性剤の特徴として、

「高い乳化作用」=「高い洗浄能力」

が知られていて、

アニオン界面活性剤は特に洗浄用に用いられています。





主なものを挙げると、

・石鹸

・ラウリル硫酸ナトリウム

・ラウレス硫酸ナトリウム

・オレフィンスルホン酸ナトリウム

・ラウロイルメチルアラニンナトリウム

などがあります。

もちろんそれぞれにはそれぞれの特性があり、

洗浄能力や皮膚刺激性はまちまちです。



ところで、

シャンプーを行うと毛髪がゴワついたり、

絡まりやすくなったり、軋みが出たり
することはないでしょうか。


これはアニオン界面活性剤の持つマイナスの静電気が毛髪に蓄電し、


毛髪自体がマイナスに帯電してしまう
ためです。


このおかげで通常シャンプー後には髪の質感が悪くなり、

多くの場合

「リンス」
「コンディショナー」

を使用する必要があるのですね。


実はこの「リンス」や「コンディショナー」にも、

シャンプー同様に「界面活性剤」が配合されていることを

皆さんはご存知だったでしょうか。






リンスのはたらき


リンスのような主に「柔軟作用」を持つ界面活性剤は

一般に「カチオン界面活性剤」と呼ばれています。


「カチオン」とは「陽イオン」を意味する言葉で、

こちらはプラスの静電気を帯びたイオンとなります。


リンスの原材料であるカチオン界面活性剤は

マイナスのイオンを手放し、

自身はプラスの静電気を帯びます。


つまり、

この界面活性剤はシャンプーに配合されるものとは違うものであり、

先ほどの「アニオン界面活性剤」と全く真逆の性質を持っています


↑上がカチオン・下がアニオンです。



このプラスの静電気を帯びる界面活性剤は主に

「柔軟作用」や「殺菌作用」

を持っており、

カチオン界面活性剤はリンスや衣料用柔軟剤、除菌剤に用いられます




主なものとしては、

・塩化ベンザルコニウム

・ベヘントリモニウムクロリド

・ラウラミンオキシド

・ステアラミドエチルジメチルアミン

・クオタニウム‐○/ポリクオタニウム‐○

などがあります。

これもそれぞれに特性があり刺激の強弱もまちまちです。

弱い洗浄作用を示すものもあります。



シャンプーによってマイナスに帯電した髪はごわつきますが、


このリンスによってプラスの静電気を与えることで

シャンプーのマイナスを中和し


ゴワつきを解消し、柔軟作用を与えることが出来ます。



しかしカチオン性の物質は「殺菌作用」が見られるように

しばしば生き物にとって刺激が強く

皮膚に対しても刺激となることが多いです。


その為あまり皮膚に触れるものには配合するべきではありません。





◎リンスインシャンプーとは?


しかしシャンプーをしてからリンス…

という行程は非常に面倒であり、

出来れば一回の工程にまとめてしまいたい…と思う人が多かったのです。


その為メーカーはこの希望に応えようと、

「シャンプー」と「リンス」の効果を同時に発揮する

「リンスインシャンプー」

を商品化しました。



本来、界面活性剤の性質を思えば

リンスとシャンプーを一緒にすることは絶対に出来ません。


同溶液内に
一緒に

アニオン界面活性剤とカチオン界面活性剤が混在す
ると、

溶液中で両者の電荷を中和して、

効果を打ち消しあってしまうのです。


メーカーは当然それを知っていたので、

カチオン界面活性剤を「高分子化」し水溶性を鈍らせることで、

アニオン界面活性剤と時間遅れで効果を発揮するように改良しました。


つまり

水に溶けやすいアニオン界面活性剤がまず最初に洗浄力を発揮し、

水に溶けにくい高分子カチオン界面活性剤が

時間遅れで電荷を中和し柔軟作用を与える。


リンスインシャンプーの原理はこのようなものだったのです。


これは一見非常に画期的に思われ、

リンスインシャンプーは一時流行の兆しを見せましたが…、


実際にはそれほど人気は出ませんでした。


結局のところそのような複雑なシステムが

どんな条件でもうまく効果を発揮するなんてことはありえるはずもなく、


ほとんどの場合

カチオン化ポリマーが効果を発揮する前に
流してしまったり、

効果が出ても大したものではなかったり、


シャンプー→リンスの行程で行う方が効果に確実性があり、

市民の支持を得られなかった…というのが理由でしょう。


まぁそもそもカチオン性の物質をシャンプーに配合するのは

皮膚の弱い人には刺激になるので、

そう言う意味でもあまりオススメできるものではないのですが。



ただその際に作られた

「カチオン化ポリマー」、通称「ポリクオタニウム」

現在多くのシャンプーやトリートメントなどに進化応用されており、



以前ほどの刺激もありませんし

効果も様々なものが作られており、


そういったものがコンディショニング剤として

普通に配合されているということは、


ある意味、

現在ではほとんどのシャンプーは

「リンスインシャンプー」

と言えるのかもしれませんね。



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