マサル・カルロス(19歳)
完璧な演奏技術と音楽性を持つ優勝候補。
小学生時代に日本で亜夜と出会い、ピアノをすすめられたことがきっかけでピアノの道に入る。
ピアノを極めるため、トロンボーンやギターなども勉強する努力家。
このコンクールで亜夜と再会。
(映画では森崎ウィンさんが演じている)
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第一次予選の1曲め
バッハ 平均律クラヴィーア 第一巻 第六番 ニ短調
約4分、楽譜付き音源。
https://www.youtube.com/watch?v=QNMYHy8B7KU
栄伝亜夜(20歳)の感想
「なんてチャーミングなんだろう。
BGMのように聞き流せてしまう曲が、こんなにスリリングに聴けるなんて。」
「一音一音が深く、豊かで剥き出しではなく、ビロードで包んだかのよう。なのにちゃんと、シンプルでちょっとシニカルなバロックの響きがする。」
「装飾音符が綺麗。」
「なんて楽しそうに弾くんだろう。」
「鍵盤を撫でているかのようなのに音の粒は明快。」
三枝子(審査員)の感想
「ピアノの音はみずみずしくも老獪。
甘さも華やかさもあるのに、陰影もあり複雑だ。」
「曲を変え角度を変えるごとに、彼の持つ多面性が違った表情を見せる。
それがミステリアスな魅力になり、他の曲も聴いてみたいという気持ちにさせる。」
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第一次予選の2曲め
モーツァルト ピアノソナタ第十三番 変ロ長調 K.333 第一楽章
約4分、楽譜付き音源。
https://www.youtube.com/watch?v=a4r1IZMSVY8
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第一次予選の3曲め
リスト メフィスト・ワルツ第一番 村の居酒屋の踊り
(栄伝亜夜もこの曲を選択している。)
約12分。山﨑亮汰さん(15歳?)の演奏動画。
1:43あたりにグリッサンド。手が痛くないのかな・・・
https://www.youtube.com/watch?v=_C8QRp41MzQ
楽譜付き音源。
https://www.youtube.com/watch?v=KJbg9V2KnD8
奏(亜夜の友人。音大学長の娘)の感想
「端正なバッハ、純粋なモーツァルトに続いて、突然ギアチェンジしたかのように「華麗」なモードに突入。まるで演奏者が替わったかのようだ。」
「力量のない者が弾くとバタバタしてうるさく聴こえるが、マサルの指は軽々と鍵盤の上を舞う。」
「こともなげに繰り出される完璧なグリッサンド(山﨑さん動画1:43あたり)。」
「聴衆の心をつかんだまま思うままに引きずり回すような、絶妙な演奏。」
高島明石(28歳)の感想
「しばらく座席から立ちあがれなかった。
重力の底にめり込んで沈んでいくように感じられた。」
「なんという成熟、なんという音楽的スケールの大きさ、レベルの高さ。それらを19歳で持ちえているからこそ、本当に、本当の、天才なんだ。」
「マサルの音楽の素晴らしさに恍惚としつつも打ちのめされていた。」
「どうしてこんな人間が、この世には存在しているのだろう。
絶望で頭がいっぱいになる。
どうしてこんなふうに生まれなかったのだろう。
どうしてこんな人間と、同じ楽器で同じ時代に、同じコンクールで勝負しようとしているのだろう。」
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3曲めの「メフィストワルツ」という曲は、この本で初めて知りました。
ちっちは一番のお気に入りのようで、「カッコいい~」とか言って、最初のほうだけ真似して弾いています。
(指が届かない和音は省いて、ですが^^;)
次は、ピアノを持たない少年、風間塵(蜜蜂王子)です。
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