「INACASA(イナカーザ)」@神奈川(☆☆彡)
https://www.facebook.com/inacasayokohama/
稲崎さん(イナ)の家(カーサ)。
住宅地に忽然と現れたイタリアンはそんじょそこらのレストランとは異なり、日本食材を薪ストーブにスチームオーブンなど様々な調理法で昇華させた素晴らしいコースをいただける素晴らしい店。
駅から遠く、完全予約制で、食事に時間がかかりますが、東京からでもここに来るべき価値がこの店にはあります。
住所:横浜市神奈川区神奈川2-1-1
電話:045-577-6500
定休:完全予約制
営業:12時/19時一斉スタート
まさに敷地目いっぱいに建てられた3階建ての一軒家。
白い塗壁に水色の扉。店名の影が下からの明かりで壁に浮かび上がっています。
中も白い塗壁で、その奥にお洒落な空間。
厨房に面したグレイのカウンター。壁もグレイの石タイル。後ろには個々の人用のロッカーが備え付けられています。
湯を茹でる鍋のためのIT、ガスコンロ、一度に300人分の焼きそばを作ることも出来るというスチームオーブン、そして薪を入れる薪オーブンなどの調理器具が目に入り、カウンターの傍らには中国茶器のセットなどが置かれています。
稲崎シェフと奥様の体制。2階は自宅とのことで、早い時間にはお子さんの音がしますw。
カウンターの上には店名入りの水色の美しいお箸。カウンター下には引き出しがあり、本日のカトラリーが並んでいます。
2020年10月1日夜の来訪。
食の盟友大崎さんの会です。18時45分に東口ロータリーで他の参加者をピックアップ。ぼくだけ車ですので。
水はガス入りでお願い。ベネチアのグラスのように美しい水色の映えるグラス。
ノンアルコールペアリングでお願いしています。実はアルコールのペアリングと価格設定が同じ。通常よりも高い分、良い茶葉で専門的なお茶をいただくことができます。
福建省のジャスミン茶である茉莉花茶の水出し。
香りが芳醇で渋味が決まっていて美味しい。奥様は「漫漫茶庵」で勉強され、仕入れを行っていらっしゃるのだそう。
突き出しは木の匙に。
千葉県産で粒が2倍大きいとされるおおまさりというピーナッツのパンナコッタ。
上にはロンバルディアのキャビアと赤軸ほうれん草のベビーリーフ。
一口でいただくと、まずピーナッツの甘味を感じ、渋味が追いかけてきます。そしてキャビアの塩味が。
切り立ての24ヶ月熟成のサンダニエーレの生ハム。
これをニョッコフリットに巻いています。ニョッコフリットはエミリア地方の揚げパンで、中は空洞と書かれていますが、こちらのそれは外がサクッとしていて中はふんわりもっちり。とても美味しい。塩気があり旨味もしっかりした生ハムととてもあいます。
パーネカラサウ。薄焼でパリパリ。薪窯でスモークしてあります。
上に乗っているのは41度で火入れしているという八海山サーモンのミキュイ。
そこに小さなニラの花とサーモンのパウダー。
冷たい緑茶です。
鹿児島の早生品種ゆたかみどり。深蒸し茶の水出し。
美しく濃い緑の水色。緑茶らしい旨味もしっかり。
ガストロパックで減圧加熱したモンサンミッシェルのムール貝。上にはその出汁の泡。
このムール貝が素晴らしく美味しい。飲み込むのが本当にもったいないくらいの美味しさです。
下には長野の根セロリの白いムース。タイ料理には欠かせないという柑橘こぶみかんの香りのクスクス。クスクスも出汁で炊いているそうですが、メチャクチャ美味いじゃないですか!!
自家製フォカッチャ。中は驚くほどしっとりとろけるよう。つけるオリーブオイルも香りが強い。イタリアの小麦と日本の小麦を混ぜて、タネを作り続けているのだそう。こういうところに非凡さを感じます。
尾崎牛のトリッパとストラッチャテッラ。上に木の芽とヘーゼルナッツをかけています。
くさみなくクニクニとした食感で充実の美味しさのトリッパに、煮込んだトマトのソースと湯葉のようなストラッチャテッラと木の芽の香りが混ざり合って美味しい。トマトソースもここまで濃厚だと感心するほどの美味しさになります。
つくね、と呼ばれていた一皿。
鹿児島のふくどめ小牧場の幸福豚(こうふくとん)のサルシッチャ。月桂樹にさしてつくね風になっています。幸福豚サドルバック種チンタセネーゼ豚と黒鹿児島の豚の掛け合わせたオリジナルブランドで脂身の良質な甘みが特徴だそう。これがまた粗挽き肉のつくねのような食感と味わい、胡椒も入れてスパイシーで美味しい。
加えて上に乗っているのはイカのラグーソース。ワタを使っているので、これまた濃厚な旨味でつくねとマッチ。。
有機生態古樹茶、ドアン族のプーアル生茶です。ミャンマー国境付近の茶山に住む、茶の神様の末裔をルーツに持つドアン族の樹齢300年以上の古茶樹とのこと。
栄養分が出てしまうので洗茶しないのだそう。
これがまたプーアルにある独特の癖がなく美味しい。
野生の菊のお茶。台湾の標高1000メートルで栽培したものだそう。
これをホットで入れているのですが、今までのお茶のような旨味よりも香りを強く意識するお茶。
胡麻パン。胡麻の香りと旨味が強い。熱々です。
もちろん、すぐになくなってしまった。
キタッラのカルボナーラ。
たっぷり振りかけた秋トリュフ。肉はカリカリの手前まで火を入れたグアンチャーレで。ソースには卵と粉状のトリュフもたっぷり。芳醇なトリュフの香りと卵の甘さがたまりません。
フリット3種。これも印象に残る美味しさ。
中にはとろけるような口当たりで旨味の汁がたっぷりのポルチーニ。シンイカ、名残の鱧。減圧調理器で調理したシャポーンという鶏のプロードを入れているのだそう。
上にはへべすを摺りかけています。
ドアン族のプーアル茶の熟茶。
エレガントでプーアル茶というカテゴリーにない気がします。
尾崎牛の内腿の薪焼き。この火入れの絶妙さ、薪オーブンがすごいのかシェフの力量がすごいのか。多分その両方なのでしょうね〜。
出汁を含ませてから減圧調理で焼いた新銀杏。下には出汁をたっぷり含んた多分じゃがいものペースト。
薬味に粒マスタードです。
台湾で薬王と呼ばれる漢方の最高峰のお茶、金線蓮茶。
光り輝く金色の葉脈をもつラン科の植物だそうです。そこに白鶴霊芝草、枸杞の根である地骨皮をブレンドしてあるというティーパック。
漢方というとどうも匂いなどが苦手な感じがしていたのですが、これはおかしな匂いなどなく凄く美味しい。
北海道の新イクラ入りのリゾット。
生米から煮たまさにアルデンテの歯ごたえあるリゾットで激ウマ。リゾットたるもの、こうであってほしい。
更に直前に上から追いイクラ。通常の醤油などではなく、イタリアンなので、オレンジワインに魚醤であるガルムで漬けたもの。
上には姫ネギと浜名湖の生の海苔。海苔の香りも最高です。
口直しは作りたてのジェラート。
富山の和梨の幸水です。口当たり良く美味しい。
上にかけられているのは塩とオリーブオイル。塩がとても印象に残るのですが、土佐の心平という大粒の塩です。太陽光で干した海塩。
中国茶でも白茶の月光白。これもドアン族のもので、2017年のヴィンテージだそう。中国茶でもワインのように収穫年で価格が跳ね上がるようです。
ドルチェはカンノーリです。中に詰め込まれているのはエスプーマで作られた紫色のぶどうのクリーム。
生地はサクサクのクランブル。
添えられているのはセミドライのラムレーズン。そのジェラートと。
小青柑という柑橘にプーアル茶を詰め混んで熟成させたお茶です。
木の皿に3種類のお茶菓子。
焼きたてのフィナンシェ。表面カリカリ。横浜醤油が入りみたらし風味という。
ラムにつけたドライ無花果入りのトリュフチョコレート。
ほうじ茶を入れた丸く緑色のサクサクのクッキー。
会計は22990円でした。
19時スタートで終わったのは23時過ぎでしたので、時間がとてもかかります。