MORNING STAR『少女と鉄の鬼』登場人物リスト 2021.09.20制作

 

 小説本編は「魔法のiランド」や「小説家になろう」に記載されています。

 

 

 

 

 

 情報整理のための登場人物のリストをここにまとめて記録。
 ベースが『反三国志』by周大荒なわけですから、人物紹介もかなりの量があります。各話ごとに登場したキャラ、名前の出たキャラたちを記録します。
 
<<<<< エピローグ >>>>>

■“王夜魔”トシロウ(馬謖)
 鉄騎製作者のハーフエルフ。
 小説『少女と鉄の鬼』の主人公の青年。西暦399年で推定年齢18歳。
 鉄騎匠のエロディ・クルエルに教えを請い、様々な人と交流しつつ鉄騎匠として成長して行く。
 出自不詳で、ゼロ・ゼンメルワイス(馬良)の義弟。
 後年粋素円陣を用いた量産型鉄騎を開発し、この戦乱の世に影から終止符を打つこととなる。

■“九印”エメーラ・ミダス(陳到)
 鉄騎シャックスと鉄騎アシュラの乗り手の少女。
 小説『少女と鉄の鬼』のもうひとりの主人公。西暦399年で年齢15歳。
 “月光牙”デメテル・ティアー(甘寧)によってエロディ・クルエルのもとに連れてこられたが、“吸血王”ガードナー・マーフィー(厳白虎)に支配されていたシギショアラのミダス家の令嬢であった。実験により両目、喉、胸元、臍下、両手、両足に9つの呪印が刻まれている。
 トシロウの剣となりレグルス・クラレンス(趙雲)に次ぐアルカディア(蜀)の猛将として活躍する。
 
 
<<<<< 第1話 >>>>>

■紫髯金剛”ザガン・リンツ(黄忠)     
 老武将。ペーシュ守備軍の隊長で星将の誉れも高い。
 ケルン(劉備)のハンガリー(荊州)統一戦の時に鉄騎ベリアルを駆るミシェル(張飛)を散々に苦しめるが、最終的に彼女に破れ、メフィスト(龐統)のもとにに降る。
 弓兵の指揮を得意としたが、当の本人も弓を得意とした。
 目が良く遠くのものがよく見えたが、都合の悪いことには耳が悪くなるという悪癖も持つ。

名前のみの登場人物
□“聖武帝”アイオーン・ノウス(劉邦)     
 悪逆非道な始皇帝クラクスの始帝国リムラントを打ち倒し、最終的にヴィルヘルムを建国した帝王。戦争には弱かったが、人徳の化身でもあり、部下に恵まれ、彼らを使う際に長けていた。
 ただし、彼も帝国の安定のために反乱分子となりそうな人物の粛正を晩年に行い、帝国は安定を見たが、汚点を残した。
 通貨の統一や街道の舗装などの彼の採用した政策は非常にこの帝国を発展させた。

□“開叡帝”ノーシス・ノウス(霊帝)     
 数代にわたる若年の帝王の早逝に伴った政治の荒廃、長い間に形骸化した宮廷内部を刷新し、議会を中心とした新しい政治形体をもたらそうと試みた若い帝王。
 ただ、それに教会勢力が反発し、政治に対する不信感が極限まで達した地方から反乱の火の手が上がることとなった。
 多分に自己中心的な彼は周囲の意見に耳を貸さず、宰相たる“慈眼導師”ネルフェン・ガイスト(張譲)に歴史上は暗殺されたことになっている。これをもって、ヴィルヘルム帝国は真に動乱の時代を迎えることとなった。
 しかし、実際には“蒼俊”ロズ・レイヴン(蹇碩)の手配によって彼は生き延び、将来的にアルカディア(蜀)の地でケルンと再会することとなる。結果、“賦戴天”ジブリール・フォレス(張遼)はこれによってアルカディアに降り、ミスラ陣営の一角は崩れバルカン(魏)は崩壊へと向かった。

□“哀憐帝”アグノイア・ノウス(献帝) 
 “巨頭馬”マシュ・マック(董卓)によって擁立されたヴィルヘルム帝国最後の皇帝。ノーシスの弟であり、もともとはおとなしい青年。マシュらの元で傀儡として生き、“酬軍馬”レグナーン・グラディス(韓馥・楊奉)に助け出されるまでは鉄仮面をはめられて暗所に幽閉されていた。
 救い出されるもすでに狂気に犯されており、レグナーンが二人のミスラに下った後、政治的改革を着実に取り仕切っていく二人のミスラらへの嫉みから陰謀を企み、フレイをおとしめるために暗躍するようになっていた。
 最後は“氷面”ウァレフ・オール(程昱)に弑逆される。が、それも仕方のないことか。

□“巨頭馬”マシュ・マック(董卓)        
 全てを刷新する力としての自分の力に目覚めた英雄。すべてにおいて超越した観念を持ち、見る者によっては非常識なほどの自分勝手な人物に映る。反乱を起こした教会勢力を打破し、クラクフにおける覇権を確立したが、開叡帝亡き後に自らの選んだ皇帝である哀憐帝アグノイアを立てたことにより、群雄の反感を買い、追われることとなった。
 誰に明かすこともなかったが、彼は帝国の治世にすでに見切りを付けており、預言者の神託をもとに行動。帝国崩壊のシナリオを自ら演出、上演した。
 彼がこれほどまでに急激な変化を望んだのは、彼自身が不治の重病によって余命いくばくもなかったからだと推測される。若き日の少女ヴァル・キュリウス(諸葛亮)は戦乱の中伯父(諸葛玄)に付き従いながら正確にそれを推測していた。
 諸侯の連合軍に追われ、ヴロツワフへ移ったが、最後は自らの配下である“轟雷”アモン・デュール(呂布)に殺された。
 いまわの際に預言を成就するためにまだ時間が必要であると、悔やみつつ死んでいく。

□“双頭覇”フレイ・ミスラ(曹操1)       
 バルカン(魏)の盟主。曹操の将軍的側面を体現する。早い話が「銀英伝」のラインハルト。
 小柄ながら容貌に優れるが、子供のような側面も持つ。双子の兄。人材収集僻あり。
 父親はヴィルヘルム帝国の高官。隠棲の後に、娼舘の女主人を娶り、老境にして双子を産ませ、跡継ぎとしたという過去のために、子供の頃はかなり陰口を叩かれた。もっとも、そのころからほとばしる才能への嫉妬のためであったにすぎないが。
 フレイは帝都クラクフで一番と謳われた娼婦であった母親に似ている。
 感情は激しやすいが、気持ちのいい人物で、人を惹き付ける。
 バルバドス主義者鎮圧の際の功績で一軍をそのまま持つに至った。マシュ・マック討伐戦の後、ジェーシェフ(陳留)に基盤を作ってから飛躍的に力を付けた。
 ラドム(官渡)の戦いでフェンサーに奇跡的な勝利を収め、中原を征したが、ケルンを追うようにしてカルクベーレとの決戦に引き擦り込まれたブダペスト会戦では敗戦。自らの片割れであるイシスを失う。
 マリーを得てようやく落ち着く。
 タレントとしてギアスのような人に命令をする力を持つ。

□“双頭輪”イシス・ミスラ(曹操2)      
 曹操の知謀側面を体現する。フレイの双子の弟。銀英伝のキルヒアイスであり、常にフレイの傍にいて行動をともにする。
 父親に似て背が高く、整った容貌をしている。物静かな青年だが、密かに“開叡帝”ノーシスを失ったジブリールとは愛をはぐくんでいたようである。
 タレントとして人の持つ能力の伸びしろを見る力を持つ。
 志し半ばでケルン&カルクベーレ連合軍とのブダペスト会戦にてフレイの身代わりとなって死亡する。
 討ち取ったのはフレイが自分の幕下に置きたがっていた最強の部将ダンテであり、これによってダンテとフレイとは相容れぬ仲となるのであった。
 
□“翠眸児”サターン・ネロス(孫権)
 カルクベーレ(呉)盟主。ウラヌス(孫堅)の人材活用能力を多分に引き継ぎ、カルクベーレを大国として華開かせた盟主。彼をもってネロス家三代は盤石の礎を築いた。
 ただし、自分が常に君主として君臨せねばならぬという自尊心の塊でもあり、ともすれば無理な行動をしがちであった。
 
□“轟雷”アモン・デュール(呂布)       
 物語中単騎では最強の武人。巨大な鉾を片手で振り回し、弓は一度に2、3人を貫くという巨人。ベリアルとも対等以上に戦うことの出来る唯一の人間でもある。
 性格は自由奔放であり、底はかとない器も持っているが、気まぐれで自分勝手。部下のことを考えるようなわずらわしいことはしない。
 プリム(陳宮)という軍師を手にしてケルンを破り、二人のミスラを苦しめ、快進撃をつづけたが、内政官には恵まれず、戦を好んだがゆえに根拠地を転々と変えた。そのうちにプリムの言うことも聞かなくなり、最終的にはフレイとケルンによって斬首された。
 
□“悪来”アイン・ソフ(典韋)        
 どうしようもない荒くれ者で、十歳の時からすでに人を殺していた。普段は気がいいが、大酒のみで、酒乱。水滸伝の黒旋風李逵。
 不器用で、女に弱い。
 イシスではなく、自分の力量を認めてくれたフレイに忠誠を誓い、彼とともに乱世終結を実現させようと、酒を断って近衛兵として常にフレイの近くにいた。
 “打虎将”アレス・マーズ(張繍)と軍師の“鬼才軍師”アレン・ノス(賈ク)が反乱を起こしたときにフレイを守って、全身針鼠になりながらも双刃長斧を振って戦い、戦死した。
 

<<<<< 第2話 >>>>>

■エロディ・クルエル
 字名はない。鉄騎匠でトシロウ(馬謖)の師匠。
 ハルカーニの南の外れの丘の麓に工房を構える。
 外観に関してはベラルーシのJulia Evgenovaがモデル。
 生き生きとした蒼い瞳が印象に残る金髪の女性で、長い手足がスラッとして美しく顔だけが幼い感じに見える魅力的な女性。
 ザガン・リンツ(黄忠)やペーチュ伯マルセル・ヴァザルリ(伊籍)とは知己で、過去の経歴は不明。妹にジェマ・クルエルがいるが、物語の始まりの時点で彼女の旦那ともどもすでに亡くなっている。

■“月光牙”デメテル・ティアー(甘寧)
 自ら真紅の大鎌を駆る魔女。魔道具の蒐集家で真紅の鉄騎『ラウム』を駆る。
 戦略に関しても一家言あるが、普段は大言壮語しない。
 聖暦396年に西部沿岸地方から流れてハンガリーに来た。当初はザーン・クルセイド(袁術・劉表)に仕官して、エロディらと親交を結んだが、ザーンを見限ってガーティーの方のきな臭い地域に移動し、そのまま面白そうなネプト(孫策)に仕えることとなった。
 398年の“吸血王”ガードナー・マーフィー(厳白虎)討伐戦のときに“白面郎”マナス・レイ(周瑜)と共に戦い、ネプト・ネロス(孫策)    のお気に入りになる。ハンガリーから西部沿岸を早期に取るり、北のミスラの勢力との対峙体制である2国分立を取るように進言し、カスマリム・ナビア(張昭)らと論戦になった。ネプトがなくなった後もサターン(孫権)に仕えるようになり、ブダペスト会戦ではワケン・シュタイン(曹仁)を押さえて窮地に陥るも結果敗退させている。
 以後、ミスラに対する絶対的な押さえとして活躍している。
 サターン(孫権)に「ミスラには“賦戴天”とゲメトレイがいるが、私には“月光牙”とラウムがいる」と言わさせた。
 ケルン(劉備)がカルクベーレ侵攻する際には「飽きた」といって死んだことにして隠棲しているが、これは旧友であるトシロウ(馬謖)らと争いたくはないという意思であると思われる。

□“魔道始祖”テオ・ポエア         
 ベリアルを創造した三賢者の一人。
 ゴーレム製作のスペシャリスト。乱世の始まりに心を痛め、ベリアルに命を吹き込んだ。

□“造型匠”トルフィット         
 ベリアルを創造した三賢者の一人。類いまれなるドワーフのゴーレム製作者。ゲメトレイやラウムも彼の手によるもの。

□“預言者”マラキ            
 ベリアルを創造した三賢者の一人。エルフではあるが、数代にわたる治世の乱れとともに乱世と暗黒時代到来を予言し、種族を越えてベリアル製作を提言した中心的人物。
 
□“碧眼龍”フェンサー・クルセイド(袁紹)   
 名門に生まれた偉丈夫。容姿に秀で、将来の宰相とも嘱望されていた。今回の大乱にあってはマシュ・マック(董卓)に対する義軍を編成し、その大将として見事に采配を振るうが、名門故か、美味しいところでことを打ち切り、爪が甘い点があるが、唯一の欠点。
 親族を中心とした人事を組み、各地の長官には血族を配した。その他の武将はすべて彼らの補佐役に徹せざるを得ない立場であることが、最終的に彼が二人のミスラに破れた所以か。弟のザーンとともに、クラクフを南北に挟撃する体制をとっておきながらも、病に倒れている。
 なお、病はザーン(袁術・劉表)が差し向けた暗殺者によると陰ながら言われている。
 
□“紅髪虎”ザーン・クルセイド(袁術・劉表)   
 名門のクルセイド家にあって後方支援を得意とする官僚型の人間。自らのカリスマ性のなさを自覚してはいるが、自らがクルセイド家の頭領になるという野望の火は消すことが出来ず、ミスラとの決戦にあたって兄への援助を遅らせた。
 ほんの些細な遅れであったが、結果としてフェンサーは破れ、戦の怪我から病をすることに。頭領にはなれたが、有意の人材は流出し、結果としてクルセイド家の没落を招いた。起死回生の手としてアモン(呂布)と手を結び、ケルンらも迎え入れるが、結果としてミスラにたたきつぶされそうになり、病を発し、ケルンに自らの自領を譲ることとなった。
 息子は前妻の息子のディランとジャチント・チェンティー協会騎士団長の妹である後妻の息子のレオナルドの二人。

□“金猛犬”ジャチント・チェンティー(祭帽)
  ザーンの武将で、ザーンの後妻の兄。教会騎士団長で水軍も統べる。
 ケルンをブダペストを乗っ取りにきた盗賊のように考えており、暗殺を再三試みる。
 噛みつくと死んでもはなさない猛犬のような男で、実戦にでれば勇猛であるが、普段は後方で指揮をとってでてこない。感情がすぐ顔にでるタイプの人間。
 結局ケルンがブダペストをヴァル・キュリウスの策謀によってとるが、攻めてきた二人のミスラに内応し、彼らがブダ側へと戦略的撤退をせねばならないようにした。
 かくて二人のミスラの戦鉾はフレイの勢いに乗って、そのままサターンへと主の交代したばかりのブカレストへと向かうであろうことを危惧したサターンをヴァル・キュリウスが説き伏せて、二人のミスラとケルン・ネロス連合軍が戦うブダ・ペスト会戦へと向かうのであった。

□“真眼天王”イダム・ケルビム(劉焉) 
 三大皇家の一つケルビム家の当主。
 バルバドス主義者の乱の時はケルンらを自軍に加えて乗り切り、マシュ・マックにうまく取り入り、恩賞として天府の地であるリエナ侯として赴任した。
 配下には忠臣もおり、ゾハール・クラレンス(張松)も配下であった。高齢ゆえ、野心はあったものの息子にすべてを託そうとした。
 同族であるケルンは利用しても、国を乗っ取る可能性があるので注意するよう、死ぬ間際に言い残している。
 
□“錦馬将”レヴィー・アタン(馬超)
 若き勇将。美丈夫である。きまじめな性格。
 ベルリンの騎馬民族を率いてミスラに対して反乱を起こしたが、快進撃もヴロツワフでアレン・ノス(賈ク)に食い止められ、結果フレウ・レティー(韓遂・馬岱)に勧められて、ケルンを頼ってアルカディアに落ち延びた。
 アルカディアではレグルスに匹敵すると喜ばれ、一軍を率いた。後にベルリンに帰って西方の発展に勤める。

□“師人”ログ・ジエル    
 リヴォフを根拠地とした教会騎士の騎士団長。
 ただし、教義は教会の正義を強くうちだしたもので、乱世における鉄槌としての役割を自分らに課していた。
 民に恩恵を施し、軍を整え、独自の勢力を持つに至ったが、そこには新選組のような危険なストイックさの影が見える。
 フレイに臣従する素振りを見せ、手始めにポーランドを狙うが、ケルンらにいい口実を与えただけに終わった。狂信者の一軍にはケルンらも手を焼かされる。
 『少女と鉄の鬼』の次の話で始原の鉄騎を巡ってトシロウらと絡む予定。
 
□“飛燕”ディアッカ・サマーラント    
 “青牛角”の後を継いで義勇軍と名乗る軍を率いる群雄の一人。アモンにさんざんにうち破られて逃れ、後にもセンツァルと呼応しつつフェンサーに対峙しようとしたが、伝令がフェンサーに捕らえられ叶わなかった。
 フェンサーが二人のミスラに破れた後は、獣人族を中心とした公称十万の軍を率いてミスラに降り、オルシュチンより北方の守りとして残された。
 センツァルとの親交があったため、アルカディアがバルカンに攻め込んできたときには援軍を送らず、ケルンに帰順している。
 
□“大頭領”ネプト・ネロス(孫策)
 勇猛果敢で戦においては常に先頭で奮戦し、部下に絶大なる信頼感を抱かせる武人の鏡。
 ネロス家の基盤となるザグレブを落とし、周囲の名士の信望を得てカルクベーレを建国した。
 しかし、彼もまた吸血王との対決を望み、結果マナスらとともに封印するも、直後に仲の悪かったオラディア(江夏)伯ガーティ・ボガートに領土侵犯を名目に強襲され、重傷を負った。折しも吸血王の影響もあって奇跡的に回復していく自らの体を見て、後事を弟に託し命を絶った。

□“白面麒”マナス・レイ(周瑜) 
 武人にして軍師、半吸血鬼で壮絶なほどの白面美顔の偉丈夫。ネプトの義兄弟であり、彼の死後は弟のサターンを君主として支える。
 スロベニアの名門レイ家の隠された妾腹の子であるが、正妻の子として表面上は育てられた。跡取りであり、若いころから、カルクベーレにマナスあり、とまで言われる英雄となったが、サターンにその才を嫉まれる結果となった。
 二人のミスラとのブダ・ペスト会戦に劇的な勝利を収めるが、以前からの魔道の使いすぎによって早逝した。
 
□“虎鬚将”ウラヌス・ネロス(孫堅)  
 猛虎と謳われる臨海州の英雄で、大胆な行動力と有効な人材活用に恵まれた人物。帝国への忠誠心は強く、地方豪族でしかなかった彼だが、武将集団を抱え、ザーン・クルセイドの後ろ盾を得て、各地を転戦した。白銀に光り輝く鎧を身に付け、赤頭巾を被り、腰には古錠刀をさげ、乗騎は斑のたてがみと謳われる。
 マシュ・マックの乱の当時には反乱の火の手が上がっていたマラド周辺を鎮圧し、マラド侯として治めていた。
 マラド侯としてマシュ・マック討伐戦に参加し、先陣を任された。帰還中に若きメフィスト・フェネス(龐統)と出会い、その才能を見抜く。
 ベオグラードに帰った後、吸血王封印に失敗。息子たちにはブタペストのザーンを頼るように言ってあった。生死は不明である。
 虎鬚。ネプトとサターンの父。
 
□“吸血王”ガードナー・マーフィー(厳白虎) 
 シギショアラで恐怖政治をもって君臨したとされる吸血鬼。
 封印しに来たウラヌスを殺し、その子であるネプトと半吸血鬼のマナス・レイに封印された。
  
□“居師匠”マルティン・ビター
 人物鑑定家としても名高き放浪しない吟遊詩人。
 二人のミスラを見て、兄のフレイは『治世の奸臣、乱世の英雄』と評し、弟のイシスは『治世の能臣、乱世の奸雄』と評した。
 その時代その時代には108人の星将とそれを補佐する無数の亜星がいるという説を唱えた。
 
 
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□“牛刀”ズウィナー・フォルス(何進)
 孤児院にいたジブリールを自分の妹だと称して後宮に送り込み、皇帝の寵姫となったため権勢を得た末端貴族。領地が食用の牛肉を主産業としていたため肉屋と揶揄された。頭が良く、大鉈を振るうこともしばしば。
 バルバドスの大乱当時の皇都クラクフ守護の大将軍。各地に“青竜牙”アシュフォード・ギル(皇甫嵩)や“白虎爪”ゼルド・ガル(朱儁)、“清望君”シェバ・シェキル(廬植)らを派遣し、鎮圧に努めた。 
 しかし、最後は宰相ネルフェン(張譲)と組んだ教会勢力に殺害されている。
 
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■“白眉医”ゼロ・ゼンメルワイス(馬良)
 普段はエロジジイ。ブダペストのセーチェーニ温泉に診療所を構える優秀な医師。
 よく優秀な医師の存在は洗浄にも必須であるとざーん・クルセイドの頃から駆り出された。
 病でなくなる事が多い世界なので、アルカディアの諸将が創建で統一に向かったのは彼の存在なしでは語れない。南方平定にも医師の観点から重要な役割を果たしている。
 白眉最も良しと言われる。
 
□“飛龍”アルフォンス・クルセイド(袁尚)  
 容貌も立派な若きクルセイドの後継者。自身はグレイ(袁譚)に家督を譲るように考えていたため、フェンサー(袁紹)の期待を受けきれず、クルセイド家臣の内部分裂を招いた。
 将軍としてはグレイ以上でセンツァル討伐戦には軍を率いてこれを落としている。しかし、根本的に優しすぎて、家臣切り捨てができずに、結局はまとめきれず、ラドムでの決戦で死にかけている。
 
□“青面龍”グレイ・クルセイド(袁譚)     
 フェンサーの長男。将としては有能であり、クルセイド家の後継者として有望視されていたが、顔にある青痣のために容貌において弟に劣るがためにフェンサーからは好かれていなかった。ゆえにフェンサーと別行動をとって軍を率いることが多かった。
 フェンサーがラドムでの決戦に敗れたときもザーンとの連絡役に徹して別動部隊を率いていたが、ザーンの対応の悪さから呼応できずに終わり、ベルラーシへと流れていった。
 妻は美貌で知られ、アルフォンスは実らぬ恋に苦悩していたらしい。
 
□“美髯虎”マカン・ガダンガン(陶謙)
 “青竜牙”アシュフォード・ギル(皇甫嵩)とともに西の蛮族の鎮圧した老雄。中央の宴席で“慈眼導師”ネルフェン・ガイスト(張譲)を罵倒し、辺境に飛ばされた。その後、バルバドスの反乱の際にその才を買われてモルドバ(徐州)の領主として着任。親分肌で配下には荒くれ者が多かった。病で弱った際、管轄内でミスラの父が殺され、ミスラに攻められる。ケルンらに救援を仰ぎ、そのまま駐屯してもらう。最後はケルンにモルドバ(徐州)を譲って亡くなった。
 
 
<<<<< 第5話 >>>>>
 
■“星帥”ケルン・ネフィリム(劉備)   
 大風呂敷を広げがちな本編主人公。
 表情が豊かで、人物的な魅力と大きな器を持ち、仁の心を合せ持つ。出会う人物は瞳の奥の深遠なる魅力に引かれるという得な才能を持つ人物。西暦399年のときの字は“天星眼”。
 皇帝の血筋であり、傍系として北に滅んだはずのネフィリム家の最後の生き残りでもある。反乱を目論んだ罪で三大皇家のネフィリム家は滅ぼされたが、後にこれはこれは次期皇帝の皇位継承問題に絡んだ教会勢力の陰謀であったことが明らかになって新皇帝は正式にネフィリム家の罪を不問に帰している。
 仁侠の親分的であり、「これだ! 戦わずして敵を押さえる王者の風格がぁ!」とダンテ(関羽)やメフィスト(龐統)に言わさせる精神的器のでかさがある。
 双剣の使い手で、精悍。戦士として弱いわけではない。
 「青竜の伝説」の葵豹馬がモデル。
 
■“破天公”ボルガスト・ダンテ(関羽)
 巨人体型のがっちりした男で、ほぼ戦士としては無敵を誇ったりするが、恐るべきはその洞察力と頭の回転の速さで、武将としては超一流。ケルンの度量に惚れて、義妹のミシェルとともに義のためにたつ。身長は195cm、体重99kgの偉丈夫でルドルフ・フォン・ゴールデンバウムと一緒。
 『攻殻機動隊」のバトーがモデル。
 “天槍”と呼ばれる人物を破ったことからこう呼ばれるようになった。
 その身には悪魔を宿すといい、たまにタガが外れる。
 ケルンからはダンテ。ミシェルからは兄貴と呼ばれる。
 後半はハンガリーをアルカディアのために死守する。

■“飛天使”ミシェル・フォルス(張飛)
 世界再建の鍵を握る鉄騎『ベリアル』を駆る少女。
 美少女らしい外見に似合わず、男勝りの性格で、ダンテにくっついている。身軽さが売りだが、鉄騎『ベリアル』を用いると、百万の軍勢をも打ち倒すと言われる。
 アルカディア建国戦の時はダンテと離れ、メフィストとともに奮戦。目覚ましい働きを見せている。
 外観はえなこ(https://www.instagram.com/enakorin/?hl=ja)で赤っぽい金髪です。
 
■“鷲眼軍師”ゴート・セラフィム(徐庶)
 ヴィシェグラード(新野)でケルンの最初の軍師となった。鷲を常に肩の上に乗せている。
 茫々として好色。酒が大好きで、それが元でクラクフの方にいられなくなって、酔興先生のところに流れてきたらしい。
 当初は偽名でジークムント・セラフィムと名乗っていた。
 軍師としては三番手の印象を受けるが、戦術においてはヴァルやメフィストを上回る能力を発揮する。それというのも、彼が酔興先生のところで学んだ魔道は鷲の視覚を得ることのみであったが、それを戦場の状況把握に彼が活用することを思いついたからである。
 ヴァルが仕官する切掛けは彼が紹介したことによる。
 二人のミスラに反間の計をかけられ、皇都クラクフにおびき出されるが、ヴァルらの作戦によって母共々救出された。
 防衛のためにアルカディア建国戦の時はブダペストに駐在。要であるブダペストを含んだハンガリーの半分を維持した彼の功績は統一への大きな足掛かりとなった。
 
■スニーク・ケーク(簡雍)
 元バルバドスの部隊長でバルバドスの乱の際にケルンに降り、義勇軍の部隊長としてケルンの下で剣を振るってもいた。当初は常識人としてケルンの相談役としても活躍。
 人柄が良く、弁舌もたったため、タット・ケルビム(劉璋)を下す際の使者としてたち、降伏させている。
 
□“百勝将” フォラス・ベゾア(顔良)     
 フェンサー配下の二枚看板の武将のうちの一人。
 巨大な槍矛を振るう勇猛果敢な人物で清廉潔白。エリゴール(文醜)とは義兄弟で双子の姉を妻にした。
 ラドムの決戦で二人のミスラに身を寄せていたダンテ(関羽)に投降を呼びかけようとして斬り殺された。
 
□“蒼天目”エリゴール・ゾス(文醜)   
 フェンサー配下の二枚看板の武将のうちの一人。
 巨大な鎚矛を振るう騎士。フォラス(顔良)とは義兄弟で、双子の妹を妻にした。
 金勘定にうるさく、クルセイド家によるヴィルヘルムの安定がもたらされた後、隠棲して高利貸しをやって命のやりとりをしない生活を望んでいた。
 ラドムの戦いで戦死している。
 
 
<<<<< 第6話 >>>>>
 
■ハル・ボーガン(鄧芝)
 ヴィルヘルム帝国中興の功臣の子孫。ヴィシェグラード(新野)の行政官。有能な人物で弩の部隊を率いる。質素倹約に努めて私腹を肥やそうとせず、顕官にありながら妻子にひもじい思いをさせてしまうほど。
 ザーンの配下としてケルンとうまくやってはいるが、人たらしなケルンに警戒感をもっている。ザーン亡きあとはケルンに従って、最終的には重職を重ねている。
 
■ティラミス・エペル(孫乾)
 マカン・ガダンガン(陶謙)のあとをついでモルドバ(徐州)の領主となったときに文官としてケルンの下に付き、以後付き従っている。
 元来はモルドバの名士で小作人は1万人を超えていた。弟に家を譲り、ケルンについてきている。小説書きで、ケルンの伝記や資料を作りたいのだと。かなりの趣味人で分厚い眼鏡をかけた女性。
 誠意あふれる人柄で、好きな人は好きだというオタクタイプ。
 
■“神算禿”アルカイ・トガリーニ(張世平・糜竺)
 ケルンが護衛をしていた貿易の豪商。彼らの出陣に当たって資金を用意、以後も彼らに付き従い、後方任務を確実にこなした達人。毒舌。
 見かけは欲深な禿げの親父で見栄えはよくないが、付き合ってみれば最高の隣人である。
 軍師のいなかったケルンには良き相談役として当初活躍。ブダペストを根拠地にした後はそこを中心にして交易をおおいに発達させた。
 ヴィシェグラードに移動した際に美人の娘ネーネが付いてきている。ケルンの妻の座を狙うために。長女の名前はユーユ。

■“牛獅子”シムル・ブーネ(周倉)
 バルバドスの名を語る野盗の頭として登場。実際、グラシャとつながっていたので、嘘ではない。ケルンとダンテとミシェルが出会う際の敵として初出。
 後にミスラのもとに向かうダンテに拾われて、その配下として忠誠を捧げることになる30男。体格はよく、獅子のように勇敢で、牛刀のようなシャムシールを操る。
 怪力で足も速く、疲れて走れない自分の馬を担いで走ったとも言われる。
 
■“昴”レグルス・クラレンス(趙雲)     
 出自不詳の乞食の少年。まだ若いゾハール・クラレンス(張松)に面倒を見てもらうことが多かった。ゾハールから姓をもらい、以来、そうなのっている。
 少年時代のモデルは「蒼穹の昴」の春児。
 少年の頃、ケルンに危ないところを救われた(ミシェルがベリアルを手にする話参照)。成長して槍を持てば天下無双の青年に成長し、ケルンの幕下に加わることとなる。出生は不明だが、義に厚く、人柄は朗らか。
 センツァルの配下であったときに、フェンサー・クルセイドの鉄騎を単身で打ち破っている。

□“白馬郎”センツァル・ディザン(公孫讚)
 オルシュチン出身の英雄。若き日にオルシュチン伯の娘を娶り、将来を嘱望され上京。ワルシャワでは悪友のケルンとともにシェバ・シェキル(廬植)のもとで学んだ。
 マック・マッシュ討伐戦の後は故郷に帰り、足場を固め、オルシュチンを堅牢な要塞都市と変えて、騎兵を中心とした兵団を組み上げた。
 その過程で、人徳の人と呼ばれた皇弟コデシュ・ノウス(劉虞)を自らが行動を起こさずに周囲に流されるだけの人と見なして不仲となり、諌軍を起こしたコデシュを逆に撃破、勢いに乗って、港を得た。
 そのためにフェンサーとのオルシュチン防衛戦の際、コデシュに恩を受けたレライエの獣人部隊に城門を破られて滅ぼされてしまう。
 
□“星羅嬢”セイレーン・バルザック(掬義)
 フェンサー(袁紹)の鉄騎の乗り。乗る鉄騎はメフィスト。黒髪の美しい女性。ワルシャワの守護鉄騎であったが、バルバドスの大乱の際にアモンに負けて下り、その配下となる。アモン亡きあとは“醜軍馬”レグナーン・グラディス(韓馥・楊奉)の武将であったが、裏切ってフェンサーについた。“白馬郎”センツァル・ディザン(公孫瓚)とフェンサーの戦いで散々に撃破。オルシュチンの籠城戦では兵糧が尽き、逆に撃破されている。心が優しすぎたため、センツァル軍に出向いていた少年のような“昴”レグルス・クラレンス(趙雲)に討ち取られた。
 
 
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■ヨーゼフ・ハヴェルカ(呂曠)
 双子の将ハヴェルカ兄弟の兄。
 ワケン・シュタインの命でヴィシェグラード攻略の先鋒として1万の兵で向かったが、対ベリアル戦で連環馬・旋風の陣をエメーラの介入によって破られ、ミシェルのベリアルに討たれている。
 
■カレル・ハヴェルカ(呂翔)
 双子の将ハヴェルカ兄弟の弟。
 ワケン・シュタインの命でヴィシェグラード攻略の先鋒として向かったが、対ベリアルの戦いの最中に割って入ったエメーラの乗る鉄騎シャックスによって討ち取られた。
 
□“舞霊武”ミラー
 ヴィルヘルム帝国中興の英雄“輝光帝”の二十八将の一人。
 七尺宝剣を預かり、西征を指揮した。
 帝都クラクフに亡霊となって残っており、ミシェルに剣術を教え込んだ。
 ミシェルいわくエロ爺さんの霊。

□“酔興”アンブローズ・ヴァレンシュタイン(司馬徽)
 ブダペストの“酔興”先生。名前は物語中には殆ど出てこないが、“魔天狼”テシウス・ヴァレンシュタインとは同族。
 魔導書の蒐集家でその知識は随一。
 弟子を多くとって育てている。ヴァル・キュリウス(諸葛亮)やメフィスト・フェネス(龐統)はそのうちの二人。
 結界を張り隠棲されているため、常人が会うことは叶わないが、ケルンは騎竜のおかげで結界内に入ることが出来、ジャチントの魔の手から逃れることが出来た。
 
□“白龍”ヴァル・キュリウス(諸葛亮)   
 不出世の軍師。物事を把握する能力が異常に高い。だから一度読んだ本、一度聞いたことを覚えている。普段は女であることを隠している。
 ケルンの招聘に応じて乱世終結のために身を乗り出したことになっているが、実は女性であることをケルンに見られてしまい、しぶしぶ応じたという裏がある。
 “酔興”先生に師事し、魔道は習熟しているが、修得してはいないという変わり種。その政治能力は登場人物中随一。軍師としては戦略に強く、戦術には疎い。
 女性であるため、本領を発揮するのは、軍事よりも内政。
 彼女を得てからケルンは流転の生活から成功への道を歩み始める。
 
 
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■“雷天剣”ワケン・シュタイン(曹仁)
 シュタインの末弟。
 マシュ・マック討伐の追撃に失敗したとき、二人のミスラを一人で救い出した。
 ミスラ配下では最強の将軍であるはずだが、新野のケルンとゴートには戦力差にも関わらず負けてしまっている。
 
■“三思活羅”カーフ・ダグラス(李典)
 非常に慎重な性格であり、はやる上役を抑えようとする役割が多い良将。戦闘よりも兵站などの後衛を得意とする。ラドムの戦いのときに兵站担当としてミスラの軍に加わる。
 アルフォンス・クルセイドの北伐時にウォレフ(程昱)とともに水路からの兵糧輸送をしていたが、ズボレンのワケンのもとに派遣されている。

■トンヌラ・サマルトリア(張南)
 野盗の棟梁でウォーハンマー使い。
 ハンガリー南部の叛乱の際に鉄騎シャックスによって鎮圧され、マルセルのもとで更生。
 エメーラからはトンチンカンと呼ばれる3人衆の一人。
 
■サトチー・パパス(馮習)
 元薬師の毒使いで、強盗宿の女将。
 ハンガリー南部の叛乱の際に鉄騎シャックスによって鎮圧され、マルセルのもとで更生。
 エメーラからはトンチンカンと呼ばれる3人衆の一人。
 
■アベル・カンタス(傅とう)
 十字鉾のアベルと呼ばれた槍使い。
 ハンガリー南部の叛乱の際に鉄騎シャックスによって鎮圧され、マルセルのもとで更生。
 エメーラからはトンチンカンと呼ばれる3人衆の一人。
 
■“鉄血臣”エデン・ブライネ(蒯良)
 穏健な性格でブライネ兄弟の弟。
 ザーンがハンガリーに赴任したときに周辺諸侯で従わないものをどうするか相談した際、「仁愛と信義をもって人民を労わり、信頼を得てから宴席を催して相手を呼び出し、応じないものに順次対応しましょう」と進言した。
 ケルンに帰順後はダンテのもとで政治を取り仕切り、ハンガリーの安定に勤めた。
 
■ダニー・チェアマン(霍峻)
 もともとはザーン・クルセイドの武将で黒色騎士団副団長。ロッド・モラックス戦死後、黒色騎士団をひきいてケルンに従う。
 トシロウを呼びだし、エデンとともにベレメンドの反乱勢力を苦労しつつ鎮圧した。
 弓が得意で、嘘か否かを見抜く目を持つ。
 
□“智闘蛇”ミハエル・ブライネ(蒯越)
 最初はズウィナー・フォルス(何進)に仕え、教会勢力の掃討を進言したが容れられなかった。
 ザーンがハンガリーに来たときからザーンの謀臣になる。
 苛烈な性格で智謀と実行力があり、ジャチントと組む。
 ザーンの質問には「まずは相手の利益になるような権利を認めた上で、従わないものの中から一番大きなものをジャチント様に攻め滅ぼしていただきましょう。その後に残りの者を安撫すれば全土が収まりましょう」と答えた。
 ブダ・ペスト会戦時にミスラに下っている。
 
 
<<<<< 第9話 >>>>>
 
■カサンドラ・ハンフリーズ
 ベレメンドの町長の娘で鉄騎ヴァラクの乗り手。
 霊の匂いをかぐことができるタレントを持つ。
 ハンガリー南方の反乱鎮圧後にロレインと結婚した。
 ケルン配下として再生したヴァラクを使い、ハンガリー南方の守りを固めた。
 
■ヒース・ロレイン
 帝都で魔道の塾頭も勤めていた実力あ魔道士。
 魔菜の塊である粋素技術の復活を実現し、トシロウらとアルカディアを影から支えた。
 ハンガリー南方の叛乱鎮圧後にカサンドラと結婚している。
 
■“魔天狼”テシウス・ヴァレンシュタイン(司馬懿)
 藍衣の男と出てきている敵の正体。ミスラから聡明すぎて不気味だと別働で動くよう言われてハンガリーへ工作要因として送られる。
 優秀な8兄弟のうちで最も聡明と言われ、組織というものを作ったり、動かしたりするのに長じている。
「戦争が戦争を育てるのだ。百姓らも農地を焼かれてしまえば、兵になるしかなろう」
 ハンガリー南部の動乱から離反を画策。
 見るものに漠然とした不安を与える瞳を持つ。
 不安に駆られた人間に甘言を与え手懐ける。
 
■“金牛公主”ツグミ(牛金)
 ハイエルフの少女。
 勝ち気な性格で自信家。モデルはエヴァンゲリオンのアスカ・ラングレー。
 人牛型の鉄騎カイムを駆る。
 
■“赫風天”ハウル・ロック(張嶷)
 人付き合いの嫌いなドワーフの魔物狩人。野外活動の知識は深く、重力大刀を用いた竜殺しの実力者。
 顔には大きく斜めに横切る傷。胸には髑髏のマーク。
 エロディやマルセルとは古き友で、エロディ亡き後はトシロウとエメーラの保護者として付き従った。
 魔境と呼ばれるギリシアまでのアルカディアの南征では大活躍をした。
 
 
<<<<< 第10話 >>>>>
 
■“煌夜月”マルセル・ヴァザルリ(伊籍)
 ペーチュ伯でエロディの佳い人であった。
 現在の奥様との間にすでに子供あり。
 穏やかな人柄で、有能な文官。ザーン・クルセイド(袁術・劉表)陣営にあってケルン(劉備)に味方をした。
 ジャチント(蔡瑁)の策略により殺されかけたケルンに窮地を知らせて逃したことがある。そのためケルンはマルセルの手紙の文字の書き方を知っていた。
 
 
<<<<< 第11話 >>>>>
 
■“黒華蛇”サリー・モートン(蘇飛)
 黒髪長髪の槍使いの女性。オラディアの南門を守る。もともとデメテルと仲が良く、彼女がガーティーの元を去る際に口添えしている。オラディアがカルクベーレ領となる際にはデメテルの懇願によりサターン・ネロスに仕えることとなっている。
 
■“独角竜”ガーティー・ボガード(黄祖)
 ザーン配下の老武将で、オラディア(江夏)候。気性が激しく、領土侵犯の名目で、領土問題でもめているネプト家にダメージを与えるためザーンに無断で、吸血王封印後で疲れ果てているネプトらを強襲。重傷を負わせた。
 これによってカルクベーレとは不倶戴天の仇敵となり、結果サターン(孫権)の代にほろぼされ、オラディアはカルクベーレ領となった。
 
□始軍師”ラレス・フロイト       
 “聖武帝”アイオーンの軍師。悪逆非道な皇帝の暗殺に失敗し、逃亡していたところをアイオーンに拾われた。すべての軍師の模範となった人物で、彼がいたがゆえにヴィルヘルム帝国ができたといって過言ではない。

□ゲオルグ・コール(韓玄)
 ルーマニア州の最西端アラド(長沙)伯。
 都市建築オタクで美しい街づくりに興味がある。兄はミスラに仕えており、離反をそそのかされた。街道の整備も好きだったので、トシロウたちが移動するのに大変恩恵を得ている。
 バイコン・ラジャス(魏延)という名将を配下に持つ。
 ケルンに帰順後は領内の街道整備に活躍した。
 
 
<<<<< 第12話 >>>>>
 
■“白兜虎”ローラ・バコール(呂公)
 猫耳のある白髪の獣人女性。鉤爪で戦う肉弾派の女性。オラディアの東門を守る。
 スポッティア(武陵)の獣人ジャック・ギャバン(金旋)とは同族。
 
■ディラン・クルセイド(劉琦)
 ザーン・クルセイドの長男。長身で赤毛。ジャチント・チェンティーの策謀で殺されそうになり、ケルンに相談。ケルンがロッド・モラックスへと話を振ったため、ディランはブダペストの難を逃れ、オラディアのガーティー預かりとなって一軍を率いている。
 トシロウらに紹介はされなかったが、その見送りには参加している。
 
■“一丈青”ナディア・ヴァンタール(凌統)
 双子の姉メディナが、オラディアのガーティー配下にデメテルがいた頃に鉄騎戦を戦って鉄騎クランプスの中で死亡したことで恨んでいる。姉の跡をついでクランプスの乗り手に。
 菁虹剣の使い手。
 オラディア攻略戦のときにデメテルに救われ、ガーティーを討つデメテルに二心はないことを確認して、旧怨を捨てて良き戦友となった。
 
 
<<<<< 第13話 >>>>>
 
■“娘夜叉”ミランダ・ベイ(歩騭)
 メガネを掛けたちんまりした可愛い女の子。アホ毛があって頬が赤い。その活発な精神活動のおかげで物事の習得が早く鉄騎の整備ができる。
 外観からは想像できないほど頭がよく周り、デメテルやナディアの鉄騎の整備のためクルージュ(寿春)に駐屯している。後に量産型鉄騎の実験をしたがっていたトシロウを参加させてサロニカ(交阯)平定などをやってのけた。
 口が悪い。慢性睡眠不足なのでどこでもすぐに寝られる。
 
■“黒先鋒”ロッド・モラックス(紀霊)
  ザーンの部将。帝都からケルン(劉備)とアモン(呂布)討伐の命令が下され、気の進まないザーンに形式的にも軍を出さねばならないと諫めて軍を出した。マシュ・マック討伐戦の時にケルンの人柄を認めており、ケルンを攻めつつも、本意でないことを知らせ、ケルンを迎え入れる準備があることを伝えた。
 武将としては突撃を得意とし、いつでも死地に赴けるように黒一色の軍装を自軍に施していた。そのために戦術に柔軟さがかけ、破れることもしばしばあった。
 
 
<<<<< 第15話 >>>>>
 
■“古箒星(こそうせい)”エナ・ネフィリム(劉封)
 幼い頃に両親を失いヴィシェグラードの養父母に不幸を撒き散らしつつ転々と預けられていたが、成長して女性ながら武将としての能力を開花させた。ケルンが気に入って配下にと望んだ女性武将。不幸をもたらすなんて迷信だと笑い飛ばして。
 女性ながらも広い視野と柔軟な肢体を持ち、本気ではないにしてもダンテとも互角に渡り合った。
 不幸をもたらすと養父母から恐れられ、ケルンに押し付けられる。妾にという話であったが、ケルンは自分の性を与え、妹ということにした。
 ロッド・モラックスのもとで騎士団の従騎士から経験を積むよう回されている。ケルンなりに優しい配慮であったようだが、ベレメンド討伐の際にはロッドが命を落とす原因にもなっている。

■“獅子吼”ニコラ・フィアット(張郃)
 はじめ“醜軍馬”レグナーン・グラディス(韓馥)に仕え、破れてフェンサー・クルセイド(袁紹)のもとに。ラドムの戦いでミスラに下った。
 軍略も戦術もしっかりした名将で、後年のミスラ軍を支える。
 
□ジャック・ギャバン(金旋)
 西北に位置しセルビア州の北にあるスポティッツァ(武陵)の獣人領主。
 ヴィルヘルム帝国の聖武帝に後事を託された獣人(金日磾)の子孫。
 配下の同族の獣人ロビン・フォックス(鞏志)に裏切られ城門前で射殺される。ロビン・フォックス(鞏志)が領主に。
 
□クリスティアン・ブリュック(趙範)
 音楽家で争いは好まないティミショアラ(桂陽)の領主。
 配下のミレル・コドレア(鮑隆)は一度に二頭の虎を射たことのある猟師。弩の使い手で両手利き。
 アンドレイ・ムトゥ(陳応)は銛のような投擲具の飛叉の使い手で元猟師。
 クリスティアン・ブリュック(趙範)は領主にとどまる。
 
□ラッセル・ウォレス(劉度)
 最も南と表記されるハンガリー州南部でセルビア州のベオグラード(零陵)領主。
 高齢領主で息子のフレッド・ウォレス(劉賢)とともに治めている。
 配下には守護鉄騎ジェイソンを駆るパメラ・マスタング(邢道栄)がいる。
 
□パメラ・マスタング(邢道栄)
 ベオグラードの守護鉄騎ジェイソンを駆る。
 仮面をかぶり、チェンソーのような武器を持つ鉄騎。
 ケルンらのハンガリー州南部征圧の際にアシュラに負ける。
 破壊された鉄騎はトシロウが再生していくので、結局はケルン配下になり、ハンガリー州南の守護を受け持ち安定させる形になった。
 
□“三面六臂”パティスト・ベルナドット(李厳)
 オイシュク(白帝)伯。ザーン・クルセイド(袁術・劉表)により官吏を歴任したが、その元を離れ、タット・ケルビム(劉璋)の配下となって州境であり、突出した場所にあるオイシュク(白帝)の伯爵となった。有能な人物で文武両道。
 ただし、クリエムヒルト(陳震)に「パティストは腹に棘をもっているため、郷里の者でも近付きません」と評されている。ハンガリー州南部の反乱を見て見ぬ振りしたのも、彼なりの処世術であった。
 
□クリエムヒルト・グートルーネ(陳震)
 フェンサーの謀臣の一人として登場。眼差しの厳しい誠実な高齢女性。王女様の家庭教師またはロッテンマイヤーさん的な雰囲気がある。フェンサーに身を寄せていたケルンと仲良くなり、ミスラに身を寄せていたダンテとの連絡役を引き受けている。ケルンがフェンサーの元を離れ、ケルンがザーンに身を寄せた頃はフェンサーのためネロス家のカルクベーレと同盟の交渉に出ている。その後ネロス家とは決裂。フェンサー滅亡の後はケルンを頼って身を寄せている。老いてなお誠実で慎ましくあった。