「SPICE LAB TOKYO(スパイスラボ東京)」@銀座(☆彡)
https://spicelabtokyo.com/

 銀座の街に出現したモダンインディアンキュイジーヌ。

 インドから招聘した若手シェフによる現代料理やインドの伝統的な料理とスパイスの妙の融合系。

 考え抜かれた料理の構成の感銘を受けるが、ややそちらが走りすぎている感じもします。傑出した味わいの皿もあるので、全ての皿がそうなっていけばミシュランで星を取るのも遠くない魅力的なお店でした。

  
住所:中央区銀座6-4-3 GICROS GINZA GEMS 10F
電話:03-6274-6821
定休:年中無休
営業:11時半〜15時/17時半〜22時半
 

 GICROS GINZA GEMS ビルの10階。

 エレベーターを降りると黒い仕切り。
 右を見れば暗い空間にダウンライトの素敵なお店です。まさにデートのためにあるかのような。
 出迎えるのは階段状に4段並んだスパイスの数々。カウンターに置かれた緑も美しい。

 外が見える奥のボックステーブルに案内していただきました。

 テーブル上には金色で絵が描かれた緑の皿。

 

22年5月1日夜の来訪。

 大学時代からの親友カップルが再開発のため春日のビル内に引っ越ししたお祝いに訪問してこちらに。

 

インクレディブルスパイス 3−6月 15800円
 インターネットで申し込みです。
 
寺院【Offering | 揚げもの】パンチャームリタの驚き 季節の果物のチャート
 成功や幸運を祈願して天上に捧げる食事をテーマにした最初の一皿。最初のワンスプーンです。

 黒いスプーンが皿ではなくクッションの上に。
 球体スープです。
 アーユルヴェーダで使われてきた奇跡のオイルであるギー、蜂蜜、ヨーグルトからなるラッシーのようなそれはパンチャームリタというアーユルヴェーダの聖なる飲み物らしい。それにバジルの香りをつけたものを球体にしているようです。ギーはバターオイルの一種の乳脂肪分で、無塩発酵バターを煮詰めて、水分やタンパク質、糖分などを取り除いた高純度のオイルとのこと。
 上にはキウィやオレンジ、ピンクグレープフルーツなどの甘いフルーツ。

 

旬【Spring | 春】ひよこ豆粉のインド風パンケーキをサラダに仕立てて 季節の野菜を様々なスタイルで
 食生活に多様性を与えてくれる季節・旬に感謝を込めた一皿。旬の料理ですね。

 フレンチの前菜と同じように平たい丸皿に飾っています。
 中心になっているのはドクラ。菜食料理が発達しているグジャラートの料理で、フカフカのひよこ豆粉で作られた蒸しパンのようです。
 独特のスパイス使いです。
 一緒に添えられているのは芽キャベツのマリネや生に近い細いアスパラ。
 ピューレは黄色っぽいのがフルーツであるタマリンドのチャツネ、緑はミントのチャツネです。
 白いのはホワイトアスパラのピューレで、食べると意外に泡状でやはりスパイスが香ります。
 

 プレートの上に2種類のクルチャ。生成小麦にチーズなどの具材を入れてタンドール窯で焼いたものだそうです。バターのクルチャとチーズのクルチャでどちらも美味しい。
 
街路【Pride | 誇り】伝統的で日常的なサモサを SLT のスタイルで チーズソースとハリッサのアクセント
 各地域のストリートフードからのインスピレーションによる一皿。インドの伝統的料理の新解釈料理といったところでしょうか。

 置かれているのはカラリと揚がっているチーズのサモサ。ジャガイモ、コンテチーズ、グリンピースなどが具に入っていました。
 横にはチーズのソースで、中央にはチュニジア生まれの万能調味料ハリッサ。

 

海岸線【Bay | 湾】サクラマスを滑らかな口溶けに調理して ホタルイカとフルーツトマトのタルタル ラッサムと共に
 乳製品や西ベンガル産のマスタードやシーフードなどインドを囲むベンガル湾、アラビア海、インド洋の3つの湾岸エリアの豊穣を祝した一皿。シーフードです。

 メインとなっているのは桜鱒。そしてその上に乗っているのはホタルイカ。
 フェンネルシード、パクチーの若芽、ターメリックのチリパウダー、白胡麻。南インドのトマトと黒胡椒とグローヴ、エシャロット、ディルなどが上のソースとしてホタルイカとともに乗っています。
 浸かっているのは胡椒辛いがトマトソースに近いチリソース。
 ただ、正直なところ、ホタルイカは生臭さが気になりました。このあたり、シェフと感覚が違うのか。

 

現代【Modern | 最先端】和牛シャトーブリアンの低温調理 ザクロのチャツネとマイクロリーフのサラダ
 シェフの経験や学習による世界各地の料理を取り入れた現代的なインド料理。

 低温調理の和牛肉。シャトーブリアンというのは後でメニューを見て気が付きましたが、さすがの肉質でした。スパイスが穏やかに効き、塩分はなく感じました。
 横にザクロのソース。
 マイクロリーフには細切りの甘くないりんごのようなものが。なんだったのだろう。

 

浄化【Cleanser | 洗浄】キウイフルーツのグラニテ
 インドの伝統医学アーユルヴェーダから着想した一皿。早い話が口直しです。

 スターアニスとキウイのグラニテ。酸味があり、さっぱりしていました。

 

農村【Tradition | 伝統】ふきのとう香る筍を竹筒で蒸しあげて シャクティマサラと日本の伝統のコンビネーション
 すでに失われていた竹筒を使った農村での料理法の再発見の一品。竹筒料理は毎回コースに出るのでしょうか?

 入り口をナンの生地のようなもので覆って蒸したようです。

 出されたのは筍の蒸し物。インドらしいカレー的なソース。後味がとても良い。
 ソースはフキノトウとマコモ茸を使っているようです。

 

海岸線【Bay | 湾】甘鯛の松笠焼き 桜エビをゴアスタイルのカレーソースにして
 ここでまたシーフードです。

 愛媛県産甘鯛の松笠焼き。インド料理屋さんで甘鯛のこの焼き方が出るとは思っていませんでした。
 つけるのは干しエビとカレーのソース。
 サイドにはズッキーニ、人参、万願寺とうがらし、スナップエンドウのグリルです。

 

王族【Emperor | 皇帝】ララ マトン しっとりとローストしたラムチョップと刺激的なラム・キーマのソース 甘酸っぱい苺と
 かつてのインドの王族が最も高価な食材を用いて作った宴の料理のシェフ流の再現。

 骨付き仔羊のローストです。肉自体はややレア目な日のとおりで、これが文句のつけようがなく美味い!!
 下にはミンチで仕上げたキーマカレーにイチゴのソース。
 やはり、良い素材の持ち味を引き出している皿は好きだなぁ。

 

家庭【Comfort | 安息】蛤とシラス 春菊のビリヤニ カリー・ライタ・ダル マッカニ
 愛すべき家庭的な一皿。

 シラスと蛤のビリヤニ。長粒米で作られた土鍋の炊き込みご飯のようです。

 これが結構たっぷりあり、姐さんは持ち帰りをお願いしていました。
 具はしらすとはまぐり。
 つけるのは3種のカレー。手前からあずき、ヨーグルト、一番マイルドなトマトと野菜のカレーソース。
 
祝祭【Celebration | 祝い】マスカルポーネのパルフェとタピオカのパヤッサム 季節の柑橘と山葵の泡を添えて
 締めの一皿はデザート。

 ココナツとマスカルポーネチーズのセミフレッド。牛乳で煮たタピオカのスイーツのパヤッサム。レモングラスでマリネしたフルーツのコンポートです。
 上の泡は山葵の泡。
 

 親友カップルにはお祝いのプレート。
 生姜と抹茶のチョコレートです。

 

シグネチャー 紅茶orコーヒー

 コーヒーは意外にスパイスが効いていない普通のものでした。
 紅茶は?と思って姐さんに聞いたが普通だよという。飲んでみたらバリバリシナモンが効いているじゃないですか!w
 

 頂いたのはノンアルコールのスパークリング。
 ジョエア・オーガニック・スパークリング・シャルドネ。
 フランスの新進気鋭のワイナリードメーヌ・ピエール・シャヴァンとエノテカで共同開発したものとのこと。
 りんごのような香りで素晴らしく美味しい。エノテカ・オンラインで取り寄せ出来るので記録しているときに2本買ってしまった。
 
 それにアラン・ミリアの白ぶどうジュース。
 
 記録をつけていくと、改めてこのお店の良さを実感できます。
 ただ、今の味だと、純粋に美味しさを体験できる「タンドールバル カマルプール」@木場や「インドゥ」@横浜元町の方に通ってしまうかなぁ。

 

SPICE LAB TOKYOフレンチ / 銀座駅日比谷駅有楽町駅
夜総合点★★★☆☆ 3.5