星になったポン
ポンはあるお店で半飼いされていた猫だった。お店をたたむにあたり、ポンは残された。
私が行ったとき、ポンは4匹の子猫を連れていた。
蚊がブンブン、ジメジメした資材置き場にポンはいた。子猫を守るため、「シャー」と威嚇はしても、私がなでるとすぐにスリスリゴロゴロ。ひどい状態だった。ポンは呼吸をするたびヒューヒューゼーゼー・・明らかに風邪を引いている。
子猫もだ。
でも、5匹はつれて帰れない・・・・
まず子猫を2匹連れ帰り、里親探し。いつもの通り、ノミ・ダニを駆除し、お腹の虫下し。まだまだ里親探しの術を知らず、四苦八苦してた頃だった。猫が縁で知り合ったAさんに相談したら、子猫を2匹、引き取ってくださるという。
いつもいつもAさんには助けて頂いてた。「病気」という私を暖かく笑って受け止めてくださった、それはそれは優しい方。「私も同じ気持ちよ」って、いつもいつも助けてくれた。
次はポンを含む3匹!
ケージを持ってポンのところへ。
蓋を開けたとたん・・・
まるで、待ってたように。
助けてというように。
ポンと2匹の子猫はケージに入ってきたのだ。
せつない。まだ、この子達に未来は見えないのに。
ポンは、不妊手術をして、元の場所に戻すつもりだったから。
退院の時の先生の一言・・・
「また元の場所に戻せば、この子はもう長くないな」
カミナリが落ちた気がした。
案の定・・・
「きたね~な、捨てっちまえよ」 と、夫。
イヤだよ、死んじゃうんだよ!それをわかってて置いて来れますか?!
洗脳しました。それから毎日毎日。
「ポンはエライね、どんな苦労をしてきたの?」
「たくさん食べなさい。今まで食べれなかった分、たくさん食べていいんだよ」
「もう、誰もいじわるしないよ。だってポンは本当に沢山苦労してきたんだから」
etc・・・etc・・・
だってね、お水を替えようとするだけで、食器を持ち上げただけで
打たれると思って逃げるんだよ・・・
きっと、きっと、そんな風に疎まれ、追われてきたんだよ。
いいじゃない、これからは家にいたってさ。
だからポンにご飯を、水をあげるときは上からあげてはいけないの。
下のほうからソッとね・・・
子猫には里親が見つかりました。
でも、きっとポンはむつかしい。
慢性の肺炎。そして、ポンは耳が聞こえなかった。
ポンと呼ばれていたことは後に知りました。
もうじき羊にへんし~ん
年に1度、ゆりだけ私がチョキチョキ散髪する。
洋猫の血が入っているのか、長いんです、毛が。そのせいか、ベロも長くできている・・・神様はうまくお作りになるものだ。
ペロペロお手入れしやすく、毛が長い分、ベロも長いのだな。
しかし、ゆりちゃんは病気のせいで大きくなれず、体も硬い。
非常に硬く、殆ど自分のペロでお手入れが出来ないのだ。
だから猫特有の、バレリーナのように足を高ーく上げるポーズなんて見たことない。
もちろん、うん○などが出てくるところまで、ペロが届かない・・・。
背中も、シッポにも届かない。
だから、ゆりの毛づくろいは変わってる。
床にコテーと寝転び、(よく寝転ぶ時、ゴンって音がするんですけど。だ・大丈夫なのか、ゆりちゃん)
体を左右に揺すりながら、ペロペロ。 アゴの下辺りまでしか届かないんですけど・・・
一所懸命、ペロペロ。
だから、すこ~しお手伝い。
ペロが楽になるように。暖かくなったら、カットします。
長毛のゆりちゃんをカットすると・・・
なぜか、なぜか、直毛だったはずなのに
くるくる天パーみたいになって
どうにも私には 「羊」 に見えてしまうんです・・・
去年のゆりちゃん。
さぁ!もうじき羊に変身よっ
愛娘?
なぜか夫は、さくらがお気に入り。
どんなに遅く帰宅しても、必ず彼女の姿を探す。
(ソッと足音をしのばせ、近づき耳を澄ますと・・・)
「そうでしゅか、いたでしゅかしょこに」
訳: そうですか、いたんですね、そこに
「ぷにっ、ぷにっ、ぷにっ」
訳: ・・・・・(妻とて、わからぬこともある)
日課です、彼の唯一家で行う仕事。
さくらは・・・我慢しています。(不憫な・・・)
確実にわかるのは夫は生粋の S だということです。
まだまだ彼のSっぷりは止まらない。
嫌がれば嫌がるほど・・・
ごめ~ん、私も S かも