ジャニーズ事務所の終焉に感じる日本の危機 | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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奇しくも、ジャニーズ事務所の終焉と、1ドル=150円の円安という日本経済の岐路を同時に目の当たりにして、感じる事があったので書き残しておきたい。

 

創業1962年、設立1975年、50年に渡って日本の歌謡シーンにおける男性アイドルというジャンルで歴史を作ってきたジャニーズ事務所が、「故ジャニー喜多川氏による性加害問題」の暴露により実質的に廃業することとなった。

 

所属タレントは今後もエージェント契約によって活動を続けていくことになるだろうが、「ジャニーズ」とう名称は歴史の闇に葬られるだろう。

 

この「ジャニーズ性加害事件」は人権問題として取り上げられており、言われるような「性加害」というものが実際にあったのだろうということは、今に始まった話でもないが、疑う余地はなく、それは明らかに非難されるべきことかもしれないが、メディアも企業も、NHKも、政府ですらも、今に至るまでその事に目をつぶって確実にカネになるジャニーズタレントを起用し続けてきた。

 

これをジャニーズ事務所のみの問題としてジャニーズを過去に葬ることで忘れてしまおうという話なのだろうか?

 

安倍さんが殺害されて、安倍さんがやってきたことが闇に葬られるのと似てないでもない気がする。

 

巷では、BBCによって暴露され、国際的にも逃げ場を失った「ジャニーズ事件」の黒幕が噂されたりしているが、もはやそれもどうでも良いことだ。

 

ただ、ひとつ言えることは、我々日本国民は、SMAPのような国民的アイドルを生み出してきたドル箱のジャニーズ事務所という会社を結果として闇に葬り去り、都合の悪い事を忘れようとしているということだ。

 

他国の陰謀的な可能性はさておき、ジャニーズ事務所の歴史を振り返ってみると、その喪失による日本の政治的、経済的な損失は大きいといわざるを得ない。

 

フォーリブスに始まり、郷ひろみ、田原俊彦、近藤真彦、80年代のシブがき隊、少年隊、光GENJI、男闘呼組、90年代には忍者、SMAP、TOKIO、V6、KinKi Kids、嵐、ジャニーズJr.を輩出、2000年以降もタッキー&翼、NEWS、関ジャニ∞、KATーTUN、Hey!Sey!JUMP、2010年代には、Kis-My-Ft2、A.B,C-Z、NYC、Sexy-Zone、ジャニーズWEST、King & Prince、2020年以降になってもSnow Man、SixTONES、なにわ男子、Travis Japanなどがデビューしている。 

 

特に90年以降になって、テレビでジャニーズを見ない日はないと言って良いくらい我々はジャニーズに毒されていた。

 

個人的には、今までも何故世の中はジャニーズタレントばかりなのか?疑問に思っていたが、それは純粋にジャニーズタレントを使っておけばカネになったからに過ぎないようだ。

 

もちろん、ジャニーズ事務所がいちばん儲かったのだろうが、関係者は50年近くにわたってその甘い汁を吸うことができた訳だから立派なビジネスモデルだったと言えよう。

 

どのような理由にせよ、本来ならば国家的資産であり、韓国的にみれば戦略的なツールでもあった、日本固有の、しかもカネになるコンテンツを生み出し続けた自動販売機たるジャニーズ事務所の崩壊と喪失は、制御不能な円安の進行とあいまって、日本の経済の終焉を予言しているかのようで不気味だ。

 

ある意味、日本の経済というものは、ジャニーズ事務所のようなものだったのかもしれない。

 

国民が、(性被害ではないが)ある種の国家的ハラスメントに耐えて昭和の時代に経済を成長させてきたものが、その実態をめくっていったら、都合の悪いことが止めどもなく溢れだし、一瞬でその価値が消滅してしまう・・・というようなことが起こってもおかしくはない。