フタリノ、キョリ10 | Four Seasons

Four Seasons

ス/キ/ップ/ビートの2次創作になります。


翌日、蓮は今まで休んだ分を取り戻すべく早めにスタジオ入りした。
当然絡みの多いキョーコも一緒である。
その次に多い奏江もほぼ同じ時間に入った。

「おはようござます、敦賀さん。身体は大丈夫ですか?」
「琴南さん、ごめんね、こんな時間から」
「いえ、二日間もお休みいただけましたし・・・割と有効的な休みになりましたし」
「そう?ならいいんだけど」


昼過ぎには貴島、その他の出演者、スタッフも入りいつも通りの賑わいになった。

「よ~色男、もういいのか?」

そんな軽口で蓮の方を軽く叩いた。

「ああ、すまないね。もうすっかり良くなったからこれから取り戻すよ」
「あさってなんだけど夜あいてるかい?」
「あさって?何?」
「敦賀君の快気祝いという名の飲み会」
「そんなのいいのに・・・というか俺病み上がりなんだけど・・・」
「まぁ酒はほどほどに。ついでにいうと監督が半分出資金だしてくれる」
「・・・もう決まってるわけだ。面子は?」
「若手はほぼ全員」
「了解。撮影の後そのまま直行?」
「そうなるかな」


それならキョーコも断るわけにもいかないわけで。
当然奏江もいく。
帰宅してからその話題に終始した。

「その日はタクシーで琴南さんのマンションに行って泊めてもらう?それとも遠回りしてうちに帰ってきてももちろんいいけど」
「モー子さんにも誘われたんですけど・・・・・・」
「けど?」
「・・・・モー子さん教えてくれないんですけど、付き合っている人がいてその人のところで一緒に暮らしてるみたいで・・・」
「同棲?」
「・・・ですねぇ」
「へぇ・・・ちょっと意外かも・・・」
「この前もお世話になっちゃったので、あさってはこっちに戻ってきますよ」
「うん、わかった」

なにげない相槌だけど蓮は相当喜んでいる。
以前なら絶対に「誰かにうっかりばれたらどうするんですか!?」と、まくし立てて誰かの家に避難していたはずだ。
それが蓮のところに戻ってくるというのだ。にやけた顔はそう簡単に戻らない。


が、そんなにやけ顔が大魔王になるには充分な快気祝いになった。


貴島が言ったとおり若手はスタッフマネージャー含めてほぼ全員来ておりかなりの人数になっていた。
店はTV関係者御用達の飲み屋で大人数でも個室まではいかなくてもついたてがしてあるためおいそれとのぞくことはできないようになっている。

が、よりにもよって座る場所が最悪だ。
どんなずるがしこい手を使ったのか、貴島はきっちりキョーコの隣を陣取っていて、奏江も離れてしまっている。


「まずいな」
ぼそっと社が言った。
「最悪ですよ」
蓮が答えた。
「最悪なのはお前の顔だ。なんとかしろ」
「・・・・・・・・・・・・・」





続く




15話では全く終わりそうにない。
せめて20話までに・・・!!←いつものこと