雨靴1号・2号 ―コレクターのための雨靴調達方法― | shoesaddictのブログ

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米国古靴に関するブログです

タイトルの通り雨靴のお話。
と言いますのも、異動に伴い通勤時の徒歩移動が増えたことに加えて、広範囲に水溜りが出来る箇所を通過せねばならなくなったため、雨天時の靴選びが悩みの種となっていたからです。

靴好きとしては、雨が降るとモチベーションの低下は不可避。
グッドイヤーウェルト製法の靴は出し縫いの糸が雨水を吸い上げて、インソールの脇から靴内を湿らせます。
かといって、個人的にラバーの半張りは好みではありませんし、中途半端な雨靴は履きたくありません。
また、クローゼット整理のためにコレクションの放出を進めるなか、新たな雨靴を購入するのも如何なものかと。

今回は、そんな私のソリューションをご参考までに(決して褒められたものではありませんが)。



先ずは、私の新たな雨用の靴をご覧ください。
このブログをご覧になって下さっている方なら見覚えのある2足かもしれません。



向かって左がFlorsheim Imperial QualityのKenmoor 、右側がDack'sのアンテロープ製ホールカット です。
一見何の変哲もないヴィンテージシューズですが、実はソールを雨用に張り替えています。



Kenmoorはコマンドソールを選択。
コマンド仕様で愛用しているALDEN639 で、このソールの雨天耐性やグリップ力に魅せられました。
コマンドのパターンのおかげで、出し縫い部分は常に地面より1cm弱浮いているため、相当な豪雨でもない限り雨水吸い上げの問題とは無縁。
出し縫い内側に収まるコマンドパターンの凸凹が、着用時に相手から視認されにくいのもポイント高です

オールソールは、なおけんたさんの推奨する大阪のBONTAさんにお願いしました。
前評判に違わず、良心的な価格で細やかなリペアをして下さいました。



靴好きの心理を分かって下さっていると感じたのが、ヒールのこの厚み。
コマンドソールへのオールソール(ダブル)で、ここまで重厚感のある仕上がりは初めてです。
Kenmoorの持ち味を最大限引き出して下さったと感謝しています。



合わせてインソールによるサイズ調整もお願いしました。
このメニュー、後から加工した感が見て取れると嫌だという思いから避けていたのですが、甲部分の浮きが気になっていたため思い切ってこの機会にトライしてみました。
上写真の通り極めてナチュラルな仕上がりに大満足です。


もう一足のDack'sに関しては、前々から気になっていたリッジウェイソールへ衣替え。
ダイナイトソール同様にイギリスのHarboro Rubber社が製造を手掛けるラバーソールですね。
リッジウェイとはずばり「あぜ道」ですから雨靴には持って来い。
足を優しく包み込んでくれるホールカットの良さを活かそうと、コマンドソールよりも履き心地がソフトなこのソールを選んでみました。
因みに、灰汁が強めのこのパターンは、1930年代には完成していたそうです。


若干費用は掛かりましたが、これだけのクオリティの雨靴を新規購入するのに比べたら安いものです。
既に着用していたものですので、履き下ろし後に履き皺の入り方が気に入らずローテ落ちするという心配もありません。

以上、既に多くのコレクションをお持ちの方にはお勧めの雨靴調達方法をご紹介致しました。