ネタばれ注意!本誌ACT196(1/5発売)の関連妄想です!
未読の方、コミックス派の方はバックプリーズ!!
にも初提出とさせていただきました!
長くなりましたがやっと完結です!
(アメンバーの方はもう少しおつきあいくださいね~)
これまでのお話
ACT196妄想-20.3-
←アメンバー限定(読まなくてもストーリーに影響なし)
ACT196妄想-21-最終話
「…兄さん」
「なんだ?」
2人の会話はいまだベッドの中で。
起きてはいたが、カインがセツカの腰から手をはなさずシーツの中で愛しい妹を抱きしめて朝のけだるさを楽しんでいるようだった。
「いい加減離して。起きて出かける準備しなきゃ…」
セツカはカインの手を払いのけようとするが、がっちりと絡まった腕はセツカの腕力では外すことは叶わず仕方なくカインに訴えかけていた。
「…もう少し」
後ろから抱きしめる体勢でいたカインはまるで当然というように、セツカの髪や首筋にキスを落とす。
「何?」
「何って…いつもしているだろう?挨拶のキスくらい」
咎めるような、セツカの声にしれっと返ってくる答え。
いつそんな設定をつくったんですか!?とセツカの中のキョーコは内心狼狽えたが、芝居続行中のため心のままのリアクションは取れないでいる。
でも降り注ぐキスの雨を心地よいと穏やかな気持ちでキョーコは自然と受け入れていた。
しかしそれはそれ、これはこれ。
身をよじってカインに向き直ると、怒ったような拗ねたような顔をしたセツカが、これでいいでしょ!とばかりにちゅっとカインの唇に口付けた。
「…もうっ、兄さんがアタシ大好きなのは知ってるわ!とにかく早く朝食に支度させて!」
仕方ないと言わんばかりの表情でしぶしぶカインが腕を緩めかくたが、セツカの言葉に緩みかけた檻の扉はそこでストップした。
「お願いだから離して、兄さん」
「・・・・・・・・」
目をそらしたまま動こうとしないカインにセツカがいぶかしげな顔をしていたが、その反応には覚えがあった。都合が悪いことを言い出せないような…
「・・・兄さん、アタシ最低でもパンとサラダって言ったわよね?」
「・・・・・・・」
沈黙にセツカの表情が険しくなる。
「…まさか、昨日買い物に出て何も買ってこなかったわけ?」
室内に目を走らせても、買い物したと思わしき袋などは見当たらない。
責めるようなセツカの視線に、カインはそらした目を閉じシーツを被りなおそうとしていた。
「腹は減ってない。俺はお前がいればそれでいい」
「・・・・もう、わかったわ。昨夜兄さんが外に出たのは買い物を忘れるくらいアタシのことで悩んでたって事ね」
さらりと言われた内容に、今度はカインの動きが止まった。ふっと、セツカを見て微笑む表情は一瞬カインの表情ではなくなっていた。
緩んだ腕からやっと抜け出したセツカは、クローゼットを開け着替えを手にするとバスルームに直行した。
その後ろ姿を見て、カインの表情を剥がした蓮は複雑な微笑を浮かべセツカの消えたバスルームのドアを眺めていた。
「兄さんが良くてもアタシはちゃんと朝食は食べたいわ!撮影前に外食で許してあげるからさっさと支度して!」
先に着替えを終えたセツカがメイクを直している間に、カインも渋々バスルームに向かいざっとだけ身なりを整えた。
「行きましょ、兄さん」
いつも通りに胸元の露わなセツカのファッション。服の端から赤い痣が覗いている。
「セツ、もう少し肌が隠れた方がいいんじゃないか?」
「他人に知らしめるにはいいでしょ?見える方が」
どうして?と言わんばかりの表情で返した答えたセツカはカインに向かってにんまりと笑った。
「…アタシは兄さんのモノって」
振り返ったセツカは、カインの首筋に残る跡をさらりと撫でた。
「そして兄さんはアタシのモノ・・・でしょ?」
「そうだな、どこに居ても俺にはお前がいればそれでいい」
パタン・・・カチリ。
暗黙のルールが支配する部屋の鍵が閉まる。
2人にとってのルールはもうあっても無くても同じだった。
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本編は終了でございます!!(オマケの限定はもうちょっとかかります。)
最後が物足りない感があるかもしれませんが、私的にはこれで〆!
やっぱり兄さんは朝ごはんのおつかい忘れてましたねー。ダメっ子兄さん♪
お付き合いいただいてありがとうございました!