三鷹ストーカー殺人事件はこうすれば防げた!プロが教えるストーカー護身術その② |  超実戦護身術専門家、河合主水の”護身”ブログ

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では、前回の続きを。


警察や法律が役に立たないのであれば自己防衛しかない、それに尽きる。



前回の私の記したストーカー対策関連サイトを見て頂いてもわかるが、今一度、何をしていれば三鷹ストーカー事件を防ぐことが出来たのか、考えていきたい。



まず、覚えて頂きたいのはストーカーには主に二つあるという事である。


ひとつは今回の事件のような恋愛のもつれからのストーカー。

そしてもうひとつは会った事も無い、もしくは会ったとしても殆ど会話すらしていないが一方的な「恋愛感情=一目ぼれ等」から発生するストーキング行為である。



恋愛のもつれからのストーカーは急激に殺人等発展することが多い。それは「どれくらいお互いが深く関係しているかに比例して」くる。
性交渉を持ち深い関係ならば、それだけ簡単には離れられないからストーキング行為が急速に軽度から重度へ移行することになる。


逆に殆ど会話すらしたことが無いストーカーならば、まずは対象者=あなたとコンタクトを取るようになってくる。
あなたとコンタクトを取ることが第一歩だから、手紙を送ったり、メールを送ったり、直接通話したり、「花受け取って下さい!」とか、路上で偶然を装い「また、会いましたね」とか必死でコンタクトを試みるはずである。
この時点ではあなたに恨みは無いから(好意はあっても)軽度ストーカーと認定される。

あなたが拒否をしたり、申し出を断れば徐々に中度から重度に移行してくる。

だが、恋愛のもつれは、別れた時点で「恨みがある」から、軽度から中度への移行が急速である。
その上、今回の事件のように「着信拒否」などしたら、早い段階で重度ストーカーへと早変わりである。


私はストーカー対策サイト内でも散々書いてきた。

「急激な拒否反応は重度ストーカーを生む」と。三鷹ストーカー事件では正にそれを証明するかのように被害者が着信拒否を行っている。


まず、覚えておいて頂きたいのは、今回のような恋愛のもつれからのストーカーというものは「理由を求めたがっている」のだ。


「なぜ別れるのか」その理由である。


性交渉まで持ち、深い関係になった間柄なのになぜ別れるのか?ただなんとなくでは理解できない。相手=ストーカーも理解しない。

私は前回書いた。犯罪者の気持ちが理解できなければ自己防衛は出来ない、と。


まずは軽度ストーカーの段階でメールでも良いので対話の場を設けること。はっきり言えばメールで対話をしておけば直接上京して会いにくる必要も無いのである。
着信拒否を行えば、恨みが増幅するのは明らかである。


事実、メディアも伝えている。


電話後2分間で凶行 着信拒否、恨み増幅か

 東京都三鷹市で高校3年の鈴木沙彩さん(18)が刃物で切られて殺害された事件で、池永チャールストーマス容疑者(21)=殺人容疑などで送検=が鈴木さんを襲撃したのは、警視庁三鷹署員が鈴木さんに安否確認の電話を終えた直後の約2分間だったことが13日、捜査関係者への取材で分かった。捜査1課は池永容疑者が通話が終わるのを見計らい、強い殺意を持って犯行に及んだとみている。

 警視庁によると、三鷹署員が鈴木さんに電話をしたのは8日午後4時51分。安否確認や文書警告をするための段取りなどを確認し、同53分ごろに通話を終えた。

 池永容疑者は鈴木さんの自室のクローゼット内から、鈴木さんの電話が終わるのを待った上で部屋に出て、逃げ回る鈴木さんを追いかけてナイフで切り付けた。鈴木さんが自宅前の路上で血まみれの状態で倒れているのを通行人が見つけ、110番通報したのは同55分だった。


 鈴木さんが昨年9月ごろに池永容疑者と別れた後、池永容疑者本人の携帯電話を着信拒否にしていたことも判明。

池永容疑者は地元の後輩男性から携帯を借り、再び鈴木さんに連絡を取るようになったが、男性の携帯も6月に着信拒否にされており、連絡手段を繰り返し絶たれたことで、恨みを増幅させたとみられる。


 後輩男性は池永容疑者と一緒に9月27日に京都市から上京、数日後に戻った。池永容疑者が翌28日にナイフを購入したのを把握しているとみられ、捜査1課が事情を聴いている。



はっきり言う、着信拒否をしてはいけない!

あなたに別れたい意思があるのならば、徐々にゆっくりと別れていかなければならない。おもむろに「私別れる!バイバイ」では収まらない、そう物事は簡単ではないのである。


私にはそれができない!というのであれば始めから性交渉など持たないことだし、深い関係にならず、徐々に二人の関係を深めていけば、のちのち別れやすくなるのだ(私は恋多き女だ!と言う方は要注意かもしれないが)

とにかく、相手=ストーカーの気持ちを汲み取ってあげるのが最低限のルールである。ストーカーも人間である。初めから怪物だったわけではない。


相手を怪物化させるのもあなた次第なのである。


こういった配慮によって軽度ストーカーの段階で、犯罪の芽を摘むことが出来る。


今回の三鷹の件であれば、沙彩さんが着信拒否を行わず、しっかりと池永容疑者と向き合い、徐々に別れていけば問題は無かった。

池永容疑者と実際に会い(中度や重度ストーカーでない時に)、話し合い、自分の夢を語って、徐々に別れるための布石をひいておく。


会う場所はレストランなど人が多く、食事を取れるところが良い。


犯罪を犯す時、窃盗犯や強盗でもそうだが、食欲が関係している。食事をしていてお腹が満たされていれば、犯罪を行わない、ネガティブな感情になりにくいという統計が出ている。

逆にクローゼットに何時間も潜伏し、腹を減らした状態ならば精神的に追い詰められ気持ちはネガティブになってくる。そう、三鷹ストーカー殺害の状況である。


だから食事をして、気持ちを安定させ(相手の)、自身の将来を語り、相手に自分と言うものの存在を理解させる。

そこから「私、将来の夢に向かって頑張っていきたいんだ」「私、今、仕事(女優業)を優先していきたいの」「応援してくれる?」と逆に問いかける。

「応援するよ!」と言う答えが返ってくるだろう。

「応援してくれるなら私のこと見守ってくれる?」と言えば、「見守ってあげるよ!」と言ってくるはずである。

「私、物凄く忙しくなりそうだから、なかなか会えないかも知れないけどごめんね」と相手=ストーカーが原因で距離を取るのではないことを暗に匂わせておく(内心は相手が原因で距離を取るのだが)。

「いいよ、頑張ってね!」と言わせればこっちのものである。後はメールでのやり取りを繰り返し行っていくだけだ。


メールの返信に遅れれば「ごめん!今日レッスンがあってなかなかメールできなかったんだ」等フォローし、それを徐々に間隔を遅らせていく。

そして相手の気持ちを汲み取って徐々にコントロールしていく。


事実、私の所に来たストーカー被害の受講生が、私のアドバイスで切り抜けている。


それだけ、軽度ストーカーの際のコントロールが重要だと言うことなのだ。




次回は、重度ストーカーに移行してしまったら?を取り上げたいと思う。







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