帰宅後【1】 | 国内でMtF性別適合手術(SRS)を受けた、ちょっとした記録

国内でMtF性別適合手術(SRS)を受けた、ちょっとした記録

私はいわゆる性同一性障害(GID)のMtFです。2012年夏に例の手術を受けましたが、うまくいきませんでした。その情報提供が目的のブログです。

またまたお久しぶりです。
早くもお盆になってしまいましたねぇ。
私の住んでいる地域も毎日、灼熱地獄です。

私の手術したアノ部分ですが、以前と変わらず汚染水を
垂れ流し続けています。時には赤い血の色をしています。
自分の体に制御不能なモノを抱えてしまった悲しみ。
まるでメルトダウンした原子炉のように。
神さまに逆らった罰なんでしょうね。
でも、これからも逆らい続けます、死ぬまで。
ダイレーションで突つくこともないのに術後一年を超えて未だにこの状態ですので、傷口が自然に塞がることはもう無いのかもしれません。残念です。

さて、今日は術後、家に帰ってからのお話ですよ。


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帰宅し、鏡で患部を見て驚いた。想像していたのと、あまりにも違っていたからだ。
例えるならウインナーソーセージにとろけるチーズを乗せて加熱した感じ。つまり患部は黄色っぽい色に覆われていた。化膿したような、健全では無い感じだったのだ。
「これは大変」と医師に電話。すると「今あなたにできるのは拡張を頑張ることだけ。30ミリでガンガンやって」ということだった。

ガンガンやれと言われても…。この化膿した痛々しい患部にシリコン棒を入れたいとは誰も思わない。変態か何かの修行か、切腹か。ただでさえ恐ろしいダイレーションは、ますます苦痛になった。正直、私はたびたび泣いていた。ダイレーションの前にはしばらく考える時間が必要だった。それは2時間近くになることもあった。怖くて逃げたかった。好きな音楽をかけて「よし。頑張ろう!」と気持ちを盛り上げた。

シリコン棒は写真のものが全てだ。小さいのが太さ25ミリ。大きいのが33ミリ‥だったと思う。一番上の、先がギザギザしたものは医師がハサミで先を切って加工したものだ。これについては後日、また書こうと思う。

$国内でMtF性別適合手術(SRS)を受けた、ちょっとした記録

この頃から毎日患部の写真を撮るようになった。鏡で見ても見えにくい患部をきちんと観察するためだ。それは今までに700枚ぐらいになった。見れば見るほど気持ち悪い。これを書くために久々に写真を見たが、思わず「うわぁ~!」と目を覆ってしまうほどだ。右側の陰唇はわりと綺麗なのだが左がダメだ。縫い目はまるでくっついていないような感じで隙間が開いている。そしてその隙間はやはり、とろけるチーズ色をしている。縫合糸がちょろちょろ出ている。
 左の陰唇はかなり壊死したようで、皮を無理矢理引っ張ってその部分を覆って修復した痕跡がある。きちんと説明を受けたわけではないが、そう言えば医師がそのようなことを言っていた。「小陰唇が小さくなるが、その方が若々しくていい」と。今でも私はまったくそう思わない。形が変だ。

ネットで調べたところ、傷というものは乾燥させない方が良いらしい。乾燥を防ぐためには軟膏を塗る必要がある。クリニックで貰った「ゲンタシン軟膏」ではとても足りないと思った私は、薬局で「白色ワセリン500g」を買ってきて患部に塗ったくった。これのせいで私の患部はいつもワセリンでベトベトだった。洗濯機もトイレもお風呂もベトベト。携帯電話、パソコンもベトベト。ワセリン地獄だった。
さらに調べると、傷が治るには大量の蛋白質が必要なようだったのでプロテインを買って飲んだ。ビタミン剤もたくさん摂った。

これはちょっと余談かもしれないが、帰宅して間もなく排便困難に陥った。出てこない。どうも、力を入れても便は肛門とは違う横方向に押されて出ないような感じなのだ。たぶん直腸の横に空洞(人工膣)ができてしまったので、そっちの方向へ膨らんで押し出されてしまっている感じがした。
医師に電話で助けを求めると「そんなトコロは触っていないので手術とは関係ない」ようなことを言われた。そんなことはどうでもいいのだ。どうやったらこの苦痛から逃れられられるのか教えて欲しかった。よく山にトンネルを掘って近くの建物が地盤沈下で傾き因果関係があるとか無いとかニュースで言っているが、それを思い起こさずにはいられなかった。
結局、医師が「いちぢく浣腸は?」と教えてくれたので、翌朝買いに行くことにした。もう薬局は閉まっている時間だった。一晩中苦しんだ。トイレに行っても出そうで出ない。こんな状態で薬局まで行けるのか心配だった。

朝、浣腸を買いに行って試すと効果はテキメンだった。楽になった。いちじく浣腸のパワーはこんなにもすごいものだったのか!と感動し、感謝した。本当に、いちじく浣腸を神棚に祀って拝みたいぐらいの嬉しさだった。もう浣腸を二度とバカにしないから。


(2018年加筆:この排便困難な症状は今も続いています)
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それではみなさん。暑さに負けず頑張ってください。
また書きますね。