20000元を上げる約束をしたので、30万円を両替しました。

円高なので、21000元以上になります。新札で100元札が

100枚の束が2つ、ドラマで出てくる札束のような感じです。

それを小芳に渡すとすぐに銀行に振り込みに行きました。

振り込まれたことを電話で確認したようで、「ありがとうって

言ってた」と言っていました。


さて、今回お金をあげる際に私が出した条件、「このお金は、

貴女の彼氏である日本人からもらったという事をきちんと

母親に伝える事」ですが、これには私との交際を認めて

欲しいという思いもあることはありますが、もっと現実的な

狙いがありました。


ただ、約束だけして、そのまま知らん顔をされている可能性も

充分あります。というか、その可能性の方が高いかもしれません。

しかしそれはあくまで兄の話であって小芳はそうはいきません。

彼女自身、いつ母親に私の存在を告げるかずっと悩んで

いたのです。


今回はその背中を押す良い機会ではないかと思ったわけです。


現に今回の春節で小芳は帰郷するに当たり、日本酒とか

日本風のお土産を自分で買いそろえて持って帰って

行きました。さすがに兄も約束付きでお金を貰った以上は、

妹の意向に反して反対に回る訳には行かないだろうから、

少なくとも2対1の構図が出来るはずで、かなり話が

しやすくなったと思います。


ここで日本人的な発想としては、「金で釣った」という

良くないイメージが着きますが、少なくとも中国人は

そういうイメージは持ちません。お金を出す事は愛情表現の

一つの大きなファクターと考えられています。お金より

打算の無い愛が大事といった日本人的な美的感覚は

中国のような厳しい生活環境では通用しません。なので

日本人が金で娘を篭絡したという様な心配はないと

思っています。


もしもこのまま小芳と結婚なんて事になったら、私は

今回の10倍以上のお金を母親に渡す事になるでしょう。


そして、この記事の連載の最中に彼女は故郷から帰って

きました。予定では3月にはいってから帰ってくるはず

でしたが、早めたようです。


「ものすごく会いたかった~」とその日はずっと側を

離れませんでした。


そして母親の事を聞いてみました。すると「私の考えを

もう少しはっきりと聞きたいと言っていた。今はまだ時間が

無いけど、いずれは会ってみたいって」と言われました。


「時間が無い」というのは、例によって嘘な訳ですが、

気持ちの整理がつかないぐらいのニュアンスなのでしょう。

彼女はそのまま機嫌よく帰って来たと言うことは少なくとも

大反対をされたという事はないでしょう。年も言ったみたい

でしたし。私の干支を確認していましたので、ひょっとすると

40歳台半ばの母親と1周り違いで同じ干支かもしれないです。


どうにか母親に認知させるところまでは行ったみたいですが、

でもそれは私が20000元をあげたのが主原因では

ありませんでした。


「故郷では毎晩、貴方と小白が一緒に夢に出てきたんだよ!」

という小芳の想いが母親に通じたのだと思いました。


(完)