Ling Muのアジア旅コレクションを展示する「Ling Museum」。旅で訪れた順番にアジア・中東から一か国ずつ、その国のポップスのCDとカセットテープの数々を展示します。

 

★第十ニ回「シンガポール」

 訪問時期:1994年2月

 訪問地:シンガポール

 

左上:ディック・リー「The Mad Chinaman」…アジアのポップスがワールドマーケットで注目された恐らく最初の作品で大きな衝撃を受けた。初めて買ったCDでもある。

左中:ディック・リー「When I Play」…Mad Chinaman以前の作品のベスト集。

左下:ディック・リー「Asia Major」…日本、アジア、洋楽いろんな地域の音楽を楽しくアレンジ。

右上:ディック・リー「Orientalism」

右中:ディック・リー「The Year Of The Monkey」

右下:ディック・リー「北南西東」…英語中心のアルバムが多かった中で珍しい広東語アルバム

 

左上:ディック・リー「Singapop」

左中:ハンプバック・オーク「Ghostfather」…曲の合間にエレキギターで「幽霊」を感じさせる演出が面白い。

左下:ミライ(未來)「未來」…英、中、日の三か国語で歌う三人組アイドル。今はそのうち一人オリビア・オンがソロ活動中。

右上:オムニバス「Let's Celebrate」…建国を祝い、代表的アーティスト達を集めて作られたアルバム。聴きやすい英語ポップス。

   収録アーティスト…アンジェリーヌ・コン、クリス・ホー、クレメント・チョウ、ディック・リー、ギャニー、ヘリテイジ、ジャシンタ、マイズーラ、ワンシムス・プリンシパル、オーバーヘッド、シドニー・タン、エドガーズ・フォールト

右中:オムニバス「破岩石・破岩時」…現地で購入した地元シンガポールの中国語ロックバンドのオムニバスアルバム。

   収録アーティスト…ライトハウス、乱党、マッシュルーム、鉄釘(ティエディン)、ジーザス

右下:クリス・ホー「Nite Songs in Day Glo」…このアーティストも好き。ファンキーな雰囲気ながらラジオDJもやってるだけあって、この人の英語が一番渋くてきれい。

 

(Ling Muコメント)

・シンガポールのポップスはいわゆる洋楽とあまり変わらない英語ポップスと、主に中華圏向けに発信される中国語ポップスに二分される。各民族はそれぞれのルーツの国の音楽を好んで聴く。

 

・いろいろな民族エッセンスを融合した「シンガポールの音楽」を作ったディック・リーは革命的存在だったが、結局先にも後にもこうした感じの音楽は生まれなかった。だからこそ唯一無二の貴重なものをこの国の現代音楽史に刻んだと言える。アジアのポップスがこれまで「旅で訪れた現地で聴こえていた音楽」だったのが「ワールドミュージックの一翼」を担うまでになった衝撃は大きく、あの頃いつも聴いていた。

 

・中華圏の中国語ポップスを歌うアーティストの中にはシンガポール人も時々いる。キット・チャン(陳潔儀)、ステファニー・スン(孫燕姿)、ターニャ・チュア(蔡健雅)、メイビス・ヒー(許美静)等が有名。もちろん本国でも親しまれているが、「シンガポールの」というよりやはり中華圏のポップスであり、中国大陸の人も、台湾の人も、香港の人も特に国で区別して聴いているわけではない。

 

・春節等お祝いになると、シンガポール等東南アジアのチャイナタウンではご当地独特の正月ソングや演歌っぽい歌謡曲があちこちで流される。これらは正に地元の音楽かもしれない。出身はシンガポールだったり、マレーシアだったり、いろいろ。

 

次回はインドを訪ねます。