Ling Muのアジア旅コレクションを展示する「Ling Museum」。旅で訪れた順番にアジア・中東から一か国ずつ、その国のポップスのCDとカセットテープの数々を展示します。

 

★第十六回「ラオス」

 訪問時期:1996年2月

 訪問地:ビエンチャン、シエンクアン、バンビエン

 

左上:アレクサンドラ「Dream」…従来ちょっと田舎臭かったラオスポップスを都会的に聴きやすくした第一人者。日本留学経験もあって、日本でのASEANイベントではよくラオス代表で出演。間奏の時にバイオリン生演奏もするスタイルは素敵。

左中:アウェイク「Awake」…今時ラオスのポップスグループ。うん、今風になってきたね。

左下:オーバーダンス「Revolution」…女性ボーカルのダンスグループ。

右上:ナーリン「Nalin」…ASEAN系音楽イベントで各国アーティストと来日。ライブ見に行った時にサイン頂く。

右中:ユニコーン「Eet Sa La」…ジャケットの雰囲気はかなりハードなロックに見えますが、全然そんなことありません。

右下:テクノ・フレンド「The Tecno Friend」

 

左上:サファイア「The Sapphire」…90年代のラオスのロックバンド。町の食堂でかけてもらったけど、当時のラオスの雰囲気には全然合わない、先を行き過ぎた音楽という感じがした。ま、普通のロックですが。

左中:センペット「Girls Just Want to Have Fun」…欧米の有名曲を一番は英語、二番はラオス語でカバー。

左下:マーラーワン・ドワンプーミー「Not 1 But 2」…のんびりした伝統色のあるザ・ラオス歌謡曲。

上中:スッチャイ「11 Favourite Laos Songs」

中中:サオバンハオ「Saobanghao 1」…大学のサークルのような女性バンド。素朴なフォークが昭和っぽくていい!

下中:マグ「Lao-Thai」…タイのカラバオを意識したフォークロックっぽい雰囲気だけど、かなり田舎臭い。

右中:オムニバス「Best Laos Pop in Japan Part 1」…ラオスの最近のアーティストのオムニバス。in Japanと言ってるだけに日本でリリースされたものだけど、よく作ったな。

【収録アーティスト】アルーナ、Cells、エイティーン、L.O.G、パンプキンズ、オーバーダンス

 

(Ling Muコメント)

・ラオスを訪れた当時、カセット屋に行くと半分以上はタイ・ポップス。言語的に近いし、国内にタイ系住民も多いためタイ語ポップスは普通にポピュラー。ラオスのちょうだい、と言うとどれがラオスのか教えてくれる(ま、タイ語とは似て非なる文字だが)。

 

・ラオスの作品は全体的に田舎っぽくて民族色の濃い歌謡曲が多い。タイ演歌「ルークトゥン」とも違い、もっと垢抜けない。たまにロックバンドやアイドルっぽい歌手の作品があると、現地の雰囲気と噛み合わず、何だか最先端の音楽を聴いているように感じた。

 

・アレクサンドラという女性歌手が出現した辺りからラオスポップスの雰囲気が変わり、今時のタイポップス同様耳当たりのいい曲が増えてきた。タイ語もラオス語もわからない僕などは一曲不意に流されたら、それがタイの曲かラオスの曲かわからないぐらい両者の雰囲気は近付きつつある。ただ、これぞラオスポップス!という特徴が薄くなっている感じも否めない。

 

・上でも述べた、外国曲カバー中心のセンペットという歌手のカセット、B面ではいきなり正体不明の男性歌手の歌になってしまい、えっ、センペットどこ行ったの!? と一瞬不安になる。しかもその男性歌手は上手くなく、「Take on me」のサビの高音部分で声が上ずってキーを外している。すると二番に入ってから同じサビの高音部分でだけセンペットの声が復活。それならセンペットがフルコーラスで歌ってよ!カゼでもひいて代役立てたのかな、なんて、こんな手作り感満載のアルバム、当時のラオスならではだね。

 

次回はレバノンを訪ねます。