Ling Muのアジア旅コレクションを展示する「Ling Museum」。旅で訪れた順番にアジア・中東から一か国ずつ、その国のポップスのCDとカセットテープの数々を展示します。

 

★第二十九回「オマーン」

 訪問時期:2007年8月

 訪問地:マスカット、ミントリブ、ワディ・バニ・ハリド

 

 

 左:アメル・マスード「Stad」…オマーンも基本はやはり湾岸チャカポコ文化圏と再確認できるハリージ。

中:ムルタカ・アル・アヒバ「Multaqa al Ahiba 2」…メインボーカルと大勢のコーラスが掛け合うように歌う音頭調の歌謡曲が独特。

右:ムルタカ・アル・アヒバ「Multaqa al Ahiba 2007」…こちらは女性コーラスも入る。何がオマーンのスタンダードかはわからないが、なぜかこれぞオマーン!って気分になる。

 

(Ling Muコメント)

・湾岸地域のメイン歌謡曲である「ハリージ」はこの国でも割とポピュラーなようだ。オマーン人は他の湾岸歌手のように輪っかを布に乗せたカフィーヤではなく、ターバンのようなものを巻くスタイルなので、ジャケットの歌手の姿を見たらほぼオマーンの作品だとわかる(まれにイエメンの歌手だったりもするが)。

 

・問題はジャケットの歌手からだけではポップスなのか伝統音楽なのかが判別できないこと。カセット屋で試し聴きさせてもらうと、たまに浪曲のような民謡だったりもする。ジャケットの歌手の顔がお爺さんだと民謡の確率が高いので白髭はなるべく避けた。

 

・ボーカルとコーラス隊が掛け合う祭り囃子のような曲調のムルタカ・アル・アヒバというグループの音楽は他のアラブ歌謡ではあまり聴かない独特な作品。何となくオマーンらしい音楽な気がする。観光中、車の中でこのカセットを流したら、「オマーンのポップスは悲しい歌詞の曲が多いから他のにしよう」と別のアラブの曲に取り替えられた。お祭りっぽい調子なのに悲しいのか…。

 

・オマーンで訪ねたカセット屋を切り盛りしていたのは若くて綺麗なオマーン人の女性だった。店内の写真を撮らせてもらった際に彼女も写ってくれた。なかなか撮れない湾岸アラブの女性の貴重な一枚となった。

 

次回はクウェートを訪ねます。