Ling Muのアジア旅コレクションを展示する「Ling Museum」。旅で訪れた順番にアジア・中東から一か国ずつ、その国のポップスのCDとカセットテープの数々を展示します。

 

★第四十二回「カラカルパクスタン」

 訪問時期:2013年9月

 訪問地:ヌクス、ブスタン、ムイナク

 


中央:オムニバス「Erkin Karakalpakstan」:初めて現地ポップスのCDが見つけられなかったため、やむなくの対応。現地バザールであちこち探し回ってやっと見つかったのはPCから空のCD-Rにダウンロードされたもののみだった。カラカルパクスタンポップスが300曲ぐらい入っていた中で27曲をチョイスしてCDに焼き、自分でジャケットを作った自己編集アルバム。ジャケットにはこれまたなかなか見つけられなかった現地語新聞をモチーフに使い、新聞の名前である「エルキン・カラカルパクスタン」をそのままアルバム名にした。

【収録アーティスト】アリシェル・アラムベルゲノフ、アリシェル・カシモフ、アレバイ・アラニヤゾフ、B. ウテジャノフ、バウィルジャン・ハメドゥラエフ、バクティヤル・ジュマタエフ、ダリャバイ、G. ムンティーワ、グルバハル・クルバンバエワ、ハッサン・アブドラエフ、ニエトバイ・オテジャノフ、プルハット・ベグジャノフ、サラマット・カリベコフ、シラーズ、アバト・カディルバエフ、アマン・エレジェポフ、バクティヤル・アルジモフ、バイラム・ペルデバエフ、グルナラ、カリク・コシギ、ラフマン・ギタリス、サイオラ

 

(Ling Muコメント)

・まずこの国って何? という人も多いと思うので(と言うか、この国名でピンと来る人ってよほどのシルクロードマニア?)まずは基礎知識。この国は中央アジアのアラル海、キジル・クム砂漠、カラ・クム砂漠に囲まれたウズベキスタン内の自治共和国(つまり独立国ではない)。でもウズベク人とは違う独自の民族がいて、独自の言葉が話されている。

 

・なのでこの国のポップスもまた、独自の言葉カラカルパク語で歌われている。郷土愛が強いのか、歌詞には「カラカルパク」や「ヌクス(首都)」といった言葉がよく入っている。ウズベキスタンの歌手よりも長い名前で舌を噛みそうな発音の人が多く、正直どの歌手が一番人気なのかはよくわからないが、たまにYou Tubeで見ることもできる。

 

・しかし残念ながら、その国を訪れたら必ず現地ポップスのカセットかCDを入手しているコレクターのLing Muでも、この国のポップスのCDを見つけることはできなかった。見つけられたのは現地ポップスをPCからダウンロードした無地のCD-Rだけ。とは言えこのCD-Rには300曲近いカラカルパクスタンポップスが入っているため、いっそ自分で作っちゃえと自己編集のオムニバスアルバムを作ったのだった。この辺の顛末は下記旅行記を見てみて下さい。

 

https://ameblo.jp/szkasia/entry-11769958877.html


https://ameblo.jp/szkasia/entry-11840392336.html

 

・さすが300曲近くあるだけにバラエティに富んだ内容となっていて、結婚式で踊るような西部ウズベク民謡的(ファンの間ではホラズム・ポップスと呼んだりする)なコテコテのド演歌風や、アラブのダブケ(これもまた伝統的なダンス音楽)風、ロシア風、フォークバラード風と面白い一品となった。中にはそのままJ-Popにしてもよさげな曲も。

 

・この国からCDが消えたのには、民間でリリースするCDや書籍に高額な税金を課したこと、海賊版が厳しく取り締まられたことが背景にあるようだ。なのでそれ以前はCDが存在していたと思われる。以前中央アジア音楽が好きな人々の飲み会に参加した際、ある女性が昔カラカルパクスタンを訪れ、現地でCDを買ったけど多分家の物置のどこか奥にあるかも~、なんて言っていた。ああ、それLing Muにとっては超超プレミア品なのだが…。これ読んでる方でどなたか過去にこの国でポップスのCDを買ったよって方がいたらご一報を(笑)。

 

・世界的にCDという音楽ソフトが売られなくなってきているこの頃、そのうちこの国に限らず、CDってもう見つからなくなっていくのかなと思うとコレクター的にかなり悲しい。

 

次回はキルギスを訪ねます。