Ling Muのアジア旅コレクションを展示する「Ling Museum」。旅で訪れた順番にアジア・中東から一か国ずつ、その国のポップスのCDとカセットテープの数々を展示します。

 

★第四十三回「キルギス」

 訪問時期:2014年9月

 訪問地:ビシケク、チョルポン・アタ

 

 

左上:ミルベック・アタベコフ「Mirbek Atabekov」…中央アジアには割と多いMP3アルバムと思いきや普通のCDだった。キルギス語曲が多いがロシアポップスの影響を受けた曲調が流行りか。

左中:ディナラ・アクロワ「Толук Жыйнак 2012」…こちらはMP3スタイルのアルバム。一枚に何十曲も入っているがプレイヤーでは聴けないのでお気に入りをチョイスしてCDにも焼いた。

左下:ノンストップ「Non Stop」…男女カップルによるデュオグループ。何だかぱっと見ブルース・リーと今の松田聖子の組み合わせみたいな容姿だがノリのいい曲もバラードもなかなかよし。結局別れたことを機に解散したらしい。

右上:グルザダ「Tolgonuu」…人気シンガーソングライター。同国の伝統音楽グループ、オルド・サフナが来日公演した際ゲストボーカルとして一緒に来日。伝統と現代の垣根を越えるような美声を披露した。会場でCDも売られており、本人からサインも頂戴した。

右中:グルム「草原の鍵」…2018年に放送のNHK「のど自慢 the world」に出場してグランプリを獲ったキルギス代表のデビューシングル。日本語曲だけど、キルギス語バージョンがあったら聴きたかったな。

右下:オムニバス「Жаны Ырлары No.4」…現地で最もよく見かけたスタイルのCDは沢山のアーティストの歌を一曲ずつ収録したオムニバス作品。逆にソロアルバムを出せるアーティストはこの国でかなりすごい立ち位置なのかも。

【収録アーティスト】アイペリ・クビク、アンジェリカ、ベギマイ・ベクボエアフ、ドクトル、グルヌル・サディルガノワ、マイラム、ミーラン・バエコフ、ナズィラ・カディエワ、ヌリザ・アバゾワ、ヌルマット・サディロフ、ヌルザダ・ジョルドシェワ、リスクル・バカエワ、ローザ・アマノワ、サイカル・サディバカソワ、サンジャル・トログロフ、スルタン・サディラリエフ、シミク・ベイシェキーフ、ターライ・エレスィ、ティンチティクベク・アイルチエフ、ノンストップ、

 

 

左上:オムニバス「Жаны Жыйнак 8」

【収録アーティスト】アイグル・チャロバ、バクティグル・バディエワ、ベック・ボルビエフ、ダニヤル・エルマトフ、エリムラト、グルジギート・サティベコフ、グルヌル・サディルガノワ、イリヤズ・アブドラザコフ、ケネシュ、クバニッチ・サタエフ、マクサット・ベガリエフ、ミルベック・アタベコフ、テミル・ナザロフ、ウルマット・ウセノフ、カニケイ、オマ

左下:オムニバス「Жаны Ырлары No.3」

【収録アーティスト】アルティナイ・ナルバエワ、アスカット・ムサベコフ、チンギス・ミルザエフ、ディナラ・アクロワ、エディル・ママトフ、グルジギート・サティベコフ、グルナラ・カハロワ、グリャンダ、グルジナト・スランチエワ、イリヤズ・アンダシュ、ナリンベック・カリバエフ、ナズィラ・トコノワ、オマール、ローザ・アマノワ、スルタン・サディラリエフ、アバズ&エディル

オムニバス「Кыргистан Обондору」

【収録アーティスト】アビル・カセノフ、アイベック・バキトベコフ、アルセン、ベック・ボルビエフ、ビズ、ダニヤル・エルマトフ、グルジギート・カリコフ、グルジギート・サティベコフ、イリヤズ・アブドラザコフ、ジェベ、ミルベック・アタベコフ、ノチノイ、ノンストップ、ヌルバキト・ラザコフ、ヌーラン・ナシフ、ヌーラン・サディロフ、オークランド、オマール、ポププリ

 

(Ling Muコメント)

・日本のCD店のワールドミュージックコーナーを見てもキルギスのポップス作品はまず見つからない。伝統音楽ならある時もあるが、あとはせいぜい上記のグルムの作品ぐらいだろう(日本語曲だが)。ウズベクやカザフと違いあまりポップスが盛んでないのかと思ってしまうが、YouTube等では結構見ることができる。

 

・ウズベクのヤッラ、カザフのA.スタディオ、トルクメンのグネーシュのようにソ連時代から人気のグループも特に無く、確かにキルギスと言えば!というアーティストが思い浮かばず、ポップスの歴史自体は短いのかも知れない。中国に留学していた90年代、キルギス人の留学仲間から数曲キルギスポップスを聴かせてもらったが、ギターの弾き語り系や歌謡曲調等一応ポップスもあるのだな、といった感じで、その友人も歌手名までは知らないぐらいだった。また、当時エレスという人気バンドがあったということまではわかった(既に解散)。

 

・キルギスを訪ねた時は全体的な滞在時間が少なくじっくり探せなかったが、イシククル湖に向かう車中、ある交差点でDVDを売る店舗がちょっと気になって運転手に停めてもらうと、そこにいくつか音楽CDやMP3も売られており購入。そしてイシククル湖畔の街チョルポン・アタのあるお土産屋の片隅にもCDを見つけたのでラッキーだったと思う。専門的にCDを売る店は見かけなかった。

 

・オムニバス作品の歌手名を見ててふと気付いたんだけど、どうやらグループ名の後には「トブー(Тобу)」を付けるようだ。中国語でもバンドなら「〇〇楽隊」、ポップスグループなら「〇〇演唱小組」といった言葉が後に付くし、「〇〇バンド」みたいな感じの意味かな。

 

次回は一旦の最終回、モルディブを訪ねます。