まるで覚えたての猿のように、一生懸命腰を振ることぐらいしか持ち合わせていない私は、全く踏み入れてはいけぬはずのその世界に、内心ドキドキしながらもあたかも当然のように知ったかぶりを貫き、まるでノーマルに飽きた上級者の如く頷いた。
「空気に触れるから鼻に付くんだよ。」

「じゃあ、近ければ近い程いいんや?」
「そうだよ。」

さすがは西の変態さんを一堂に集める小屋と言われた劇場だけあって、聖水の話もサラリと飛び出す。セプテンバーなるふざけた名のガールズバーで、アルコールの力に任せ必死に口説く労働者のように、私は500円のコーヒー一杯でカフェインの力を借り、好きでもない子を口説き落とそうと必死であった。たまに天羽夏月さんや、プロ並のステージをする素人もいたので、振り返えってみると、バー越しにステージを観るよりも、カブリで観といた方が良かったという後悔しか今はない。

あの九条の、あの時のカウンター越しの時と同じように、私は斜に構え青山はるかのステージを観る。そう、まるで女の体は何もかも知っているかのように。潮は前述のものとは全くの別物で、どんなに時間が経とうとも香り立つことがない。聞くところによると、味は潮だけにわずかに塩気あるとのことで、全く汚いものではないということは判明している。そしてその温もりを一度浴びてしまうと愛おしくなってしまうという情報を得る。いつまで経っても一向に浴びられぬ私は、その恩恵は受けられぬままなのであったのであるが(笑)デビューは、官能小説を読みながら「はるくじら」という、どう考えても現代ストリップの規格外のステージを披露。それも毎回の4ステージだから、なんでもありの私のスト観のハートを撃ち抜かれたのであった。

桜が舞い散る4頭の週末、辛うじて残った花びらも、日本列島に嵐が横断し全てを吹き飛ばさんばかりの勢いで過ぎし頃、2度目の布施さくら通りへと向かった。



2013
4頭 晃生ショー
(香盤)
1.
御幸奈々 (林)
2.
かすみ玲 (フリー)
3.
鮎原かおり (フリー)
4.
北川れん (道頓堀)
5.
青山はるか (晃生)

3
演目:青山はるか
2
演目:御幸奈々/かすみ玲/鮎原かおり/北川れん


御幸奈々さん。201212中のTSミュージック以来です。
☆白とピンクのフリフリホワホワのドレスで登場。1曲目から激しいダンスで魅了していきます。
青のシースルードレスに変わり、椅子を持って登場。ゆっくりとしたダンスが続きます。
限られた時の中で どれだけのコトが出来るのだろう… 言葉にならないほどの想いを どれだけアナタに伝えられるのだろう….

椅子に座り全裸になり、横回転しながら盆入り。ポーズベッド。

☆紫の着物風ドレス姿で登場。激しいダンスが続きます。
シルバーのセパレート姿になり軽やかダンス。
桜の曲に合わせ、しっとしとしたベッドショー。

この時期ならではの選曲と曲と曲との繋がりの滑らかさに、素晴らしいものを感じましたね。「これがストリップなんだよ。」と言ってるかのようなベッドショーでした。

かすみ玲さん。201211結の晃生ショー以来です。
☆黒と白のチェックのドレス姿で登場。ゆっくりとしたダンスから、青のナイトドレスへ。
赤のライトが照らされる中、トランペットの音が鳴り響き、盆ではオナベッド。漏れる声がセクシー。その後はポーズベッド。


☆紫のキラキララメ入りの豪華ドレス。ゆっくりとしたダンス。黒と茶色のネコへと変化。コミカルで楽しいダンス。お客さん全にお菓子をプレゼントしていきます。
小さい頃は神様がいて 不思議に夢をかなえてくれた やさしい気持ちで目覚めた朝は おとなになっても奇跡はおこるよ
トトロが優しく見つめる中、ポーズベッド。

長身で長くスラリとした足のシャチホコはとても綺麗でした。

鮎原かおりさん。20133結の大和ミュージック以来です。
先週の大和 で観た桜小町と桜小町花電車の2演目でした。

花電車の時のタバコ飛ばしが3列目を超えました。スピードと勢いが増したような気がしますね。香盤の中頃に客参加型の出し物があると、楽しい。一見さんの異様な盛り上がりもあり笑いが絶えませんね。

北川れんさん。201212中のTSミュージック以来です。
☆火の鳥
両手に持つ赤の羽根扇子から、バレエのステップ、ジャンプにターン。素晴らしい演目。2012年3中晃生 で感動した演目。

☆青い鳥
暗い照明の中、黒コート姿で盆からスタート。ゆっくりと進むと手に持っていた絵本を本舞台にある椅子の上に絵本を置きます。すると直に暗転。白のワンピース姿、ランプを持ち登場し、バレェ。椅子に座りページをめくると飛び出す絵本でした。
青い羽根の沢山付いた鳥のセパレート姿に変わり、ポーズベッド。男の語り声が聞こえる中、白コートへと変わり、余韻を残しつつフィニッシュ。
こちらは難解な作品です。3回観られましたが、よくわからない(苦笑)

青山はるかさん。20133頭の晃生ショー以来です。
周年作ストリップ天国 3頭晃生 に出した新作 。そしてはるくじらの3個出し。
ベッドでのポーズは、落ちるかもしれないと思わせるような回転盆際々のところで切ります。カブリに座れば50cm以内で観られますね。週末は2stと4stが「はるくじら」。
2
stデジの時、
「はるちゃん、浴びさせてね。」
「前に座ってね。」
と言葉を交わす。

入場時は40名オーバーで、当然前列が空くはずも無く、3列目に座っていた私は歯痒い思いをしたものの、日曜日のオーラス、常連さん達が15名程となった時、前列に座ることが許された。タオルを配っていたはるちゃんに
「はるちゃん、このへんね。」

と私が言うと笑っていた。リクエストに応えてくれたのか、ベッドショーでこちらに振り返り三吹き。やっとその温もりを体感できた。無味無臭で、温かさがいつまでも残った。

各踊り子が2個出し以上で、中頃には「花電車」あり、ラストには「はるくじら」ありと良い刺激を受け、一日を通じて高いテンションのままの観劇を貫けた。これぞThis is Strip。香盤の妙と言える気がした晃生観劇となった。

出会えば必ず別れ 別れればまた出会う 桜花ビラ ヒラヒラ 風二 揺ラレ 舞ヒ 踊レ 桜 花ビラ ヒラヒラ 風二 揺ラレ 舞ヒ 踊レ

観劇日:4/3(水)1stかすみ玲さんから3st終了まで(12:4020:00
     4/7(日)1st北川れんさんから終演まで(13:4022:55