最寄り駅の1つ離れた駅の始発が30分早いとわかった。
鈍行で9時間半の道程を経て、14時半に横浜に着くと想定すると、この30分の意味するものはあまりに大きい。
「盆興行だ。大和押しであわよくば、1stトリの虹さんのステージを観られるかもしれない」
さすがに自宅から20分歩いて、5時の始発に乗ることは御免蒙りたい。幸いなことに私の知人には、仕事柄世間より早起きが多いので、打診していくと2人目で渋々ながらも、承諾してくれた。
「出勤前の4時40分に俺の家に来て、駅まで送って欲しい」
と私が真剣に言うと
「え、マジ?家から駅近いやん」
真っ当な返事がくる。
「あっちの駅の方が、始発が早いんやから仕方ないねん」
「そんなあほな。新幹線で行きーや」
「新幹線は嫌いやねん。理由は聞かんといて。横浜で熱いイベントがあるんや」
切なる願いを訴えると伝わるものだ。こうして無事一つ離れた駅に乗れた。この果てしないあまりにも長い道中は、ストリップへの熱い想いと、文庫本一冊あれば十分だ。
この時期の東海道線は、乗り継ぎで停車するやいなや、リュックを背負った若者達が猛ダッシュをする、夏の風物詩となっている。暑さなど一切関係なく、彼らは皆どこで降りるのが最も効率が良く乗り継げるのか、一様によくわかっている。
当然そんな知識を持たぬ私は、リュックの若者達に大差をつけられ、この数少ない座席争奪戦にことごとく敗れた。
「座れるか、座れないか」
この差が今観劇の疲労に大きく関わってくる。
考えてもみたまえ。盆の真っ盛り、競合する私鉄他社の無いJR東海道線の3両電車で、キャパオーバーで盆期間の抜群の乗車率を誇り、時間当たり数本しか出ない列車は、激混みを覚悟せねばならぬのは必然であった。
言わずもがな。豊橋-熱海間の混み混みの車内で、立ちっぱを私は余儀なくされた。静岡横断中、席が一向に空く気配もなく、世の節電もプラスして重なり、28℃設定なのか、顔に汗はでないものの背中が濡れる程の暑さと湿度が車内にはあった。
「やべぇ。ストリップ熱が醒めちまう」
何度か「こだま」の甘い誘惑に負けそうになるも、熱海を過ぎたあたりから、マバラになった車内にやっと座り込め、少しだけだが冷房が効いているようにも感じた。
2013年8中 大和ミュージック
(香盤)
1. 潤奈 (フリー)
2. 香坂玲来 (道頓堀)
3. 星川音々 (東洋)
4. 鮎原かおり (フリー) 周年♪
5. 目黒あいら (晃生)
6. 虹歩 (カジノ)
3演目:目黒あいら
2演目:香坂玲来/星川音々/鮎原かおり
1演目:潤奈/虹歩
【潤奈 所属:フリー】
挙手による天板ショー。
【香坂玲来 所属:道頓堀劇場】
☆黄緑と赤のヒラヒラのドレス姿。黄色とピンクの手袋を身に付け、ゆっくりとしたダンス。
暗転後曲が変わり、ブルーと赤、黄色のビキニ姿。頭には同色の髪飾り。足には、同色のモコモコソックス。
青のシースルーに変わり盆入り。ポーズベッド。
☆オレンジのビキニ姿で登場。白のパラソルを持ち、海辺で、足をバタバタし波で遊んでいます。大きなクジラの浮き輪を取り出し、沖の方へと向かいます。
盆では濃厚なオナベッド。
夏らしい2演目。体が幾分シェイプされ、より綺麗になったように思える。
【星川音々 所属:東洋ショー劇場】
☆赤と黒の豪華ドレス。白の羽根扇子を持ち、激しいダンス。
曲が変わると、上はシルバー、下は黒のショートパンツ姿でヒールを履いた音々ステップ。
本ステージの置いていた椅子に腰掛け、ゆっくりと着替える。
白と黄のレースになると、黒の紐パンを口に咥え、盆入り。ポーズベッド。
長く会っていなかったので、デジの時
「久しぶり」
と言われましたが
「この間の浅草で会ったよ」
と私が言うと
「緊張して気付かなかった」
とのこと。私は1列目に座っていたのですが(笑)緊張することがあるのですね。ちなみ大和では1曲目で気付かれた。東洋でも1曲目で気付かれる。東洋再開が待ち遠しい。あと2ヶ月だ。
【鮎原かおり 所属:フリー】
☆周年作
シルバーのキラキラをあしらった白の着物姿。頭には白の髪飾り。銀の扇子を持ち、ゆっくりとした日舞。レトロで古ぼけた大きなラジオのチューナーを合わせると、懐かしい音楽が流れてくる。
白とオレンジのワンピース姿に変わり、ゆっくりとしたダンス。
あなたはすぐに写真を撮りたがる あたしは何時も其れを厭がるの だって写真になっちゃえば あたしが古くなるじゃない
盆入り。曲が1曲目に変わった。濃厚な指入れオナベッド。
ラジオから流れる曲がキーとなる、切ない恋物語のようであるような、珠玉の周年作。
☆花電車
タバコ飛ばし、ローソク消し、クラッカー、オロC空け、最後はスプーン曲げ。
香盤の中頃に花電車があるのが望ましい。自然と笑顔になれる。
この文化が途切れないように、かおりさんが花電車を自ら広めているというのは嘘か誠か。この下品でどうしようもない伝統芸は、本当に楽しい。
【目黒あいら 所属:晃生ショー劇場】
演目は「let me love you」、「クレヨン」、「カリフォルニア」。
それぞれがノーカットの完全版。どれもティストの違う、「綺麗」、「エロい」、「痺れる」3個出し。
「中日で演目を変えるかも」
とおっしゃっていましたが、どうなのでしょう?
2列目に座っていたのですが、1曲目で気付かれた。踊り子さんはよく客が見えていますね。
「やっぱり来たのね」
みたいに目が合うと笑った。
【虹歩 所属:札幌ニューカジノ】
☆本ステージに座った状態でスタート。曲が始まり立ち上がると、緑色の生地が幾つも重なったドレス風の衣装。手の振りの大きな虹ダンス。
曲が変わるや、ベージュのロングコートに、ポロリしそうなオレンジのブラ。緑のショートパンツ。激しい舞から、コートを脱ぎ捨てると、しっとりとした舞。
ブルーのシースルーに変わり、盆入り。Lからの太モモへキス。虹ブリッジ連発から、最後の回旋しながらの大きな虹ブリッジは、ため息ものの美しさ。
※大和に回転盆はありませんが、ベッドショーを演じている前方ステージを盆と記しております。
観劇日:8/14(水) 2st星川音々さんから終演まで (15:10~23:20)