退社時に上司に呼び出される。決して良い事などあり得はしない。

聞けば、

「お前とこの女子社員が、部署を変えて欲しいと言っている」

とのお話。それはホワイトデーに、私が食事した相手だ(笑)。食事を終えて、ふとツイッター確認したら、匠悠那ちゃんの引退のツイートを見て、私の態度が豹変したことが原因だと思っていたら

「筋肉話が嫌だと言っている」

とのことであった(笑)。

「意味がわからないです。その子がジムに行き始めたらしいですから、その話をしたまでです」

と私は言い返した。

「なんかアピールせんかった?」

笑いながら聞いてくる。

「する筈が無いですね。化粧をせずに舞台に上がるものです」

と反論しようと思ったものの、

「チnポの皮をめくらないで、温泉に入るものです。パンプしてない体をアピールする奴なんかイタイ人じゃないですか?それに長袖を着ていましたし」

と言うと、上司は笑っていた。

「とりあえず、こういう時は男のお前が悪い」

の一点張りであった。

「そう言えば、ウケていたから胸筋を10回ぐらい動かしてあげたかな…」

と頭によぎる。少し天丼しすぎたのかもしれない(笑)。

「はて?ちょん.の間の女性には、私の体を100%褒めて貰えて得意気になれたのであるが…」

滅多に無い浮いた話も、あろうことか嫌いな上司づたいでフラれるという惨めな結果に終わり、今では会社ですら居場所が全く無くなりつつある。肉ばかり食べた続けた結果により、体中からテストステロンから滲みでたのかもしれない。いくらプロ受けは良くとも素人には不評なのかもしれないと、そのホルモンの効用からか、それはもう前向きに考えるほかはなかった。


悠那ちゃんがオープンショーでジャンケンをしていた。目を瞑りながら、適当にやっていたら勝ち残ってしまった。優勝賞品は9周年のTシャツ。柔軟剤の良い香りがして、
「飾っておくのには調度良いや」
と思っていたら、悠那ちゃんがしきりに
「着ないの?」
と言ってくるものだから、渋々袖を通した(笑)。客は踊り子の命に決して背いてはいけない。グッズなどは使ってこそ意味がある。胸囲が120㎝に迫る勢いの私にとって、今まで選んだ事の無いMサイズはかなり小さく、そして今後も見向きもしないであろうピンク色の生地は異様に目立ったが、劇場内ではなんら恥ずべきことではなく、むしろ自慢でもあった。応援隊の人達も着ていなかったのでレア物かもしれない。そしてそこに描かれている絵は、ツイッターの私のアイコンとそっくりではないか(笑)。多くの方達に、そのアンバランスなシルエットを褒められたりもしたが、素っ気なく対応して申し訳ない。パンプして無い時に、萎んだ体で着るのが単に恥ずかしかっただけである(笑)。

20165結 広島第一劇場

(香盤)

1. 愛野いづみ (道頓堀)

2. 望月きらら (晃生)

3. 清水愛 (川崎)

4. 匠悠那 (道頓堀) 広島ラスト



4演目:清水愛

3演目:愛野いづみ/匠悠那

2演目:望月きらら

愛野いづみさん

☆白い着物の花魁。銀の煙管を持ち、口には一輪の薔薇。ゆっくりとした所作から盆入り。

オナベッドから、ポーズを決める。

☆赤いドレスに貴婦人を思わすような黒い帽子。ワイングラスを手に持ち、それを客に渡し、ワインを注ぐ。暗転の後、007のサントラがかると、赤い布で目隠しをされ、手の自由を奪われたピンクラメの衣装へと変化。赤のナイトドレスでベッドショーへと進んでいく。

☆キラキラした赤い着物姿。背中には帯のところに桜の枝が数本挿している。赤い扇子を持ち、一舞した後、桜を手に持ち変え舞を見せる。ゆっくりと脱いでいき桃色の襦袢姿。

ゆっくりとしたバラードに合わせベッドショー。
雰囲気のあるロングの黒髪も美人さん。少し痩せたのかもしれませんね。


望月きららさん
晃生で観た青い着物の周年作と白いバニーガールの新作。
☆白いうさ耳を付けたシルバーのバニーガール。キュートな仕草でドリンクを運びます。軽いステップから大きなサイコロを持ちお客さんとキャッチボール。オナベッドからポーズ。

一見さんの反応は良いようですね。

明るくて楽しい出し物は、悠那ちゃん引退の一抹の寂しさを少しでも和らげてくれるような気さえしました。


清水愛さん

3中の東洋で観た2演目と未見の2演目の4個出し。

二義としての意の狂気の演目の数々に私は驚嘆した。これは誰が観ても納得、溜息しか出ないであろう。尖っているようで、角が少し取れたような滑らかなダンスからの洗練された振り付けには、一切の澱み無く、無駄なものがそこには無い。自信に満ちている表情は、レッスンの賜物なのか天性のものなのか。

前回の東洋では3年半ぶりと、関西に住んでいると中々お目にかかれないのが至極残念でもある。まだまだ素晴らしい踊り子さんがいるものだと思えた。ポラも大人気でしたね。


匠悠那さん

出し物は「卒業」、「トイストーリー」、「鶴の恩返し」。

卒業」。比較的わかりやすい女子高生の出し物。明るい学園生活。家に帰り、部屋着に着替え、ベッドの横になろうとしたら、背中にアルバムが当たる。そこには、沢山の写真があった。

多くの踊り子の写真もある。何を想いながら、アルバムのページを捲っているのであろう。

「トイストリー」は、自身に制限をかけていた時期で2014年の東洋で一度しか観ていない演目だったので、新鮮であった。

明るいストーリーの筈なのに、最後はぜんまい仕掛け人形に戻るところは、夢幻のようでもあった。

「鶴の恩返し」は、悠那ちゃんの代表作。多くの人が感動したように、見どころが沢山ある。

ポラでは悲しい別れもあったはずなのに、終始明るく振る舞っていました。

良く言えばのどかであり、悪く言えばルーズと言おうか、広島では関西の劇場の投光のように口煩い時間尊守のアナウンスは一切無く、進行は全て踊り子任せである。一見と常連の黄金比率で埋まった場内は良い意味で盛り上がりが続いていった。休憩時間を長く取っているタイムテーブルで自然とそうなっていったのであろう。入りが多い時による客側のストレスは全くない。関西にいたら、「そんなにあせらなくても」と思うことがしばしばあるが、ここは良くも悪くも“のんびり”している。時間がある人にはそこが魅力なのであろう。

初めて行く劇場、地元では無い劇場には何かの理由が当然あるもので、私がこの劇場を初めて訪れたのは4年前、悠那ちゃんが乗っている週であった。小倉も同様である。この遠い今回の広島では、宿泊費を浮かすため車中泊を3回。早朝は寒さで目が覚め、日が昇ると暑くて目が覚める。足を伸ばして眠れないので、疲労は抜けないが、劇場にいればなんともなかった。熊本で被災している方々と比べると、私など趣味でやっているから大したことではない。

大入りのお客さんのために、社長から振る舞われた差し入れの数々。連日続いたようである。そんな劇場は私自身初めての経験だ。焼きおにぎりに栄養ドリンクを頂きました。ご馳走様でした。どこまでも温かい劇場だと感じました。

「遠征客は来るのだけど地元のお客さんがなかなか来ない」

とも社長は仰っていましたね(笑)。

歓楽街薬研堀の夜は長い。終演後、ツイッターで知り合ったファンの人達と酒を交わす。関東から関西、四国、九州と悠那ちゃんに魅せられた人達が集まった。そしてそこに広島の人はいない(笑)。“悠那の演目”をあてにひたすら語り合うという、きっと踊り子冥利に尽きる濃い夜会が午前2時まで続いた。


観劇日:4/24(土)、25(日)、29(金)