2月7日。北方領土の日です。

いつもであれば、北方領土隣接地域であり、返還運動原点の地たる根室の住民大会に出席をしております。今年もその予定でおりましたが、13時より本会議が入ったために、急遽東京で開催の全国大会に出席を致しました。

 

1万7000名を超える、日本人島民も今では、5322名まで減少しました。

平均年齢は87歳を超えました。文字通り、時間との闘いです。

元島民の声、そして語り継ぐ後継者の皆さんからお口々に「墓参を何よりも再開して欲しい」との切実な声が述べられました。

根室高校の久保くんが、高校生代表の1人として元島民である祖父の話、言葉を交えながら返還運動の意義や決意を語ってくれました。




その中で、祖父が「戦争だけは何があってもだめだ」という言葉は、昨今のウクライナ情勢や世界各地の紛争などを考えても、重い言葉です。

外交交渉は外務省、外務大臣です。しかし、国家主権たる領土問題は、外務省というより政府専権事項です。国のトップ、総理の決意、覚悟、によってたつと思います。

岸田総理の今日のご挨拶の一部をご紹介します。

「また、先程は、脇千島歯舞(はぼまい)諸島居住者連盟 理事長から、せめて北方墓参だけでも再開してほしい、こうした切実な訴えがありました。

 北方墓参を始めとした四島交流等事業の再開は、今後の日露関係の中でも最優先事項の一つであり、一日も早く事業が再開できるような状況になることを強く期待しています。

 御高齢となられた元島民の方々の思いに何とか応えるべく、取り組んでまいります。」

 

委員会、所信表明でも、いつも違和感を感じるのは「強く期待しています」という表現です。墓参の事業は、日本とロシアの二国間の事業です。その再開を実現するには、当事者の努力が必要です。「期待しています」とは、あまりにも無責任に聞こえないでしょうか。

なぜ、四島交流等事業が再開できていないのか?それは、コロナのせいではありません。ロシアによるウクライナ侵略による日露外交の中断であり、ロシアの言葉では、対ロ制裁に対する対抗措置、とのことです。元島民の皆さんにすれば、「墓参という、人道的措置にしわ寄せがくるんだ」という思いだって、湧き上がってくることでしょう。

加えて、「自由訪問」「四島交流」は一方的な中断が伝えられましたが、「墓参」の枠組みは両国間の合意について、現在も「有効」との立場を示したままです。だからこそ、元島民の皆さんは、「日本の政府は何もしないのか?」「元島民がいなくなるまで待つのか?」という憤り、悲観、絶望を感じているのです。

 

これに対して、日本政府として答える責任があるのではないでしょうか。総合的な判断であれ、それを説明し、納得してもらえるような努力が必要なはずです。

 

外務委員会でも、これまでも「墓参」はほかの交流事業と分けて考えるべきであることを訴えていますが、引き続き皆さんの声を代弁してまいりたいと思います。