湯回廊でパンドラの箱が開いたのだ  それは、2017/04/07 遠くて近い過去
 

竹藪が、ざざと唸った。
リズムをとっていた 小鳥の声がやんだ。
まだ、若い竹と言うより、笹薮の小竹が細い身をしなる
桜に気をとられていたが、
ああ
笹薮があったんだと、その時 気がついた。

小栗栖の藪竹の中で、光秀は逝ったのだ。
間違いないと踏んでいた、細川藤孝、娘婿の忠興までもが、髻を切り、明智の味方をしないと
意思表示をした。何度、文を送ったことか・・・・だが・・・・
光秀の落胆が、竹をしならせる。
そんな、妄想が浮かび上がったのは
多分、曲がり角の郵便局の横の長い石塀のすみに、黒幕が見えたせいかもしれない。

風にはためいていた。今年の桜を見ることも無く、逝った人が居る。
 3日前は、満開の盛りの歓喜の中にあったのに・・・・
今日の桜は散り急いでいる。
はらはらと
はらはらと
小雨のように
風にあおられ、花びらが降る。逝った人を呼び戻すかのように


『十兵衛さま~~』

十年程前の大河の一場面が甦る。
和久井・濃姫が
幼きころの『帰蝶』のままに、従兄弟の明智十兵衛光秀を呼ぶ

美濃の稲葉山城の
岐阜と命名される以前の故郷で

道三のまなざしの先に
生母小見の方の願いの先に
二人の姿が花影にゆれる
『十兵衛様』・・・

父道三が褒めちぎる愛弟子の十兵衛を、母小見の方の甥を
桜花のように
ほのかに思う、和久井・濃姫が呼ぶ

脚本家大石静は、母校の大先輩だ。
悩み惑う 光秀を演出した。
同じく 嫁いだころと変わってしまった 舘・信長に、心がついていかない
思い惑う静かではあるが、芯のある濃姫を描いた。
原作の『功名が辻』の司馬遼太郎とは、少し違った、似て非なる 二人

今も、桜の樹の下で

光秀の『胡蝶の夢』の具現として
濃姫は、呼ぶ

『光秀様』

明智十兵衛光秀を演じた
坂東三津五郎さんも、今年の桜を見ることなく
逝ったのだ。

演じた人も演じられた人も、再びの 桜を見ることがないのは

三百年先も三百年後も、同じ 『時』の線上にある。

今を楽しみ
今日を楽しみなさいな

全てが、思い出になる前に
しっかりと、自分でありなさいな

鹿毛の作の白斑君よ
青毛の流星鼻梁鼻白君よ

(因みに、サリネロは鹿毛の流星鼻白ちゃんです)

 

Dark bay with star, large snip, socks on all four

 leg

 

桜の見える馬場で
桜の見えるテニスコートで

桜吹雪の六地蔵様のおられる小道で今年の桜を見られた 喜び
季節を日々の暮らしに取り入れるように
桜の樹の下で、巡り会おうよ

古びて雅な 逝った人々と また 会おうよ

 

『十兵衛様』


まだ
声が聞こえる
まだ
桜が舞う、ひらひらと

 

はらはらと  はらはらと  はらはらと
 

 

 

 

 

名も残さず、数寄の心で高価な床の間の銘木に

蝸牛を彫らずにはいられなかった、職人。

 

角が無いそうです、

それを修理出来る職人さんを見つけられないからだそうです。

(支配人談)

 

 

令和6年の大河<光る君よ>

原作者の大石 静様

どうか

どうぞ

和久井濃姫様のように

新たなる定子中宮像を描いてくださいませ

本当の定子の宮を歴史の彼方から具現する

新・少納言に為ってくださいませ

 

硝子のドームの中でキラキラ

平安人が紡ぐ生き様

 

私は、まだ、傍観者

脈動が伝わりませぬm(__)m

 

源氏物語はまだ書かれていません

まひろさんがどのように変貌していくか

今のままの「純」がどう色変わりするか

 

何故

あのように長編の物語

一条帝の関心を藤壺に引き寄せるには、

「若菜」は必要であったか

ましてや、宇治十帖は・・・・

 

 

露天風呂/巨石の岩風呂の中で、時間遡行中

 

朝日新聞出版 2023/12  道長ものがたり 

「我が世の望月」とは何だったの

山本 淳子

 

 源氏物語の色と装束 別冊太陽 図書

平凡社 2024/01

清水 好子監修

 

なまみこ物語(円地文子)で、清少納言の「宮様」を知った。

中一だった。背伸びして掴み下ろした冊子は、その後、私の進路を照らす燈明となった。

山本淳子氏も紫式部、清少納言、平安時代の文学を中心に研究されている大学教授です。

紐解かれる道長が「幸い」人と呼ばれる所以、平安時代に生きた人物像を歴史的観点にたって

「道長物語」を記している。

病がち、祟りを恐れ、追い落とした政敵への畏怖から常に発病は自らの心の鬼による。家族思いは、大河に通じる道長か。

死者は死なない、記憶の中で生きる。

時には,生者を動かす。

一条帝は、定子を守り切れず、第一の皇子敦康を東宮に出来なかった。

定子と比較され続けたもう一人の后の彰子は、夫の心を見据えつつ、

二人の皇子を産む吉祥で、やがては父道長へ対抗する

自我を身内に育てた。

三条帝は、一条院の行動の記憶に沿い、無謀な二后並立を決行する。

彰子の妹妍子を中宮に、彼女は彰子と違い、皇子を持てなかった。

 

大河から、既に、降りてしまいました。

滅びゆく中の関白家の様子が正視出来ません。

道隆の描かれ方、定子中宮の在り方、まあ「まひろ」と道長が主役ですけ

 

致し方あるまい。

ガルルです。

 

 

 
源氏物語の時代 一条天皇と后たちのものがたり
 朝日選書 山本淳子