ある信仰心の篤い老人のお孫さんが言っていた不思議な話です。
お菓子を孫に与えるとジッと見つめているそうです。
老人がキセルのタバコに火を点けるため、ほんの一瞬目を離すと、ちゃぶ台のお菓子が消えています。
小さな孫が一瞬で食べられる筈もありません。
孫に聞くと・・
「神様が食べたの」
と、ニコニコしてちゃぶ台を見ていました。
それから数十年経って・・・
同じように目の前の”食べ物が消える現象”は続いていました。
ある日青年は、断りきれない人からの頼みでアパートに一晩の約束で泊まり込みました。
その一室では、気味の悪いことが続いています。
テーブルに置いてあった食べ物が、いつの間に消えてしまうのです。
消える瞬間は見ていないと若い夫婦は訝(いぶか)っていました。
青年の夢の中で、
3人の男女が薄暗い墓場で物を喰(く)らう姿を見ています。
青年は悟りました。
涙が止まりません。
朝になり、
アパートを引き払うように勧めました。
心の優しい若い夫婦が近所の店のおばさんに聞くと、あっさり教えてくれました。
その隣りの部屋で赤ちゃんの飢死事件があったと・・・。
合掌
*一部話しを変えています。
*1週間ほど更新は止まります。
Loreena McKennitt - Incantation