Attack it 第九ラウンド | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



手持ちのカードはわずかに3枚。

そのカードの真ん中に鎮座するのはジョーカー。

相葉は自分の手を見つめながら、ゴクッと唾を飲む。

このままいけば……。

すると二宮がクスッと笑って、真ん中のカードに手を掛ける。

「え……?」

「そろそろ決めておかないとね?」

二宮はスッとジョーカーを抜き取る。

なんで~っ??

ニノ~っ!!

相葉が泣きそうな顔で二宮を見つめる。

「おっと~っ!ここでババが動いた!!」

ナレーターの興奮気味な声に、身を乗り出した櫻井の姿がカメラに納まる。

二宮は、しまった!という顔を作りながら、ジョーカーを手の内にしまう。

相葉は大野のカードを引きながら恨めし気に二宮を見る。

「なんで……わかってたの?」

「あなた、わかりやすいから!」

「なんだ、これで俺にもチャンスが回ってきたか?」

松岡は大野にカードを向けながらニヤッと笑う。

「チャンスになればいいですけどね?」

二宮がふてぶてしく笑う。

「なるだろ?この中にジョーカーがあるんだから!」

松岡は二宮のカードをじっと見つめる。

二宮のカードも3枚。

真剣な表情で一枚一枚指を掛けて行く。

もちろん、二宮の表情は変わらない。

「あれ?おかしくない?」

松本が首を傾げる。

「何が?」

隣の櫻井はモニターを見ながら、聞き返す。

「だってさ……。」

松本がしゃべろうとしたとき、松岡が右端のカードを引き抜く。

二宮のカードは、胸の前で持たれているのでわからない。

もちろん、松岡が何のカードを引いたのかも……。

松岡の手の内がゆっくりカメラの前に現れる。

松岡の引いたカードは……ダイヤの3。

それと同時に松岡は自分のカードと合わせてダイヤの3を場に捨てる。

「逃げのびた松岡~っ!そして、カードは後1枚!!

 勝ち抜け決定だ!」

ナレーションの声に、応援会場から安堵の声が漏れる。

不満そうな松岡の顔とは裏腹に、櫻井は満足そうにうなずく。

いいぞ、いいぞ!さすがニノだ。

「これで、最弱王は嵐の誰かってことになりますが、櫻井さん?」

「は、はい!」

すぐさま顔を作って、カメラを見つめる。

「3人だったら、誰が有力でしょうか?」

「それは……大野さんじゃないかな?元々、最弱王なわけだし。」

櫻井はニコニコ笑いながら、相葉のカードを引く二宮を見つめる。

相葉のカードは二宮に取られ、残り2枚。

「そうですねぇ。大野さんも二宮さんと同じく3枚、相葉さんが2枚……。

 あ~、松岡さん、最後の一枚を大野さんが抜いた~。」

ガッツポーズでカメラに向かう松岡だが、目が喜んでいないのは明らかで、

モニターを見ていた佐々木が、フッと鼻で笑う。

松岡の最後のカードを引いて、大野のカードは4枚。

二宮も相葉のカードを引き4枚になる。

「相葉さん、ラッキーですね。もうすぐ上がりそうじゃないですか~。」

二宮がクスッと笑う。

なぜ自分のカードが減っているのかわからない相葉は首を傾げてカードを見つめる。

「ね、見て。翔さん。」

松本に耳打ちされ、櫻井がモニターに見入る。

「ニノ、さっき3枚だったじゃない?松岡君に取られる時。」

櫻井は思い出して、うなずく。

「……3枚だった……おかしくないか?」

減っているはずのニノのカードが増えている……まさか。

「ニノ、やったか?」

ジョーカーを隠したな。

これはいい!ニノが最弱になったら、これを暴露して……。

待て。最弱じゃなかったら、これをバラして最弱になるつもりか?

反則行為で?

……今バラしても、反則で最弱?

お前は好感度とか、気にしないのか!!

いや、俺だって智君の為なら好感度なんか……。

「どうする?言っちゃう?」

「いや、待て。そんなことしたら……。」

「ニノが最弱王になるのはまずい?」

松本が意味深に笑う。

「まずい……非常にまずい。

 できることなら、智君か、相葉君で……。」

「翔さんなら、そう思うだろうと思ってたよ。」

「嵐の好感度を下げるわけにはいかないし……。」

松本は、じっと考えて、周りを見回す。

「みんなは気づいてないみたいだね……。

 ゲームの行方を見守るしかないか…。」

二人がモニターを見つめると、大野のカードが揃い、2枚に。

二宮のカードも揃い2枚、相葉は一枚で、大野のカードに手を掛ける。

「これで揃えば、相葉が二抜けだ~っ!」

ナレーションが響き、相葉がギュッと目をつぶって大野のカードを引く。

カードを合わせてみると、手持ちがクローバーのJ持ってきたのはハートのA。

「残念!合いません!」

ざわざわする応援会場。

大野はじっと二宮のカードを見る。

2枚の内、1枚は間違いなくジョーカーだ。

大野がジョーカーに手を掛ける。

「いいぞ、智君!」

櫻井が小さくつぶやく。

しかし、大野の指は隣のスペードのAに移動する。

「何してるんだよっ!」

櫻井の声がどんどん大きくなる。

「あ~、櫻井さんは二宮さんを応援ですか?

 最近、仲がいいって評判ですが、それじゃ、大野さんが怒っちゃいますよ。」

ドッと笑い声が起こる。

「ははは。そういうわけじゃないんですけど……。

 大野さん用に作ったジャケットなんで、最弱王の白いジャケット。

 3人の中なら一番似合うんじゃないかなぁと思って……。」

なんとか、ごまかす櫻井を隣の松本が面白そうに笑う。

「さぁ、大野さん用に作られたジャケットを、また大野さんが着るのか!?

 選ぶのはどっちだ!」

ナレーションと共に、二人の視線がモニターに集中する。

モニターの中では、大野がまだ悩んでいる。

「そろそろ決めてくださいよ、大野さん。」

二宮が呆れたように大野を見る。

「これで決まっちゃうだろ?ここは慎重に……。」

「慎重にいったって同じですよ。カードは2枚。どっちにします?」

大野はグッと指に力を込める。

「ええいっ!これだっ!」

大野がカードを引き抜く。

引いたカードは…………ジョーカーだ。