Attack it 第十ラウンド | TRIP 嵐 妄想小説

TRIP 嵐 妄想小説

嵐さん大好き♡
智君担当♪山好き♡で
皆様のブログを見ているうちに書きたくなってしまいました。
妄想小説です。腐っているので注意してください!
タイトルに愛を込めて、嵐さんの曲名を使わせていただいてます。
ご理解いただけると嬉しいです。



「お~っ!これは面白くなってきました~!!」

ナレーターが騒ぎまくる。

大野の眉間に皺が寄り、口が尖る。

鼻もピクピクと動く。

それを見た櫻井が首を捻る。

あれ……智君、勝つ気なの……?

わかってる?

負けたら、誘われちゃうんだよ!!

違う、勝ったらだ!

ええい、ややこしい!

櫻井がモニターを見ながら、口をパクパクする。

モニターの中の二宮は、フンッと鼻を鳴らし、

面白くなさそうに相葉のカードをチラッと見る。

「これだから、天然は……。」

相葉のカードを一枚抜く。

「おっと~、二宮さん、ここでAを引けば上がりなんですが、

 全然考えずに引きましたね~。」

ナレーターが、不思議そうにつぶやく。

「あれ、考えてないんじゃなくて、わかってるんだって、誰か教えてあげたら?」

松本が面白そうに笑う。

「ニノには……相葉さんは手に取るようにわかるんだろうねぇ。」

二宮の引いたカードは、案の定クローバーのJでゲームは動かない。

「さぁ、今日一番の山場か!?

 現最弱王の相葉さんと、初代最弱王の大野さん、

 本当に最弱をかけての戦いです!これは面白い対決ですね~。」

応援会場がドッと笑いに包まれる。

どちらもポーカーフェイスが作れない。

しかし、引きは強い。

相葉が大野のカードに手を掛ける。

「大ちゃん……、最弱になったら……んぐふふ!」

相葉が、ぐふっと顔を赤くする。

「ん?」

大野が首を傾げると、モニターを見ていた櫻井も首を傾げる。

「あれ、休日デートできるよねって言う意味?」

櫻井が隣の松本に話しかける。

「にしては、あの笑い方……?」

「まさか、さらにその先……。」

櫻井が言いかけて、眉を吊り上げる。

「まさかぁ!雅紀に限って……。」

松本が大きな目を大きく見開く。

モニターの中では、ぐふぐふ笑いながら、大野のカードを見つめる相葉。

「どっちかなぁ。これで終わっちゃうかも……。」

「終わるわけないでしょ?ジョーカー持ってない人からしか、終われないの!」

「そうなの?」

相葉は首を傾げて大野を見る。

「ん~、おいらに聞かれても……。」

大野も首を傾げる。

「まぁ、いいですよ。さっさと引いちゃって。」

「じゃ、どっちにしろ、終わらないなら……これっ!」

相葉が大野のカードを引く。

「おお~、相葉さん、引きましたね~。さぁ、ジョーカーは移動したのか!?

 引いたのは……ジョーカーだっ!魅せます!さすが、現最弱王!

 ジョーカーに愛されています!!」

相葉の手の中で、ジョーカーが笑う。

応援会場でもどよめきが起こる。

「さすがだね。魅せてくれる!」

松本が歓声を上げる。

「いや、ダメでしょ?それじゃ……。」

櫻井の顔色が悪くなる。

これでニノからJを引いたら智君上がり?

まずいよ、まずいでしょ。

ニノと相葉さんなんて……一瞬で勝負が決まっちゃう!!

大野はホッとしたのか、安心しきった顔で二宮のカードを引いていく。

「あ~、そんな簡単に……。」

櫻井の危惧も大野には届かず、大野が引いたのは……クローバーのJ。

「大野さん、二抜けだ~っ!」

大野は相葉と二宮をニコニコ見ながら、カードを場に捨て、手を上げる。

「残るは相葉、二宮の戦い。一騎打ちです!」

ナレーションに、応援会場のテンションが上がる。

いつの間にか、大野の休日争奪戦のことも忘れ、試合に身を乗り出すゲスト達。

「相葉か……はたまた二宮か……。」

二宮はじっと相葉のカードを見つめる。

相葉はコチョコチョとカードを変え、うん、とうなずくと、二宮の前にかざす。

「どちらかがジョーカーってことですよね……。」

「ん~、そうかもしれないし、違うかもしれない。」

「違かったらババ抜きにならないから。」

「ひゃひゃひゃひゃ。そうだね、そうなっちゃうね~。」

相葉が笑ってじっとカードを見つめる。

「俺とお前の仲も、もう20年……。」

「その件(くだり)、前回、やりましたから。」

「総武線で……。」

「それもやりました。」

二人のやりとりに会場中が笑う。

「俺のこと、愛してるかっ?」

「それは……やってません。」

ゲスト達がドッと笑う。

「愛してるなら……引くカードはわかってるなっ?」

「わかるか、そんなのっ!」

二宮が笑いながら、相葉のカードに触れる。

「愛がある方を引いてくれ。」

「愛?愛なんてあるかっ!」

二宮の丸い指が、相葉のカードを行ったり来たりする。

「あるのよ、愛!」

相葉がクスクス笑う。

二宮はカードに触れながら、じっと相葉の様子を読み取る。

ジョーカーは……。

二宮がジョーカーに指を掛けると、相葉が小さな声でつぶやく。

「ニノが~、大ちゃん大好きなの知ってるよ……。

 でも、絶対死守するからね。」

何を死守するんだか……。

二宮は、はぁと溜め息をついて、カードを選ぶ。

「相葉さん……、私が選ぶのは……こっちだぁ!」

二宮が大きく腕を振り上げてカードを引き抜く。