今晩は
かなり久しぶりの更新になってしまいました
ずーーっとアップしようと思い、ずいぶん前に下書きに入れ…そのままに(保存日が半年以上前になっていた…)
話は遡りますが…。
去年の冬、長男ひさくんが手術などでたくさんお世話になった小児心臓外科医の先生のインタビューが載っていたので、読んでみました。
(何気に先生どうしてるかな?と気になって…)
ひさくんのこと思い出してちょっと泣きそうになりましたが。。
ちょっと紹介させていただきますね。
『治療前の子の顔も、亡くなった子の顔も、一生忘れない』
(省略)
私も数多くの手術を経験してきましたが、ふと思い出すのは成功したケースではなく、うまくいかなかったケースです。もちろんすべての患者さんを治せるわけではなく、手術をしても残念ながら亡くなってしまう患者さんもいらっしゃいます。
手術を説明するときの子どもの顔、病棟で遊んでいたときの顔、亡くなった顔。自分が執刀し、残念な結果に終わった患者さんの全員の表情は鮮明に覚えています。おそらく、一生忘れることはないでしょう。
手術がうまくいかなかったときは、何がよくなかったのかをチームミーティングで徹底的に考えます。「あのときこうすればよかったのか」「あの1ミリの判断が悪かったのか」などを話し合った後で病理解剖の結果も参考にしながら、原因を追究したうえで、ご家族にすべての事実をお伝えしています。
病理解剖を行っても何がよくなかったのかわからない場合もありますし、自分の力では回答が出せないこともありますが、手術は結果がすべての世界。終わった後には必ず反省とその共有をすることが外科医の果たすべき責務だと考えています。
実は私自身も、次男を病気で亡くしています。長年医師として多くの子どもを治療してきたのに、自分の子どもには何もしてあげることができず、自らの無力さを痛感しました。しかし、この経験があるからこそ、親御さんがどのような気持ちでいるかを知っているつもりです。
もちろん私自身も完璧な人間ではなく、ましてや神の手を持つわけでもありません。ただ、病気の子どもを持つ親御さんは、「何とかこの子を助けてほしい」という切実な思いで医師のもとを訪れます。ですから我々にできることがあるならば、全力で治療を行います。
もしもその家族に未来をもたらし、その家族が幸せになれるならば、私は全力で手術を行い、子どもたちの人生に貢献したいと思っています。
以上です。
ひさくんの手術は成功したものの、命は助からなかったけど、、、後悔もたくさんあったけど、改めて、人としてこの先生に出会えたことは良かったなと感じました。
日々手術だけでなく、教授として多くの学生を教えたり、学会に参加したり現場指導をしたり忙しい中でも様子を見に駆け回ってくれてた先生。
感染症チーム、小児循環器チーム、胸部外科チーム、麻酔科、、、と他部署との連携を図り、何度も何度もカンファレンスをしてくださっていた。
病理解剖結果で久しぶりに病院に訪れた時、小児循環器医である主治医の先生が、N先生が書いたカルテを少し見せてくださった。
専門的すぎてよく分からなかったけど、心臓の図や文字がそこにはビッシリと書いてあり、手術が終わってクタクタのはずなのにこんなにも…と感心したのを覚えています。(ドイツ語?みたいなので本当に「??」でしたが…)
沢山の辛い手術に耐えたひさくんのこと、いつも「よく頑張ってるな」と褒めてくださると同時に、意識のないひさくんの頭をヨシヨシしてくださっていた。
ごめんよ。…と。
私のことも気にかけてくれて、ひさくんと「一緒に写真撮ってあげて」って看護師さんに言ってくれたり、時にはわざと足下つまずいて見せたりして(場を和ませようとしたり)ユニークな先生だった。
だから、落ち込んでいてもひさ君にはまだ可能性があるのかなって先生の態度や雰囲気で前向きな気持ちになれた。
その分、先生が真剣な表情で何も言ってこないときは不安にもなったもんだけど…。
ひさくんは沢山のことを乗り越えて、命をかけて学ばせてくれた頑張り屋さんだから、忘れることはできないと言ってくださった。
同じような壁にぶつかった時に、ふと思い出してくれたら良いなと思う。
シャントひとつにしても、新生児は特に0.1ミリの差が命に関わる。
絶対何ミリ!っていう基準なんてないから難題だし、先生の判断次第。
もちろん成功したって術後の管理や環境などで左右するんだけど。。。
先生の腕だけにかかってるんじゃない。
全てが順調に行くことって本当に奇跡。。。
先天性心疾患の子が生まれる確率は100人に一人。
ひさくんのように重度の心疾患は1万分の1。
どれだけの子が助かってるのかな…??
やっぱり同じような病気の赤ちゃんが亡くなるのは悲しいし辛い
願いは同じ。
一人でも多くの赤ちゃんが助かりますように。。。
先月、こんなニュースを目にしました
『O大学のN教授らは帝人などと共同で、子どもの心臓手術に使う繊維製のシートを開発した。子どもの成長で心臓が大きくなっても、シートが伸びるため再手術のリスクが減る。生まれつき心臓の壁に穴が開いている病気の治療に使う計画で、2019年度の臨床試験(治験)開始を目指す。』
先生、新生児用の人工弁開発など研究してるって言ってたけど1歩ずつ進んでるんだ
すごい
影ながら未来の医療の為に応援したいと思います
(それにしても…北大阪の地震でやっぱり駅で足止めくらってたらしい先生。大学病院も被害があり手術室が使えなかったそうな…。何より赤ちゃんたちが無事で良かったです)