合宿 | 包丁研ぎ師月山の包丁研ぎ磨ぎブログ

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人として包丁研ぎ師としての日常や発見、気づきなどを書いています。

目指すは包丁研ぎ世界一。みなさんに少しでも刃物に興味を持っていただければ幸いです。

高級鍛造刃物販売、修理研ぎをする三代目です!

http://www.tsukiyama.jp/

先日は久しぶりにアメンバー限定の記事を書かせていただきました。

 
内容はともかく実験に数ヶ月を要したのでなかなか記事にできずにおりましたが、やはり実際に使うことが大切だと実感しました。
今までは料理人さんや教えている高校生の子供達に感想を聞いていましたが、やはり自分でやってみないとわからないことがたくさんあったからです。
 
研ぎ屋むらかみの村上氏にも散々料理をしろと言っていただき、ようやくといった感じです(^▽^;)



最近は庖丁だけでなく鉋や鑿、鋏もよく研ぐ機会があるのですが、庖丁以外を研ぐことで新たな学びを得ることが多々あります。

しかしやはり庖丁を使ってみたのと同じように、最近は使ってみたい衝動に駆られます(^_^;)

鋏は裁ち鋏や握り鋏は簡単に切り試しができ、また庭がある関係で木鋏や刈込み鋏なども試すことができますが、鉋や鑿はなかなか使うことが難しい道具でした。

そこで天然砥石尚さんに無理なお願いをしたのですm(_ _)m

鉋の研ぎ方、使い方、また鑿の使い方を勉強させていただきに尋ねました。



さっそくぶち当たった壁は台の調整です。

鉋の台の調整の精度は課題だとは思っていましたが、やはり理解がまだ足らなかったように思いました。

研ぎでは面直しが大事なように鉋では台直し鉋が大事ですが、チェックが甘かったと早々に知ります。

尚さんのところに来ることになったのも若い大工が研ぎを学びに来るになったことがきっかけなのですが、もっと鉋と向き合わないといけないと感じます。

それにしても台が曲がるのが早すぎる(^▽^;)
 
雨が降っていたことも影響しているのでしょうが、台の癖を早く知ることが大事なのかもしれませんね。



その後削りです!!

 
  
なんと!!

9300ミクロン(@ ̄Д ̄@;)

約1cm近い厚みが(笑)

これは計測する前の状態の写真です。

実際は17ミクロンが一番薄かったですね。



研ぎに関しても大きな気付きがありました。

手が安定していない理由に持ち方の問題があり、手がブレるために手で研がずに体を使って研いでいるという指摘をいただきました。

アドバイスをいただき持ち方を変えて研いでみると、かなり上手く手で研げるように!!

私の中でのポイントは小指の使い方でした(-^□^-)

しかーし!!

その後何度も研ぎをして気が付きました。

小指を意識して使うことで鉋の刃が倒れにくくなり研ぎやすくなった半面、全体にかかる力のバランスが崩れて刃が少し傾いてきていたのですY(>_<、)Y

 

修正の研ぎをしたらやはり左側が当たっていませんでしたOrz

研ぎは庖丁でも何でもそうですが、自分の癖を知ることが何より重要だと思います。

ただ癖を知り意識することは大事ですが、部分的に意識するとまた別の癖を作ってしまうこともあるようです。

自然に研げるように早くなりたいものです(-^□^-)



その他にもこんなこともさせていただきました。

鑿でほぞ穴掘り!!

 

ほぞをのこぎりで切って作りました。

 

そしてドッキング!!

 

偶然にも上手くいってよかった(-^□^-)



はやり道具は使ってみないとわからない。

見て知っているのと実際やってみるのでは違います。

薄削りをやってらっしゃる方には怒られるかもしれませんが、鉋の薄削りで10ミクロンくらいは意外にすぐ出るのかと思っていました。

研ぎはもちろんですが、台の調整、刃の出し方、そして削るのにも技術が必要です。

足らないこと、知らないことがたくさん。

経験できてよかったです(-^□^-)

天然砥石尚さん、そしてこの道に引きずり込んだ(笑)スターガーデンさん、ありがとうございましたm(_ _ )m



最後に当店は若狭田村山販売指定店の看板をいただけることとなりました。

 

庖丁や鉋、剃刀の最終仕上げにおすすめです(-^□^-)

やはり硬くて平面精度を高く維持できるのにもかかわらず、加圧しても地金を引きにくく滑らかな研ぎ心地です。

庖丁の糸刃を作るのにも最適です!!

またご興味がある方はご連絡くださいませ。

では!!