上村曜介・ボランティア活動報告(4月29日~5月2日) | Tsukuba for 3.11

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~筑波大学から始まる復興~

宮城県で災害ボランティアに参加してきた、上村さんに情報提供していただきました。
以下、上村さんの災害ボランティア報告です。




【名前】
上村曜介


【所属・学年】
生命環境科学研究科 博士前期課程2年


【期間】
1日


【活動場所】
入谷小学校(南三陸町)


【参加経緯と活動外情報(登録団体、移動手段、宿泊所、食事等)】
ワゴン車1台、軽トラック2台、車中泊、基本的に食事持参


【活動内容】
・支援物資(布団約20セット、防寒着、電子レンジなど)の輸送・搬入
・支援物資として送られてきた衣類等の仕分け
・燃料用の薪割り
・避難生活中の子どもたちと遊ぶ


【現地の状況(ライフライン、現地の雰囲気、避難者のニーズ等)】
《ライフライン》
電気…三日ほど前に復旧。
ガス・水…復旧していない。配給される水を煮沸して飲料水に使用していた。

《現地の雰囲気》
避難生活者約60人、約20世帯が小学校の体育館内で協同生活。
届けられる支援物資は公平に分配されるように、取りまとめ役の方が中心となって仕分けていた。
一ヶ月以上の避難生活による疲れは感じられた。今後、仮設住宅への移動が始まるようだった。

《避難者のニーズ》
衣類や寝具などが支援物資として送られるが、やはり新品のものが欲しいというのが正直なところなのではないだろうか。
不要なものと必要なものを把握して送らなくては、逆に避難地で余ってしまって処分に困るものがあると感じた。

現地での仕事は、想像していたような瓦礫処理や復興支援ということよりも、生活の手伝いというような仕事が大切だった。避難者の方が「地味な仕事で申し訳ないんだけど…」とおっしゃっていたことが印象的だったが、ボランティアの目的は避難者の助けとなることで、テレビで報道されるような仕事をすることではない。また、避難者の生活の手助けとなる仕事はいくらでもあって、それを見つけて実行することは大切だと感じた。


【感想、気付いたこと、伝えたいこと】
避難者の方々からは体力・精神的な疲れはもちろん感じるが、何名かを中心にして協力し合いながら生活している。
特に高齢の方の中には、身体的に辛そうな印象を受ける方も多かった。
私たちと同じ日に整体師の方々がボランティアに来ていたが、物資的な支援に加え、避難者の身体的なケアの必要性は高いと感じた。

子どもは2才児から高校生まで約10名が生活している。特に小学校中学年くらいまでの子どもたちが少ない人数で仲良く遊んでいた。私たちも子どもたちと学校の校庭で鬼ごっこをして一緒に走り回った。
子どもたちから現状の生活に対する不満の声はほとんど聞こえない。
彼らと触れ合っているうちに、不満を口に出さない「我慢すること」が身に染み付いていると感じることが多かった。
例えば、支援物資の中の遊び道具分け合う姿、自分よりも小さい子どものわがままに対応する姿が印象的だった。
様々な遊び道具や本が贈られてきていたが、継続して子どもたちが熱中できるクラブ活動のようなことが必要なのではないかと感じた。

私たちが搬送した物資の中に、新品の毛布セットがあった。避難者の方々は体育館に布団を敷いて寝ているのだが、仮設の住宅に引っ越すことになった場合に使う布団がないということで新品の毛布セットは喜ばれた。しかし、人数全員分には足らず一世帯一つで支給した。支援物資の数が足りないことによる避難者間でのトラブルは問題になっているようだった。避難所に非難している人数と必要なものを正確に把握することは難しいと思うが、最も重要なことだと思う。


【これからボランティアに参加する人へのメッセージ】
時期や状況に応じて、被災地で求められることは変化すると思うのでどうすればいいということは言えませんが、被災地の方の助けになるのならどんな仕事も大切な仕事だと感じました。
被災地で必要とされることは被災地で生活している方が一番分かっているので、それを聞き出して自分にできることを実行することが大切だと思います。