何度も味わう無力感 | 月のベンチ

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両親の闘病記

病院で出来ることは限られるが、清拭や整容、吸引、口腔ケアや体交などはやれる。
でも、ほんとうにやりたいのは、母にとっての苦痛をわずかでも取り除くことだ。

リンパマッサージも弛緩誘導法もベッド上で出来るエクササイズもフェイシャルマッサージも、短時間短期間ではあるが習って実践した。

そのどれもが、母の苦痛の元を、いまだ取り除いてはくれない。

技術的に未熟なことは否めない。
本格的に学校に通う家族もいるようだが、私にはそんな時間も経済的余裕もない。

付け焼き刃程度でしかないから効果が見られないのか、
もっと長期的に行えば、何らかの成果が 見られるのか?
それとも母には合わないのか?……

いろいろ考え巡らせながらも、試行錯誤して行くしか手がない。

主治医は呼吸、嚥下機能の状態から、これ以上の筋弛緩剤は処方しない考えだ。
どうしてもと言う場合は転院になる。

どこまでやればいいのか、どこがボーダーラインなのか?
判断がつきかねる。


これでもかという延命措置をしておきながら、こんな苦痛すら緩和してあげることができず、ただただ無力感がつきまとう。



鍼灸が効くと言う。
とある人がその学校に通い始めたそうだ。
そこまでやってこそ、だ…。

自分が不甲斐ない。



母の年齢や状態もあるが、気管狭窄にしても何にしても、思い切った治療にも踏み切れず、狭い中でただクルクル走り回っているだけのような日々だ。





私はいったいどうしたいのか?